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【 メルレポート、~ レポート十八、ギャグなのか? 】

*****

ヘンナが今、どこにいるのか?

ヘンナは、どこか遠い世界へと旅立ってしまったのじゃ。
つまりヘンナは死んでしまったという事じゃ。
不治の病じゃった。

だからこそ死の間際までメルちゃんには自分の病について語らなかった。

メルちゃんを決して困らせたくなかったのじゃろうな。

メルちゃんは頭が良い。
どんな病にも効くという伝説の薬草のありかすら知っておった。
しかし、そこは子供にはとても危険な場所じゃ。

メルちゃんはまだまだ子供。

そしてヘンナは子供ながらに知っておったのじゃろう。
伝説の薬草があるその場所が危険じゃと。
だから告げなかった。

告げれば、メルちゃんが採りに行くと言い出さないか心配じゃったのじゃろう。

もちろんワシですら命がいくつもあっても足りない場所じゃった。

しかもワシは聞いてしまったんじゃ。
その伝説の薬草は、そこにはなく、それどころか薬草は世界のどこにもないと。
信じられなかった。

信じられなかったが、それでもワシは命が惜しかったのじゃろう。

無理矢理、納得してしまった。
そこにはなく、そして、そんなものは世界のどこにもないと。
ワシは弱虫じゃな。

でもメルちゃんはワシとはまるで違った。

ヘンナが病床に伏し死にそうな時。
ヘンナ、待ってて。必ずあんたの病気を治してみせると言ったのじゃから。
ワシは涙が出たよ。

そこにはないし、あまつさえこの世界のどこにもないと。

じゃからワシはメルちゃんを止めたよ。
大人のワシでさえ、命がいくつあっても足りない場所じゃったのじゃから。
こうなる事はヘンナも予想しておったのじゃろうな。

何せ死ぬ前日まで笑っておったのだから。

まったく苦しさも見せずにじゃ。

じゃからヘンナは言った。
メルちゃんの可愛い瞳をジッとのぞき込むように。
そして、私の為に無茶はしないでと。

「メル。私は死ぬの。運命よ。あなたは死なないで。私の分まで生きて」

といつものように微笑み。
とても悲しく、とても寂しい笑顔じゃった。
じゃが、ワシらにはヘンナの気持ちが痛いほど伝わったんじゃ。

じゃから見守った。

死にゆくヘンナをただ見守ったんじゃ。

「ふふふ。いつものように笑ってよ。メル。父ちゃん。お願い」

ワシは思った。
ワシのギャグでヘンナやメルちゃんを笑わせる時じゃと。
今までギャグなど無縁な刀鍛冶じゃった。

しかし、ここでワシが二人を笑わせないと一生後悔すると思ったのじゃ。

ワシは必死じゃった。
ギャグなど考えた事もないワシがギャグをやってみせるのじゃから。
出来るだけ変な顔をして、おどけてみせた。

「寒いわ」

ヘンナから返ってきた言葉。
ワシの必死のギャグはまったく通用しなかったのじゃ。
それでもワシは、ワシの命を燃やし尽くしてもいいとギャグを続けた。

「寒いわ。父ちゃん」

メルちゃんの目から涙が零れた。
もう助からないとメルちゃんも悟ったのじゃろう。
それでもワシのギャグは止まる事を知らず、二人を笑わせようと必死じゃった。

「……父ちゃんのギャグは寒いね。あははは」

「ふふふ。そうね」

ワシの必死さと寒いギャグがアンバランスじゃったんじゃろうな。
ヘンナとメルちゃんが遂に笑ったのじゃ。
涙を流しながら。

ワシは調子に乗って、更に寒いギャグを連発した。

二人を笑わせる事が出来たとな。

「寒いわ。本当に寒いわね。父ちゃん、ギャグの才能、全然ないわよ」

「ヘンナ、それは言い過ぎよ。あははは」

ワシは嬉しかった。
死ぬ間際のヘンナを笑わせて、みんなが幸せになったんじゃからな。
ヘンナの笑顔は最後までみんなの幸せじゃったんじゃ。

ワシの目からも涙がとめどなく溢れたよ。

その言葉を最後にヘンナは冷たくなってしまったんじゃからな。

その時からじゃよ。
ワシはギャグにこだわり、名前もメルトから変なおじさんに改名したのじゃ。
ま、ワシはヘンナの父親としてのヘンナおじさんなのじゃがな。

天国にいるヘンナが笑ってくれるのを信じてじゃ。

ふふふ。
どうせヘンナにはワシのギャグは寒いと言われるのがオチじゃろうがな。
それでもギャグをやれば笑えるのじゃ。

ヘンナという愛娘が死んでしまったワシでもじゃ。

*****

俺様は人目をはばからず、大粒の涙を零した。

うぐっ。ひくっ。
マジかよ。ヘンナちゃんが可哀想だ。
何で、まだ助かる方法があったのに死んじゃったんだよ。

その伝説の薬草、俺様が採ってきてやりてえよ。

何だよ。この昔話。
卑怯だ。どこが、ギャグなんだよ。
ギャグだと思って聞いていたから余計に涙が出ちゃうじゃんかよ。

俺様は魔王だ。
でも悲しいもんは悲しいんだよ。
いまだに寒いギャグをやり続ける変なおじさんも可哀想だが。

天国に逝ってしまったヘンナちゃんはあんまりだ。

俺様は嗚咽を漏らしながら涙を流した。
ヘンナちゃんと変なおじさんという親子の物語を聞いてしまって。
あんまりだと。

「はい。はい。変なおじさん。魔人は天国に逝かない。それこそギャグ?」

メルさん?
メルがパンパンと両手を叩き俺様達の前に現われた。
目を閉じて、首を傾げている。

「あははは。バレたか。ワシの新技じゃ」

「そうね。変なおじさんの新境地開拓といった所かしら? ふふふ」

「そうじゃ。そうじゃ」

なぬお?
今までの話は全部、ウソだったのか。
ちくしょう。真面目に聞いて涙まで流した俺様の立場は?

「面白かろう?」

変なおじさんの目が光った。

「寒い。今まで聞いたギャグの中で一番、寒いわ」

「じゃろ。じゃろ。寒いギャグはワシの一番得意とする所じゃ。わははは」

そこッ!
寒いギャグを一番得意とするな。
ギャグは笑わせてなんぼだと思うのは俺様だけじゃないはずだ。

「でも……」

おろ?
メルさん。何を感慨深く空を見つめてるのさ?
何か思う所でもあるのか?

「ヘンナは相変わらずの笑顔だったわ。あの頃と何も変わってなかった」

「うむ。ヘンナが死んでから何も変わってはおらんよ」

死んだ?
ウソじゃないのか……。
あのギャグは本当にあった事なのか?

「あの頃のままじゃ」

メルにつられるように変なおじさんも空を見上げた。
雪が降っていた空は曇天模様で、また寒くなると告げているようだった。
そんな二人の目には……。

大粒の涙が一粒ずつ、ポツンと在った。

「ヘンナ」

とメルが言った。
俺様には、メルのその言葉の意味が分からなかった。
いや、分かるはずもなかったのだ。

何せメルと変なおじさんの二人だけに分かる真実だったのだから。

こうして変なおじさんのギャグが終わった。
果たして、ギャグだったのか。
いや。

それすらも分からないギャグが……。

俺様は思った。
あのギャグという昔話はきっと本当の事だったんだろうと。
俺様は不覚にもまた泣いてしまった。

ああ。何で魔王である俺様がこんなに涙もろいんだろうと一人、考えた。

俺様は悪逆非道な魔王であるぞと心の中で思ったのだ。

メルが微笑んだ。
まるでヘンナの笑顔のように、それはとても幸せそうな笑顔だった。
もちろん笑ったメルの瞳から大粒の涙が流れ落ちた。

俺様は、メルの涙を見逃さなかった。

~ レポート十八、ギャグなのか? 、了。

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こんばんは.:*・☆

四草めぐるさま、こんばんは☆彡
いつも本当にありがとうございます!

ヘンナちゃんとメルちゃんを笑わせるために、
必死でギャグを飛ばし続けたメルト。
ついに涙を流しながら笑ったヘンナちゃんとメルちゃん――。

本当に、ここは、もう、激しく胸にぐっとくるシーンで、
思わず目頭が熱くなりました。

ヘンナちゃんのために大粒の涙を流す魔王の姿にも、
どうにも込み上げてしまいます。

笑顔をつくりながらも涙を零す現在のメルちゃん。
ヘンナちゃんはメルちゃんにとって、
今も、かけがえのないとても大切な存在なのだと分かります。

空気が凛と冷えて静寂の中にある晩秋の夜長。
今夜のような夜に読むのにぴったりの心に迫るシーンでした.:*・☆

寒すぎるw

|電柱|・ω・`)ノ ヤァ
風とケーナさん、変なおじさんのギャグ、こうなりましたw
今日はとても冷えると思う四草めぐるですw

どこかで変なおじさんがギャグでも披露しているんじゃないかと思ったりw

ちょっとだけホロリ場面になりましたね。
この路線を研究してみんなの涙を誘うような物語も書きたいですね。
それにしても寒いw

変なおじさんの笑えないギャグがw

では、では。
草々。
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四草めぐる

Author:四草めぐる
将来、月に移住したいと思う今日この頃。現実的には一歩、一歩、着実に。基本を大事に。

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