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E★エブリスタ

では、▼以下より、私の世界をお楽しみ下さい。
     

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【 メルレポート、~ レポート十五、馬鹿に馬鹿と言ふ 】

「何を強がっておるのじゃ。現にお前の創り出した光は闇に喰われておろう」

老齢な魔法使いが勝ち誇ったように言う。
そんな強気な魔法使いを前に、それでもまったく動じないメル。
それどころか笑っている。

クスクスと小悪魔的な笑顔を浮かべ。

そんなメルも可愛い。
口の悪さと凶暴さ、その二つがなければ、確かに超絶かもな。
俺様は不覚にもそう思ってしまった。

「閃光魔法、翡翠はただまぶしいだけの魔法じゃないわ。すぐに分かるわ」

メルが言う。
と、老齢な魔法使いがうめく。
そう。とても苦しそうに魔法使いがうめき始めたのだ。

「くっ」

「ほらね。何も分かってなかったのは君の方よ。魔法使いさん」

勝ちを確信したように魔法使いをビシッと指さすメル。
痙攣するように小刻みに震える魔法使い。
そうなのだ。

メルの唱えた閃光魔法、翡翠は相手を金縛りにする効果もあったのだ。

でもよ。
金縛りにするんだったら閃光は必要なくねえ?
そう思うのは俺様だけか?

「メルよ」

「何よ。魔王。真面目な顔して」

「金縛りにするんだったら、閃光自体は必要なくねえか。必要なの?」

「うるさいわね。金縛りに出来る時間は短いのよ」

どういう事だ?

「ま、とにかく黙って見てなさいよ」

魔法使いの唱えた漆黒魔法は金縛りになった事で効果が切れる。
その後、再び翡翠の放つ黄金色の光が強くなる。
漆黒魔法の効果を無効化したのだ。

「くっ。このままでは目が眩む。何とかならないのか。僧侶、戦士、魔法使い」

「ワシは今、金縛りにあっておる。何ともならんわい」

老齢な魔法使いがまいったと匙を投げる。
その様子を見て僧侶が答える。
私も無理と。

「どうやら相手は相当の知恵者ね。私でもどうにもならないわ」

インテリ女僧侶は老齢な魔法使いを見て、何もしない方が得策と判断する。
まだ金縛りにあわない方が勝利の確率があると思ったのだ。
ゆえに目を手で覆い閃光が納まるのを待っている。
一方、筋骨隆々な戦士はというと。

「ファ、ファイト一発!」

気合いで閃光をなぎ払おうと努力しているようだ。
脳筋の勇者とキャラが被るヤツだな。
気合いかよ。

「そうか。何となく分かったぞ。メル。金縛りの意味が」

「やっと分かったようね。魔王(バカ)」

「つぅッ。バカはねえだろ」

「馬鹿には馬鹿というのが親切なのよ。この私的にはね。了解?」

「うるへい」

そうなのだ。
翡翠の閃光は徐々に強さを増していっているのだ。
つまり、閃光が相手の目を眩ませるまでには、少々、時間がかかるのだ。

その時間を稼ぐのが金縛りという訳だ。

なるほど。
弱点を補うような金縛り。
よくよく考えられたメルらしい閃光魔法だなと思った。

「私の翡翠は必勝の閃光魔法よ。これで何回も危機を逃れたわ」

やはり勝ち誇ったように勇者達を見下ろすメル。
めっちゃメルらしい魔法だな。
翡翠という魔法は。
感心した。

「よっしゃ。ヤツらの視界は奪ったな。即トンブリ、逃げるぞ。メル!」

「そうね。行きましょうか。魔王」

俺様達は今は逃げるが勝ちと勇者達に背中を見せて逃げ出した。
俺様は舌を出して、馬鹿にする事は忘れなかった。
もう現われるなよ。馬鹿どもがと。

「魔王?」

逃げながらメルが言う。

「何だよ。褒めて欲しいのか。いいぞ」

「馬鹿。違うわよ。そんなんじゃなくて、舌を出したって見えないわよって事」

あ。確かに……。

「そんな無駄な事をする君は本当に頭が悪いわね」

お、お前は口が悪いぞ。メル。

十五分ほど走り続けただろうか、勇者達が見えなくなる所まできた。
息が切れて心臓が破裂しそうな程、鼓動している。
つ、疲れた。

勇者が花鳥風月を放った時、爽やかな風だと表現した。

しかし今は真っ赤な月から熱線が届く。

暑い。灼熱だ。
魔界には太陽はないのだが、月からのやたらと暑い熱線に照りつけられる。
今は真夏なのかと思う程の灼熱地獄。
だらだらと汗が噴き出す。

「魔王。君、今の状況、分かってる?」

分かってるだと。
何をだ?

俺様は流れ落ちる汗を拭いながら考える。

「問題の本質は何も解決していないのよ。先延ばしにしただけよ」

問題の本質だと。
むうう。そんな難しい事はメル、お前に任せてある。
その為の従者であり、参謀なんだろ。

「ま、君にこんな事を言っても、まったく意味をなさないけどね。ま、いいわ」

ぬう。今、また馬鹿にされたのか?
分からんが。

「ともかく変なおじさんの所まで急ぎましょう。魔神に会わないように」

「もちろん勇者達にもな。もうこんなに疲れるのは御免だぜ」

「そうね」

そして俺達は慎重に歩を進め、変なおじさんを目指した。
元魔界の支配者である俺様。
それを知ってか。

その間、ブタピックのように覇を唱えようとする魔人共が何人か襲ってきた。

やっぱり魔界中に俺様の没落は伝わっているようだ。

ま、しかし落ちぶれても元魔王の俺様。
そんな不埒な輩は、死斑剣の錆びにしてやった。
そんなこんなで半日は、魔界の煤けた黒い砂の上をさ迷ってやっと着いた。

そう。

変なおじさんがいると思われる場所まで。

「ハァ、ハァ。暑いわね。でも、やっと着いたわ。あそこよ。魔王」

メルが、額から流れ落ちる汗を拭いながら言う。

暑いか。
確かにな。魔界の季候は不規則だ。
さっきまで寒いと震えていたら、突然、灼熱になる。

不憫な世界だな。

そう思っていたら、突然、空から雪が降ってきやがった。
一気に辺りは寒くなり、俺様達は震えた。
何だよ。

俺様達は口から白い息を吐く。
本当に何て場所だ。
魔界とは。

「雪かよ。さっきまでの真夏を通り越した灼熱地獄は一体、何だったんだ」

「そうね。今更だけど魔界は変な場所ね」

しかし、この雪は魔界の季候の問題だけじゃなかった。
そう。この雪は降るべくして降ったのだ。
その意味は程なく知る事となる。

「誰だべ?」

しんしんと雪の降る魔界に場違いな素っ頓狂な声が響いた。
いたのだ。俺様達が探していたヤツが。
俺様はまた白い息を吐いた。

さ、寒い。

その変なイントネーションがまたベタすぎて。

「お前が……、変なおじさんか?」

俺様が言う。
目の前の頭の禿げあがった汚いおじさんが答える。
まるでお約束のように。

「なぬ? 変なおじさんとな?」

「ああ」

「そうです。私が変なおじさんです。あ~、変なおじさんたら変なおじさん」

さ、寒い。
敢えて変なおじさんが何をやったか書かないでおこう。
あまりにお約束過ぎて寒すぎるから。
本当に寒いぞ。お前。

寒すぎる。

俺様はまた口から白い息を吐きつつ、変なおじさんの寒さに震えた。

~ レポート十五、馬鹿に馬鹿と言ふ、了。

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【 構想三十年 】

現場事務所、三十年かかってやっと完成。その半月後、工事終了。

構想三十年、了。

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【 メルレポート、~ レポート十四、花鳥風月と翡翠 】

俺様達は変なおじさんと会う為に魔界を旅している。

あれから原初の魔王は黙ってしまった。
しかし、あの会話が成立したという事は原初の魔王は能力を隠し持っている。
多分に目の前にはいない俺様達を監視できる能力をだ。

それは視覚的になのか、聴覚的になのか、それすらも分からない。
分からないが監視されている事は確かだ。
その秘めた能力で。

ゆえに何時も気を抜く事を許されず、しかも時間は思った程ないように思う。
メルはどう考えているんだろう。彼女に目配せをする。
真剣な面持ちで何かを考えている。
いい作戦はあったか?

「魔王」

「な、何だよ。メル」

突然、メルが口を開き、俺様を呼ぶ。
何かを閃いたのか、それとも何か注意があるのかと勘ぐった。
メルを見つめる。

「分かってると思うけど。私達、監視されているわよ」

おう。
ちょうど俺様もその事について考えていた。
ヤツは何らかの方法で俺様達をどこかから監視しているだろうな。

「最悪、魔神器の魔神達にも私達の居場所はバレていると考えた方が無難だわ」

魔神達にもか。
確かに最悪の場合として、その可能性も頭に入れておいた方がいいな。
さすが冷静沈着で正確な判断を下すメルだ。
こんな時は頼りになるヤツだ。

凶暴だがな。

「変なおじさんには会えるのか?」

不安になりメルを見つめる。

「会えると思うけど、その前に魔神と遭遇する可能性があるわ。心しておいて」

死斑剣を鍛える前に魔神達と出会ってしまったら……。
すなわち死を意味するんだろうな。
死にたくないぜ。

「後、どれ位、魔界を歩いたら変なおじさんの下にたどり着けるんだ?」

「半日ほどかしら。前に居た場所にいればの話だけどね」

そうか。
変なおじさんとて魔人。
つまり都合で、前にいた場所から移動する事もある。
俺様が勇者に負けてからころころと居場所を移動するハメになっているように。

メルが知っている場所に変なおじさんがいる事を祈るばっかりだぜ。

とにかく俺様達は変なおじさんを目指し旅を続ける。
今は、それしかないのだ。
強くなるには。

って、死斑剣を鍛えて、手っ取り早く強くなるつもりだがな。

「おほ。こんな所にいやがったな」

魔界の荒野は黒く煤けた砂の大地が拡がり、所々に枯れ木が生えている。
まさに不毛の大地と呼ぶに相応しく、魔界だと認識できる。
その枯れ木の裏にヤツがいた。

そう。
今は会いたくないヤツがいたのだ。
何で俺様達は、こうも上手くいかないのだろう。

「行くぜ。準備はいいか? みんな。作戦はガンガン行こうぜでよろしくッ!」

「やれやれ。いつもそれね。でも、ま、行きますか」

「そうじゃな。こやつにはついていけんが、一応、リーダーじゃしな」

「ファイト一発!」

例の四人組。
脳筋な勇者ご一行様が現われたのだ。
いや、だから、俺様達が寝込みを後ろから襲おうと思った時に来いよ。

頼むよ。本当に……。

「メルッ!」

「魔王ッ。勇者達よ。何でこんな時に……」

いきなり勇者の剣が、円月状の蒼い軌跡を描き俺様の頭を狙う。
俺様は必死で頭を下げ、勇者の剣をかわす。
髪の毛が二、三本、舞う。

「勇者ッ!」

俺様は勇者を睨み、出来るだけ大きい声で言う。
メルも臨戦態勢を取りつつ睨む。
やるしかねえな。

「何だ。魔王よ。遺言でもあるのか。聞いてやるぞ?」

「お前ら、ブタピックにやられた傷は癒えたのか。今、俺様と戦うと死ぬぜ?」

精一杯の虚勢。
見た感じ、勇者達の傷は全快しているように思える。
そして、今の俺様では魔神どころか、逆立ちしても勇者達にすら敵わない。

「死ぬのはお前達だ。魔王とその従者」

勇者が力強く剣を突き出し、俺様の鼻先にずいっと近づける。
これが俺達の決意だと言わぬがばかりに。
目は燃えていた。

やっぱり、傷は全快したようだな。

「この一戦で、永き因縁に終止符を打つ。覚悟しろッ! 魔王」

チッ。
今、勇者達と戦うのは愚の骨頂。
勝てないどころか、その後、魔神に襲われたら目も当てられないぜ。

「魔王。ここは私が行くわ。私のとっておきで逃げるわよ」

メルのとっておき?

「閃光魔法よ。目くらましの魔法」

そうか。
メルは戦闘タイプじゃないが、優秀な斥候タイプの魔人だった。
だから閃光魔法の一つも唱えられる訳だ。

「何か企んでいるな?」

勇者の目が光る。
メルは閃光魔法の詠唱に入る。
魔法の詠唱に入ったものは無防備になる。ゆえに俺様が守らなければな。

「うるせえよ。この脳筋勇者が。相手になるぜッ!」

目一杯の大声で叫ぶ。
これで勇者達がひるめば万々歳だが。
そんな都合がいいようにはいかないだろうな。ま、やるしかねえか。

「何もさせん。お前らの野望はここで尽きる。行くぜッ!」

勇者が剣を構える。
ヤツの最大奥義である剣技、花鳥風月(かちょうふうげつ)の構えだ。
俺様は勇者の奥義に対抗すべく死斑剣を構える。

「花鳥風月ッ!」

辺りにがカシラダカが鳴く声が響く。
カシラダカの鳴き声に聞こえるのは、勇者の剣が空気を切り裂く音。
まさに小鳥の鳴き声。

チチチと。

そして剣の風圧で爽やかな風が起き俺様の頬を撫でる。
ここまでくると、桜の花びらが風に揺れ舞っているような錯覚さえ覚える。
思わず、見とれてしまう。

これが花鳥風月。

脳筋でうそ臭い程の爽やかさを持つ勇者にはピッタリの技だ。

くっ。
見とれていないで防御しないと真っ二つだ。
それに今はメルがとっておきの閃光魔法の詠唱に入って無防備な状態だ。

俺様はヤツの剣に死斑剣を合わせる。

鉄がぶつかり合う鈍い音がして、ヤツの剣が止まる。

よし。
腐っても俺様は魔王だ。
魔界でトップクラスの剣技を持っているのだ。

「くっ。魔王。やるな。俺の花鳥風月を止められるのはお前くらいだ」

「あのな。今はお前と戦ってる暇はねえんだよ。死ね」

「死ぬのはお前だ。魔王」

もう。
その死ねはな。実際に死んで欲しいの死ねじゃねえんだよ。
煽り文句みたいなもんだ。脳筋が。本当に死ね。

「よし。準備は出来たわ。じゃ、私のとっておき、喰らいなさい。勇者達ッ!」

よし。
メルのとっておきが炸裂するぜ。
メルは参謀役や斥候役を任せると期待以上の働きをするからな。

「いくわよ。閃光弾、翡翠(ひすい)ッ!」

メルが両手を顔の前に持っていき、手のひらを拡げる。
その後、両手がまばゆい光を放つ。
辺りが金色に輝く。

「な、何だ。まぶしい。くそっ。まぶしすぎて目を開けてられないぜ」

「勇者よ。ワシに任せい。織り込み済みじゃ」

老齢な魔法使いが言う。
……な、何だと。織り込み済みだと?

「漆黒魔法。ブラックアウト」

老齢な魔法使いが、拳を顔の前に持っていき、グッと力強く握る。
後、墨を落したような闇が金色の光を喰らい尽くす。
どんどんと光が弱くなっていく。
マジかよッ!

「ほえほえ。甘いわ。魔王とその従者よ。閃光魔法など効かぬぞ。逃がすかい」

「うふ。甘いのはどっちかしら。私の魔法はこれからよ」

と、メルがクスクスと笑った。
これが天才で、しかも希有な超絶美少女の私よと。
超絶は余計だがな。
と思った。

~ レポート十四、花鳥風月と翡翠、了。

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【 メルレポート、~ レポート十三、死斑剣と志村けん 】

「ふははは。魔王とその従者よ」

魔界の虚空にあの厳かなで豪快な声が響き渡る。
威圧するような、それでいて期待しているようなそんな声が空一杯に。
原初の魔王だ。

声の振動で雲が震えている。

「言い忘れた事があったぞ。聞いておるか?」

言い忘れた事?

「この世界にある三つの魔神器に封印されている魔神達の話じゃ」

たった今、その内の一人に会ったよ。
原初の魔王よ。何を言い忘れたのか知らないが、もう遅い。
俺様は天を仰ぐ。

真っ赤な、まるで血の色をした月が浮かんでいた。

「原初の魔王様。魔王の従者メルです」

彼女も天を仰ぎ、答える。
その言葉が原初の魔王に届くのか、それは分からないが答えている。
真っ赤な月が一層妖艶に光り、辺りを赤く染め上げる。

「おお。聞こえておったか」

「はい」

メルの受け答えに原初の魔王から返事がある。どうやら無事に通じたようだな。
で、原初の魔王よ。何を言い忘れたんだ。
魔神達の話なんだろ?

「魔神達には汝らを見つけ次第、抹殺せよと命令してある」

ま、抹殺!?
俺様は顎が外れる位に口を開けて驚く。
俺様が絶対に敵わないであろう魔神達に抹殺命令を下したと言われたのだから。

「大体、分かっておりました。先ほどの一人目の魔神との遭遇で」

メルさん。
何、冷静に答えてるんだよ。
俺様より遙に強い魔神達に抹殺されるんだよ。
でも確かにさっきの格闘馬鹿は有無を言わさず襲ってきたからな。

そういう訳だったのか。

納得。

「そしてもう一つ。汝にとって絶望的な宣言をするぞ」

真っ赤な月が雲に隠れ、辺りが暗くなる。
星などないから月が雲に隠れてしまうとそこには静かなる深淵な闇が拡がる。
静かなる闇。

原初の魔王の言葉以外、まったく何も存在しない世界。

「汝らに成長するチャンスなど与えない」

「成長ですか?」

「そうだ。汝らの今の力で魔神達を倒すのじゃ。魔神達にもそう命令してある」

おい。おい。
この馬鹿は何を言い出すんだ。
俺様達は深手を負った勇者達を倒して、レベルアップを目論んでいたのに。
雲間からほのかに紅い月明かりが漏れ、俺様の横顔を照らし出す。

憤怒。

原初の魔王の身勝手さに怒りを覚えていた。

しかし反論は決して出来ない。
だって相手はこの世の支配者である原初の魔王なのだ。
俺様なんか鼻息で、この世からその存在を一瞬で消し去られてしまうぜ。

くわばら。くわばら。

「ゆえに魔神達に汝らを直ぐに探し出せとも命令しておるぞ」

原初の魔王がアホな事を言い出したぞ。
どうするんだよ。メル?

メルを上目遣いで見つめると、いつになく彼女の顔は真剣だった。

それだけ今、原初の魔王に宣言された事は絶望だったのだ。
メルの目が赤い月を捉え、キッと睨む。
ゆっくりと口を開く。

「原初の魔王様。分かりました。ただ一つお聞きしてもよろしいでしょうか?」

何を聞くんだ?
いつになく真剣な顔をして何かを考えていたけど何かいい案が浮かんだのか。
下らない事を聞いた所で俺様達の絶望は覆らないぞ。

「今の宣言には矛盾があります」

矛盾?

「魔神は魔神器に封印されているのでは? そいつらに探し出せとは……」

あ。確かに。
魔神器に封印されている状態では動けないはず。
でも、さっき会った魔神は魔神器ではなく、クリクリ坊主だった。

つまり、封印が解けた状態って事。

でも確かに原初の魔王は魔神は魔神器に封印されていると言ってたはずだ。
メル、よく気づいたな。俺様はまったく気づかなかった。
さて、どう説明する?

「ふははは。それも言い忘れておったわ」

言い忘れた事が多い。

「何でしょう。原初の魔王様」

「我の封印が解ければ自ずと残りの魔神器の封印も解かれるようになっておる」

「連動ですね。だから残り三人の魔神の封印も解かれているんですね」

「そうだ。自動的に封印が解けるような封印式だ」

「納得しました」

「うむ」

くそっ。
まだ魔神が魔神器に封印されていれば何かと考えられたのに。
すでに封印が解かれて、闊歩しているなんて。

真面目に絶望的だ。

未来には死しか見えないぞ。

目の前が真っ暗になり、走馬燈のように記憶が頭の中を駆け巡った。
まるで、この後、直ぐに死んでしまうように。
不安しか感じねえ。

「……」

俺様はまた暗くなってきた虚空を見上げ、言葉を失った。
一方、メルはまた何かいい策を考えているのか、黙ったまま月を見つめていた。
月は紅く妖しかった。

「魔王。こうなったらやるしかないわね」

やるしかない?

「死斑剣よ。死斑剣を変なおじさんに鍛え直してもらうの」

変なおじさん?
何だよ。その変なネーミング。いいの。そんな名前で。ミスター広々空間。
つうか、その変なおじさんって誰だよ?

「変なおじさんって誰だよ。それこそ志村けんか?」

「変なおじさんは魔界随一の刀鍛冶。魔界の支配者である魔王が知らないの?」

知る訳ねえっつうの。

「時間がなくて自分のレベルアップが無理なら剣をレベルアップするのよ」

ま、メルの言ってる事は分かるけど、本当に大丈夫か?
大体、変なおじさんというのが怪しい。
不安しか感じない。

「大丈夫だあってね。大丈夫よ。名前は変だけど腕は確かだから」

下らないギャグをはさまないでくれ。
頭が痛くなるから。

ま、でもメルが考えた事だ。今はそれが最善なんだろう。

よし。
その変なおじさんに会いに行くぞ。
そして、死斑剣を鍛え直してもらって、魔神達を屈服させてやるぜ。

やっちゃるけんのう。

そう思った。
メルもうなずくよう俺様を見つめた。

~ レポート十三、死斑剣と志村けん、了。

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【 風俗に行くの心 】

俺は今、ヘルスに来てる。
ムラムラとエッチな気分になって、抜いてもらおうと思ったのだ。
そうだな。予算は手持ちの二万円を考えている。

「お客さま。マジックミラー越しに女の子を選んで下さい」

うむ。
可愛い子がいる事を祈るぜ。
俺はマジックミラー越しに現われる女の子を待っていた。

まず最初に現われたのが……か、母さん。

俺の母さんではないか!?

ちょっと待て。
母さんはちょくちょく夜出掛けていたが、こんな所で働いていたのか。
俺は硬直してしまい、息子も萎えてしまった。

次に現われたのが……か、彼女。

付き合っている彼女だ。
デートの時、よくおごってもらって羽振りのいい女だなと思っていた。
そのお金は夜、こんな所で働いて稼いでいたものか。

風俗に来てまで彼女に抜いてもらいたくない。

もう帰ろうと思った。
今日は何だかついていない気がして仕方がなかったのだ。
息子も萎えて、もう役に立たないしな。

「お客さま。当店自慢の女の子ではご満足できませんか。分かりました」

「……」

「当店のとっておきを披露しましょう」

何を分かったんだ。
母さんに彼女が現われた俺の気持ちの何を分かったんだ。
もういいよ。帰るから。さようなら。

「むう」



「ふははは。お前は永遠のライバルじゃないか。こんな所で会うとは奇遇だな」

最後に現われたのは……じ、自称、永遠のライバル(♂)。

男に抜かれたくないよ。しくしく。

ていうか。
このマジックミラー、向こうからこっちが見えちゃうの?
母さんも彼女も、もちろん永遠のライバルもこっちが丸見えだった訳だ。

……後で母さんと彼女にどうやっていいわけしよう。

ぎゃっふん。

風俗に行くの心、了。

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【 メルレポート、~ レポート十二、愛羅武、即トン 】

「なあ。メルよ。愛羅武、魔王って知ってるか?」

俺様は言った。
何の話をしているのと怪訝な顔で俺様を見つめるメル。
そんな顔も愛らしいと思ってしまう俺様は大馬鹿野郎なのだろうか。

自分では分からないが、多分な。

「私はメルレポートのファンなのよ。愛羅武、魔王なんて聞いた事もないわ」

だから残念ながらメルレポートなんてアニメはないのだよ。メル。
ま、小説ならば聞いた事があるが読んだ事はない。
それより、愛羅武、魔王だ。

愛羅武、魔王では魔王が愛する女の為、大活躍する恋愛活劇なのだよ。

恋愛活劇などという分類があるのか知らんが。
格闘と恋愛が交ざった感じだ。
だから恋愛活劇。

俺様は愛羅武、魔王の魔王を見習いたいと常々思っている。

俺様も魔王だし、何より拒絶されても愛する女の為に頑張る魔王が格好いい。

そして愛する女とはつまりだな。
つまり、つまりだ。
うお。

何だか恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまったぞ。

「愛羅武、魔王なんて知らないわよ。それがどうしたっていうの?」

メルさん。
それは冷た過ぎやしませんか。
せっかく俺様が奮起してだな。メルさんに告白しようと思ったのにだな。

あの。ちょっと、ちょっと、メルさん?

聞いてます?

「魔王。そんな事より深手を負った勇者達を探すのよ」

まったく聞いてねえし。泣くよ。もう。
俺様は勇気を出すという行為が嫌いだが、それでも勇気を出して言ったのに。
少しすねてやるか。

いや、すねた所でメルはまったく意に介さないだろう。

それどころか写真でも撮られて、後から強請られるに決まっている。
無視したら、すねる魔王の件という題名の写真で。
俺様の威厳を削ぐようにな。
ま、いいか。

脱力したけど今はブタピックとの戦闘で傷を負った勇者を探し出すのが先決だ。

よし。
今、勇者達はどこかに隠れて、傷を癒しているんだろう。
勇者達を倒すには今がチャンスだ。

それでも念には念を入れて、後ろからトゲトゲバットでボコボコにしてやる。

勇者の後頭部に十六連コンボをぶち込んでやるぜ。

しかも寝ている時に。
そこまですれば、何回も負けている勇者達にもすなわち勝てると思うぞ。
少しずつだが、希望の光が見えてきた気がするぞ。

よっしゃ。よっしゃ。やっちゃるけんのう。

「押忍。オラ、魔神。よろしく」

うん?

「ゲッ、魔神!?」

メルさん?

「うん。オラ、魔神器に封印されていた魔神だぞ。押忍」

誰だ。
俺様達に話しかける子供のような声の主は?
今の俺様は勇者暗殺モードで、やる気満々なんだ。危険な男だぜ。

「くっ。予想より早い展開だわ。魔神なんて。作者のヤツ、はしょる気ねッ!」

ねえ。メルさん。
俺様、置いてけぼりでいまいち状況を把握してないんだけど。
今、話しかけてきた坊主が何だって言うのさ?

「原初の魔王から話は聞いてるぞ。オラ達を倒すんだってな。押忍ッ!」

お前、誰だよ?

俺様達の目の前にいるのは、頭髪を五分刈りにしたツルツルテンの坊主。
鼻の頭には絆創膏が貼ってあり、わんぱくそうな子供。
鼻水がずずずっと垂れていて、汚い。

「じゃ、やろっか。押忍」

何をやるんだ?

「魔王。今すぐここを離れるのよ。逃げるわよッ!」

坊主は両腕を肩より少し下げた位置で拡げて、拳を握っている。
まるで空手家が押忍と挨拶するように。
何だ? この坊主。

「魔王。早く。この坊主に捕まったら殺されるわよ」

こ、殺される?!
何だよ。この坊主がそんなに凶悪なのか?
鼻が垂れてて、怖さなんて微塵も感じないのに。何を慌ててるんだよ。メル。

「じゃ、行くぞ。押忍。超絶必殺、烈覇(れっぱ)ッ!!」

坊主の拳が蒼白く光る。
多分、丹田の辺りに溜めていた気を拳に送ったのだ。
そして拳に気を乗せて、重き一発を相手に顔面に叩き込む技なのだろう。

烈覇とは。

間一髪で坊主の攻撃をいなし、避ける。
避け損なったのか前髪が坊主の攻撃で少し切れ、中空を舞う。
危なかった。

まともに喰らっていたら気絶じゃ済まないぞ。

な、何だよ。この坊主。
いきなり現われて、訳の分からん技を俺様に叩き込むなんて。
本当に誰なんだよ。この坊主は。知らんぞ。

「だから魔神だって言ってたでしょ。この子は魔神器に封印されていた魔神よ」

魔神?

「幼く見えても魔神なのよ。原初の魔王の一部よ」

魔神……。

「オラは体術のスペシャリストだぞ。押忍。さ、こいよ。魔王と従者」

魔神って原初の魔王が言っていた、魔神か!?
原初の魔王の力の一部を護っていると言っていたあの魔神か!?
マジか。マジでか!?

坊主はカンフーマスターがそうしたように右手を閉じて、垂直に立てていた。

もちろん左手は腰から後ろに回し、隠すように。

そう。
カンフーマスターさながらだった。
表情はあどけなくどこにも怖さを感じなかったが全身から殺気が放たれていた。

間違いなく殺られる。

「かかってこいよ。押忍。それともオラから行こうか?」

右手を前後に振る。
かかって来いというジェスチャーのようだ。
深手を負った勇者達を探し出し、寝込みを襲う前に魔神と出会ってしまった。

状況はこの上ないほど最悪だった。

「行くぞ。押忍」

来るな。
今の俺様じゃ瞬殺が一番確率が高い未来だ。
しかも自慢じゃないが、体術は俺様がもっとも苦手とする戦闘スタイルだ。

ここは、に、逃げるに限る。

しかしヤツは体術系のスペシャリストだけあって、隙がない。
さて、逃げるにしてもどうしたものか。
考える俺様。

……。

俺様の目がキランと光る。
閃いたのだ。

うん。
ここは即トン、ブリ作戦でいこう。
俺様はメルに目配せをして、鼻を指でつまんでおけと合図する。

うなずくメル。

「即トン、ブリバリボリ」

ブッ……。

俺様は腰を落しケツを魔神に向けて、思いっきり放屁した。
一週間寝かせて熟成された屁を魔神に向かって。
決まれよ。

「く、臭っ。一体、何を食べればこんな臭いになるんだ。信じられんぞ。押忍」

坊主は顔を真っ青にして冷や汗をダラダラと流し、うなだれた。

よし。
魔神がひるんだ。
俺様はそのチャンスを見逃さないように、一気に明後日の方向に駆けだした。
メルも俺様の後に続き、速攻でこの場から離れた。

「危なかったわね。まさか魔神がこうも早く現われるなんて……」

メルが汗を拭い言う。
その愛らしい小さな口からため息を吐きつつ。
俺様も頭を掻きつつ、うなずき、そして息を切らせ答える。

「だな」

と、一言だけ。
その後、俺様達は黙って走り続けた。
そう。それだけ今し方の魔神器の魔神来襲は寝耳に水だったのだ。

ブッ……。

うおっ。
さっき逃げる時にした放屁の残りカスが今さら出てきた。
横を見ると、口から泡吹き顔を真っ青して、その場に崩れ落ちるメルがいた。

「そんなに臭かった?」

「魔神じゃないけど何食ってんのよ。あんた」

と彼女が言った。
その横顔はとても迷惑そうだった。

~ レポート十二、愛羅武、即トン、了。

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【 メルレポート、~ レポート十一、努力、友情、勝利 】

「魔王。さっき時間はあるものではなく、作るものだと話したわよね?」

俺様はメルに引きずられるように荒野を歩いている。
正確には歩いているのではなく、メルに引きずられて嫌々旅を続けている。
そう。

これから力を護っている魔神器の魔神を倒しに行くのだ。

もう一度言う。嫌々だがな。

何故なら原初の魔王は死ぬ程、怖かったからな。
当然、力を護っている魔神はそれに匹敵するであろうからな。
全然、勝てる気がしない。

いや、むしろ死んでしまうイメージが頭から離れない。

まさに鬼門だな。

さっきも言ったがメルは俺様の襟首を引っ張り、引きずって旅を続けている。
俺様は、半分死にかけて目を閉じ舌を出している。
く、苦しい。

魔神なんかと戦いたくない。

「魔王。一人で何を考えているの? 私の話、聞いてる?」

聞いてるも何も。
時間はあるものではなく、作るものなんだろ。
メルよ。今、そんな説教臭い話をして、一体、何になると言うんだよ?

魔神なんかと戦ったら、それこそ世界が滅亡する前に死ぬから。

時間があるとか、作るとか一切関係ない。
そんな事より、どうやったらこの状況から逃げられるか考えた方が得策だ。
逃げる為に思考する。

死にたくないしな。

まだまだやりたい事はたくさんあるし、食べたいものもたくさんある。
メルよ。死にたいなら勝手に死んでくれ。
俺様は生き延びる。

それにどうせ俺様はメルにとって、ブサメンでしかないしな。

「魔王。本当に聞いてるの?」

「うるさい。俺様はどうやって逃げるか考えているんだ。黙れ。メル」

メルの言葉を一刀両断にした。
彼女は驚いた顔をした後、俺様に可愛い顔でエンジェルスマイルを送った。
首を傾げ、可憐な唇の両端をちょこっとだけ上げて微笑む。
ちくしょう。

その笑顔、可愛すぎる。

反則だ。
可愛すぎて、直視できない位だぜ。
しかし今はその可愛らしい笑顔に逆に恐怖を覚える。

一体、何を企んでいる?

「魔王が私に逆らうなんて、珍しいわね」

「うむ。それだけ死にたくないのだ。俺様はな。分かったか?」

「うふふふ」

メルから顔を背け、チッと舌打ちをする。
女、特に美少女というものは、何でこんなにもせこい技を持っているのだろう。
微笑むだけで全て許される。
そんな技だ。

「私、さっき原初の魔王に世界を一気に滅ぼしてくれって言ったでしょ?」

「ああ。何で一気なのか、さっぱり分からなかった」

「死ぬとでも思ってる?」

死ぬだろ。普通に。
一気に世界が滅びれば、それこそどうやって生き残るというんだ。
メルの算段にはそこが抜け落ちてるぞ。

「でも残念。死なないのよ」

「死なない?」

「そうよ。死なないのよ。ちゃんと考えてあるわ」

何を考えているというのだ。
一気に世界を滅ぼす前に魔神器に封印された魔神との戦いもあるのだぞ。
少なくとも勝てる気がしないし、死ぬイメージしか浮かばない。

やっぱり逃げだそう。

それしかない。

「だからさっき言った、時間は作るものなのよ」

またそこに戻るか。
別に時間があるものではなく、作るものだとしても、それがどうしたのだ。
それで魔神器に封印された魔神に勝てるとでもいうのか?

「意味が分からん。どういう事だ?」

「いいわよ。教えてあげる」

メルはまた微笑む。
その愛らしい笑顔を振りまきつつ。
ぐうっ。

「原初の魔王が世界を一気に滅ぼすには全力が必要だと分かっていたの」

全力が必要?
つまり、一気に世界を滅ぼすには三つの魔神器の力の解放が必要って事なのか?
それを分かって、敢えて一気に滅ぼしてくれと頼んだのか?
何となくメルの言いたい事は分かる。

「分かっていた?」

「そうよ。そして三つの魔神器の封印を解く為には時間が必要だわ」

ま、封印を解く為には確かにそうだな。
時間が必要だ。うむ。
分かるぞ。

そして原初の魔王は俺様達に封印の解除を頼んだわけだな。

時間をかけてでもと。
でも、時間が必要と言っても、封印の解除までの時間が作れたに過ぎないぞ。
そんな短い時間で何が出来るというのだ?

「そして原初の魔王は悠久の時を生きている存在ってのは分かる?」

ヤツは世界の始まりから生きているからな。
悠久の時を生きている存在。
それも分かる。

でも、だから何だって言うんだよ。

俺様の死亡フラグが立っただけで、何の問題の解決にもなってないぜ。

相変わらずメルに引きずられたまま目を閉じた。
彼女が何を言いたのか考えたのだ。
時間は作るものか……。

「悠久の時を生きている存在。それが原初の魔王なの」

「うむ。それがどうした?」

「つまり原初の魔王にとって千年や二千年なんて、私達の一日にも満たないの」

そうか。
確かに原初の魔王が一眠りしたら速攻千年や二千年経ってそうだ。
だからメルは一気にとこだわったんだな。

世界を一気に滅ぼすにはいくら原初の魔王でも全力が必要になるという事か。

全力を望む為に一気にを嘆願した訳だ。
そうすれば俺様達が封印を解くまでの時が猶与として与えられるって寸法だな。
しかもヤツの感覚では千年や二千年かかっても一向に構わない訳だ。

時間は作るものという意味が分かりかけてきた。

確かに時間は作れる。
でも、しかし、それだけじゃ俺様は原初の魔王になれないぞ。
メルは、そこをどう考えているんだ?

「そうよ。私が一気を望んだ事で時間はできた」

「うむ。でも、それだけじゃ俺様が原初の魔王になる事は出来んが、どうだ?」

「修業するのよ」

修業だと?
魔王であるこの俺様が修業をするのか。
努力という言葉は勇気の次に背中に虫ずが走る、この俺様がか?

「努力は嫌いだ。ついでに言っておくが友情と勝利も大嫌いだ。分かったか」

「何の話よ?」

「修業するんだろ。しかしいくらメルの頼みでも努力はしない」

「誰が努力するって言ったのよ。私も努力は嫌いよ」

修業と言えば努力だろ。
違うのか?

努力、友情、勝利ってな。何かの有名な青臭いフレーズだぞ。

「魔王にやってもらう修業は勇者を倒す事なのよ」

勇者を倒す?

「つまり、ブタピックとの戦いで傷ついた勇者達の寝込みを後ろから襲うのよ」

傷ついた相手の寝込みを後ろから襲うのか。
傷ついた相手を襲うのだけでも卑劣なのに、更に寝込みを後ろから襲うって。
何て卑怯なんだ。

ふははは。悪逆非道な俺様にはピッタリの仕事だな。

よかろう。その修業引き受けた。

しかも勇者達を倒せば、自ずと得る経験値も大きそうで、マジ期待が持てるぞ。
確かにレベルが上がれば魔神器に封印されている魔神も倒せるかもな。
どれ位、上がるか、今から楽しみだ。

それが修業って事か。

よかろう。よかろう。今から笑いが止まらなくなるぜ。ふははは。

勇者達よ。
首を洗って待っていろ。俺が後ろからボコボコに撲殺してやるからな。
トゲトゲバットでも持っていこうか。

ふははは。

「魔王。その馬鹿笑い、さっきの原初の魔王にも負けないわよ。きしょ」

ぐはっ。
きしょとか言うな。
俺様は今、とてもいい気分なんだから。

「とにかく話は勇者を倒して、激烈にレベルアップしてからよ」

「おーっ!」

と俺様は無邪気に答えた。

~ レポート十一、努力、友情、勝利、了。

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【 愛を込めた記事 】

これからコメントが溢れて困る位の人気ブログの作り方をレクチャーしよう。

まず、第一のポイントとして、ブログの主旨をハッキリとさせる。
小説ブログならば、極力、小説だけを載せように。
呟きなど載せるのはバツ。

一体、何のブログか分からなくなる。

あなたの小説ブログの読者は、小説を楽しみに読みにくるのだ。
それが、つらつらと呟きを読まされたらあなたならばどう思うだろうか?
呟きはツイッターへ。

第二にコメントの返信は誠意を持って対応する。

あなたのブログを痛烈に批判されたとしても、それは貴重な意見なのだ。
コメントをする人は、それなりの力を遣ってコメントをする。
あなたも、それなりの力を遣うべきだ。

コメントも等価交換なのだ。

そして更新は早く。
あなたの書く記事を気に入って、リピーターになった人を楽しませるのだ。
気に入ったブログの更新が遅ければあなたはどう思うだろうか?

毎日、更新がない。

まだ更新されてないとがっかりするだろう。

その内、せっかくリピーターになってくれた読者を手放す事となる。
ゆえに出来るだけ早く更新する事を心がけるべきだ。
更新が早いブログは読者も多い。
当然である。

最後に自分の考えを押しつけない事。
記事を書く時は中立の立場を弁え、心を落ち着け、真摯な態度で挑む事。
自己中心的でエゴ丸出しの記事は見ていてとても不愉快だ。

読者は直ぐに見抜く。

正直である。

結局、自己中心的でエゴ丸出しの記事を載せるブログは流行らない。
客観的で自分の役に立つ情報しか読者は選ばない。
それが飽きさせないコツでもある。

と、ここまで流行るブログの書き方をレクチャーしてきたが、結局、アレだ。

皆、頑張って欲しいと。

私自身は、そう願うばかりである。
また機会があれば私なりのレクチャーをしたいと思う。
では。

十年数年ブログを書き続けて、今だコメントを一個も貰った事のない作者より。

くわっ。

愛を込めた記事、了。

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【 全然違うw 】

赤ちゃんが乗っています。一字抜けてしまって、かあちゃんが乗っています。

全然違うw、了。

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【 メルレポート、~ レポート十、ブサメンのNO 】

「よかろう。我が支配する世界を混沌と恐怖に陥れよう」

原初の魔王が両腕を拡げながら言う。
声は狂気を帯び、そして目は真っ赤に充血し、口から血煙が立ち昇っている。
改めて実感する。

目の前にいるのが原初の魔王であり、世界の支配者なのだと。

非道の限りを尽くした俺様ですら背筋に冷たいものを感じ、目を伏せてしまう。
恐怖そのものという存在。

それが原初の魔王だと実感する。

しかし、そんな俺を尻目にメルは言葉を紡ぐ。
まるで意に介さないように。
何、その強さ。

「混沌と恐怖だけでは足りません。完全なる破壊を望みます」

おい。おい。
俺様に対する態度で、メルの胆力を知っていたが、原初の魔王に意見するのか?
それは無謀ってもんだろう。

大体、俺様ですら原初の魔王は怖いんだぜ?

それが俺様の従者であるメルが何で、こうも強気なんだ。
メルは原初の魔王が怖くないのかな。
見習いたいもんだ。

「ぬう。……完全なる破壊だと。分かっておる。その前に混沌と恐怖を与える」

「無意味です。時間の無駄です。一気に滅ぼして下さいませ」

「我は遊びたいのだ。理解しろ」

「無駄です。再考を願います。原初の魔王様」

おい。おい。
メルよ。本当に何でそんなに強気なんだ?
大体、一気にこの世界全てが滅ぼされたら俺様達はどうやって生き残るんだ?
ゆっくりと世界が滅べば、まだ生き残る為にできる事もあろうに。

「一気にです」

「ぬう」

メルよ。マジでか。
何故、そんなに一気にを望むんだ。
これも彼女なりの策略の一部なのか。俺様にはさっぱり分からんが。

「……良かろう。一気にだな。汝の案を呑む。それが礼を尽くす事だからな」

およっ?
原初の魔王、意外と礼儀正しいんだな。

「はい。一気にでお願い致します。何の苦しみもないまま」

何の苦しみもないままだと?
もしかして。

「なあ。メルよ」

「何よ。うるさいわね」

あははは。
俺様は魔王で、お前は従者なんだよ。その態度。分かってるの?
ま、今に始まった事じゃないけど。

「一気にって。俺様達はどうやって生き残るんだ。時間がないぞ?」

「いい事を教えてあげるわ。魔王」

「いい事?」

「そうよ。時間はね。ある、ないなんじゃないわ。作るか、作らないかよ」

意味分からん。
何でそんな説教がいい事なんだよ。
大体、一気に世界が滅ぼされるのに作るも作らないもないだろ。

「メルよ。俺様は死にたくないぞ。絶対にだ。そこん所、分かってる?」

「分かってるわよ。私だってまだ死にたくないわ」

「……でも一気にだろ?」

実の所、俺様は不安になったのだ。
世界が一気に滅ぼされては俺様達が生き残る手段がないんではないだろうかと。
しかもメルは、何の苦しみもないまま滅ぼしてくれって言ってた。
つまりメルの本心は、死んでもいいやじゃないかとな。

俺様は死にたくない。

たとえメルが死んでしまってもな。

「大丈夫よ」

何が大丈夫なんだ。
いくらお前が美少女だからって無理心中なんて嫌だぞ。
俺様はメルが死んでしまっても、どんな手を使おうと生き残ってみせる。
これは自信を持って言える事だ。

えっへん。

「あのね。私だってうら若き乙女なのよ。結婚だってしたいし」

およ? 結婚? いやぁ、まいったな。
メルの結婚相手は俺様か?
俺様?

「ま、魔王とは結婚しないけどね」

ジョンッ!
今までの流れでメルは俺様に惚れているんだと思ってた。
それがたった今、否定され、他の魔人(おとこ)と結婚すると宣言された。

「何でだよ。お前は俺様の腹心で、俺様の女だと思ってたよ」

「甘いわ。私はイケメンと結婚するの」

イケメン……。
すなわち俺様はブサメンって事?
おろろろん。そんな馬鹿な。俺様は自分の事をイケメンだと思ってた。

「ま、そんなアホな事は放っておいて、今は……」

いや。
俺様にとってそれは重要な事だ。
俺様は魔王であり、魔界の支配者であるイケメン魔王なのだ。

「メルよ」

「何よ。本当にうるさいわね」

「俺様ってばイケメンだよな。頼むからイケメンって言って……」

「はい。はい。魔王はイケメン。イケメンです」

ふうっ!
ぶっ殺すぞ。この女(アマ)。

「……して、汝は我が今だ全ての力を取り戻してない事を知っておるな?」

原初の魔王、うるさい。
今は俺様がイケメンかブサメンかの瀬戸際なの。
さっきまで怖かったけど、それ以上にブサメン事件は重大な懸案なんだからな。

「俺様はイケメンだ! 絶対にブサメンなんかじゃないッ」

「正直、どうでもいいし。死ねッ」

うお。
メルが匙を投げたぞ。
俺様にとっては死ぬほど大事な事なのに。

「ぬう。汝らは何を話しておるのじゃ。我が大事な事を話しておるのに」

うるさい。原初の魔王。
お前が大事な事を話しているように俺様も大事な事を話してるの。
ちょっとは黙って待ってられないかな。

「魔王?」

俺様がだだをこねているとメルの右目の端が妖しく光った。

「な、何だよ。メル?」

「あんた、今、私達にとってとっても大事な所だって事、少しは自覚してる?」

うるさい。
それより大事な事なんだよ。
俺様がイケメンか、ブサメンかって事はな。

「うふ。話が前に進まないし、魔王、とりあえず死んどけって感じかな?」

例によって例のメルさんの鉄拳が俺の顔面を捉え、俺様は死んだ。
メルの強烈な鉄拳により強制退場させられたのだ。
俺様の涙が止まらない。
おろろろん。

「うぬ。やっと静かになったようだな」

「はい。原初の魔王様」

「良かろう。では話を戻すぞ。汝はメルと申したか?」

「はい。私は魔王の従者メルにございます」

「汝は我が今だ全開ではない事を知っておるな。そうであろう?」

全開じゃない?

「はい。本を読んで知っております」

「ならば話は早い。我から汝らに頼みたい事がある。世界を滅ぼす前にな」

どういう事だ?
原初の魔王は今の状態でもヤバイのに、全開じゃなかったのか?
確かにさっきは取り乱して原初の魔王に失礼を働いてしまったが冷静になれば。
こいつだけには逆らっちゃダメだと本能が叫ぶ。

存在を消されると。

「我が世界を滅ぼすには百%全開の力が必要なのだ。分かるな?」

「はい。重々承知しております」

メルが答える。
これで、全開じゃないのか?
原初の魔王の百%って一体、どれ位の力なんだよ。
恐怖を通り越して、あきらめにも似た脱力感が俺様の全身を駆け巡る。

死を連想してしまう。

「魔神器は他にも三つこの世界に存在する。知っておろう?」

「はい。本を読んで知っております」

ちゃんと受け答えが出来てるメルの胆力にはマジで脱帽するしかないぞ。これ?

「三つ、各々の魔神器には魔神が封印されておる。そいつらを倒すのだ」

「倒して認められろと言う訳ですか?」

「そうだ。ヤツらに認められれば各々が護っている我の力を解放するであろう」

魔神だと?
しかも三つもあって、各々に魔神が封印されているのか?
魔神は多分に原初の魔王にも匹敵するような強さなんだろうと楽に推察できる。

そいつらを倒せだって?

おい。おい。ブタピックにすら敵わない俺様だぜ?

「倒せば原初の魔王様の力を解放できるという訳ですね?」

「そうだ。難しい事ではないであろう。我を眠りから起こした汝らならばな」

いや。いや。
ブタピックを殺して、やっとこさ封印を解いたんだぞ。
そんな俺様達が原初の魔王の一部である魔神を倒すなんて出来る訳ないだろう。

「御意に。見事、封印を解いてまいります」

メルさんッ!

「さ、魔王。今から封印を解きに行くわよ。さっさと立つ」

だから無理だって。無理。

「ふははは。楽しみに待っておるぞ」

無理ッス。
無理に決まってるだろッ!

「何、泣いてるのよ。さっさと行くわよ。魔王」

俺様の涙の理由。
それは、すなわち君(ちみ)だ。
俺様以上に無情で悪魔の化身とも言い換えられる君(ちみ)だ。メル君。
と心の底から思ったが、空しい抵抗でしかなかった。

「さっさと行くわよ。魔神を倒す。オッケ?」

のぉ!
果てしなく強く、のぉ!

~ レポート十、ブサメンのNO、了。

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【 メルレポート、~ レポート九、参謀 】

「原初の魔王よ。この世に存在する全ての破壊を望みます」

メルがゆっくりと厳かに告げる。
彼女は言っていた。原初の魔王も元をただせば一介の魔王であったと。
そう。

この世界の始まりから存在し続ける魔王なんだと。

そして今、全ての破壊を望んでいる。
世界を破壊しその全てを創世し、世の始まりから俺様が原初の魔王になると。
メルはそう企んだ。

「うむ。つまり我が支配する世界の破壊を望むのだな?」

おどろおどろしい原初の魔王の目が不気味に光る。
どす黒いオーラをまとい俺様達を威圧するかのようなプレッシャーを与えつつ。
俺様は思わず目をそらす。

うおっ。

格好悪いぞ。俺様。

「ふははは」

原初の魔王が大地を揺るがし、大笑いをする。

「何が可笑しいのですか?」

メルが制する。
魔人の一人である俺様の従者でしかない彼女が。
おい。おい。メル。どこにそんな余裕があるっていうんだよ。

仮にも全ての世界を支配していると言っても過言でない原初の魔王を相手にさ。

その強気、敬服に値するぜ。

「汝らは、この我に変わって原初の魔王になろうと企んでいるのであろう?」

ゲッ。
この野郎、全部、お見通しってか?
侮れないな。この野郎。

「……」

メルがジッと黙る。

「ふははは。とんでもない事を考えるヤツらだな」

「……」

「これが面白くない訳がなかろう」

俺様達の目論みが原初の魔王に読まれて黙るしかない俺様達。
さすがのメルも企みがばれちゃ黙るしかないわな。
さて、どうしたものか。

「……そうでしょうか。原初の魔王様」

メルが口を開く。
その言葉は含みを帯びていて、どことなく怪しい。
メルよ、次の策を思いついたのか?

俺様のブレーンである、お前が言葉を紡いだって事はそういう事だろ?

「ふははは。汝らの浅はかな企みなど我はお見通しだ。さて、どうしたものか」

さすがは世界の支配者だ。
魔界の支配者である魔王だった俺様ですら小さな存在に思える。
そんな原初の魔王を出し抜こうと画策するのは、愚の骨頂でしかないのか。
原初の魔王じゃないが、さて、どうしたものか。

「原初の魔王様」

「ぬう?」

「私達は純粋にこの世界の滅亡を懇願するのです」

「我が創造した創造物でしかない汝らも死ぬぞ。それでいいのか?」

ヤツの好奇心をくすぐる。
自分達の死をもまったく厭わず世界の破壊を望むものはそうそういないだろう。
多分、世界の始まりから存在する原初の魔王とて知らないだろう。

それでも破滅を望む魔人という好奇の対象。

さて、引っかかるのだろうか。

「私達はこの世界には辟易しています。滅亡に巻き込まれ死んでも構いません」

うひょ。
心にもない事を。
メルの思惑では世界を創世し直し、俺様が原初の魔王になると。
そういった所で、世界の滅亡には興味がない。

ぶっちゃけな。

「ふははは。心の底からそう願うのか。それは本心であると。相違ないな?」

このオッさん。
さっきから大笑いばかりして、何だか格好悪いぞ。
いや、それだけ、メルや俺様がアホな事ばかり言ってるって事か?

「相違ありません。私達も死を賭して破滅を望むのです」

「ふははは。面白いヤツらだ」

どうやら原初の魔王の好奇心をくすぐったようだ。
さすがだメル。良くやった。
褒めてつかわす。

更にメルは原初の魔王を追い詰めるように言葉を繋げてゆく。

「私は真剣です」

「真剣だからこそ面白いのだ。分からぬか?」

「真意を測りかねます。私は大真面目で、死んでも構わないと思っています」

大真面目でか。
俺様は大真面目で死にたくないがな。
今、俺様の本心をバラしたら、全てが台無しになるな。

「汝らは本当に馬鹿な事を考える。これが面白いのだ。分からぬか?」

「馬鹿な事ですか?」

おい。おい。
原初の魔王じゃなくても笑えてくるぜ。
今、笑ったら原初の魔王に企みがバレるから、必死で我慢してるんだぜ。

「ああ。汝らは自分たちが死んでもこの世界を滅ぼしたいと願うのであろう?」

「はい」

「汝らが死を厭わぬ態度も面白い」

「そうでしょうか?」

「そうだ。そして世界と己が魂が釣り合うと勘違いしている事もな」

……メルよ。
絶対に死にたくないからな。
今は原初の魔王を騙す為に死にたがりを装っているが、俺様は死にたくない。
どんなに格好悪かろうとあがきまくって生き残る。

俺様の本心だ。

「ふははは。笑いが止まらんぞ」

笑うな。
俺様達がみじめになるし、そんなにアホくさい事を言っているのか?
俺様は原初の魔王を睨み我は魔王であると顕示した。

「よかろう。敢えてその企みに乗ってやろう」

おろ?

「汝らが我の立場を脅かす存在だとしても笑わせてもらった。すなわち礼だ」

原初の魔王……。

「汝らが望むようにこの世界の全てを破壊する事にするぞ」

オッさん!
あんた、とってもいい人だ。
さっき笑ってばっかりで、格好悪いとか思って済まん。

「魔王?」



「何だよ。メル」

「これで第一段階は完遂したわ。これから次の段階に入るわよ」

「次の段階? 何を企んでいるんだ?」

「この世界の全てが破壊されても生き残る算段よ」

オッケー。オッケー。
さすが俺様の参謀で、頭の切れるメルだ。
で、世界の全てが滅亡してしまうのにどうやって生き残るというんだ?

「ま、私に任せておきなさい」

うう……。
俺様の思考は下手の考えでしかないようだな。
今は黙ってメルに従おう。

「魔王。あんたを無事に原初の魔王に仕立てあげてあげるからね」

メルはそう言うと、ゆっくりと目を閉じた。
彼女は思考に入ったのだ。
頼むよ。

これまでメルの作戦には、よどみがなく、様々なチャンスをものにしてきた。

これからも……。

そう。
これからもメルの作戦は俺様達を助けるのだろう。
俺様は彼女の目を見て、とても頼もしく思い、彼女に身を預けようと思った。

~ レポート九、参謀、了。

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【 馬鹿といふもの 】

「○×町のコンビニ、サービス悪いよな」

「ああ。あのコンビニか」

「そそ」

友達が俺の家から近いコンビニの悪口を言っている。
確かに○×町のコンビニの店員は俺を敵視しているのか、すこぶる態度が悪い。
いや。

俺でなくても、あのコンビニのサービスの悪さには薄々気づいているだろう。

とにかく店員の態度が気に入らない。

気に入らないが、友達にその事だけは言わないでおこうと思った。
すると友達は俺の心情を察したのか言葉を続ける。
まるで店員を哀れむように。

「あのコンビニの店員、何であんなに態度が悪いんだろうな」

「うん。でも……」

「多分、子供の頃、甘やかされて育ったに違いない」

「そうかもな。でも、それを……」

「それとも店長が気弱で店員に注意できないのかな。まったく哀れだぜ」

「確かにな。でも、それをお前が言うか? 分かってるの?」

「何をだよ?」

「お前、あのコンビニの店長だろ」

「ああ。そうだよ。店長だよ。でも、それが一体どうしたって言うんだよ?」

「お前、バカだろ」

馬鹿ッ。

馬鹿といふもの、了。

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【 鮎菜を描くの心 】

邑上鮎菜

|電柱|・ω・`)ノ ヤァ

「愛羅武、魔王」の主人公、邑上鮎菜のラフですw

リハビリがてら書いてみましたw
描いててみて思ったんですが、やっぱり、まだまだ本調子ではないようです。

下手の極みw

ちょっと恥ずかしいですが、何となくアップしておきます。
では、また気が向いたらw
草々。

鮎菜を描くの心、了。
     

【 記者と警官 】

「なんでまたこんな所に赴任してきたんですか?」

私は新聞記者。
今日は、とんでもない田舎の島に赴任してきた警察官を取材している。
彼は好青年で、とても正義感の強い人物に見える。

「はい。ここでも私を必要としている人はいると信じています」

「正義感ですか?」

「はい。私はみんなの役に立ちたいと思っています」

やはり正義感が強い人物のようだ。
しかし、ここにはとんでもない田舎の島で、元々駐在所すらなかった場所なのだ。
彼が赴任して、ようやく初めてここにも駐在所ができた。

「志願ですか……」

「そうです。ここに駐在所を作ってくれとも要望を出しました」

……この警官。
確かに好青年なのかもしれない。
が、それでも度を超していて、私にはついていけない。

「記者さんもここに住んでる住人なんですか?」

「いえ。私は出張してきただけです」

「ふふふ。じゃ、この島の事情には疎いですね。ここは僕がいるべき場所なんだ」

いるべき場所ね。

「でも……」

「はい」

「ここ、無人島ですよ。誰も住んでいませんよ」

「知ってます。それどころか観光客すら来ない未開の地ですよね」

くわっ。

記者と警官、了。

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