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E★エブリスタ

では、▼以下より、私の世界をお楽しみ下さい。
     

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【 愛羅武、魔王、~ 其の十九、通信を終わる 】

飛行船にトランスフォームした魔王の部屋は、一直線にどこかに向かっていた。

…――多分、魔王の城に行くのだと思う。
わざわざ、靴を探し出して、魔界を冒険しないでも魔王の城に行ける。
私は、舌をなめずる。

「ふしゅるるぅ。魔王、覚悟していなさいよッ!」

すると、天井のスピーカーから、また魔王の声が発せられる。
もちろん、あのボカロ声でだ。
なによ?

「アユナ、気ヲつけロ。レータインは、まダおマエを狙っていルぞ」

私は、魔王の忠告に慌てて、窓から外を見る。
そこには、飛行船にトランスフォームした魔王の部屋に張り付いているヤツがいた。
まるで、ヤモリだ。

セロリ。

窓を開けると、ちょうどレータインの腹が目の前にくる。
引き締まった腹筋。

その下に、たくましいフランスパン。

乙女の目に晒すものじゃないね。
私は無言で、その無防備なレータインの腹に渾身の正拳突きを入れる。
正拳突きは蒼い軌跡を残し、ヤツの腹にヒットする。

「グェ。ひ、姫さま。なにをなさるのか!?」

「うるさい。死ね」

一発では、彼は墜ちていかないので、墜ちるまで突き続ける。
その度にレータインは、カエルが潰れた時に発するような奇妙なうめき声をあげる。
なに、しつこいさ。死ね。

「ひ、姫さま。僕は姫さまを助けたいだけで……」

「余計なお世話。とにかく死ねッ!」

「姫さま。お忘れになったのですか。僕と姫さまは許嫁で、魔王を倒したら……」

私とフリチン変態野郎が許嫁?
耳が腐る。死ね。
却下。

そして、かれこれ百発は正拳突きをレータインの腹に入れただろうか。
やっと、フリチン変態野郎は魔王の部屋から手を離した。
よし。第一段階、クリア。

レータインは、重力には逆らえず、遙か眼下の魔界の大地へと落下していった。

しかし、そこまでやってもヤツはあきらめなかった。

そう。
最後にヤツは、こう言ったのだ。

「姫さまは魔王に騙されているんだ。僕が助けるしかないんだ」と。

だから、なにを勘違いしているのさ。フリチン野郎。
しかし、レータインは止まる事を知らず、そして例の技の構えに入った。
ちょっと、馬鹿、なにやってんの。
止めてよ。

「秘技。滅魔斬壊閃、空!」

すらりと抜いたサーベルで弧をえがき、空を斬る。
サーベルには、気が込められていたのだろう、三日月の真空の刃が、宙を舞う。
真っ赤な真空の刃。

「姫さま。姫さまだけは、絶対に助けます。ご安心を」

親指を立てるな!
だから、なにを安心すればいいのさ。
君は、今、私のいる魔王の部屋に真っ赤な真空の刃をとばしたのよッ!

レータインが飛ばした真空の刃は、エンジンに直撃した。

直撃した瞬間、機械が壊れるような音がした。

部屋は確かに固い。
しかし、動力部であるエンジンまでは、その強度を持っていないようだ。
エンジンは、その秘技の前に、まったくの無力であった。
モクモクと煙を吐いている。

「とどめだ!」

だから、アホ。余計な事すんなや。
そんな私の気持ちを知らずか、レータインは落下しつつ、第二弾を放つべく構えた。
死ね。本当に。

「アユナ。レータインに手を焼いテいるようだな。こレを使エ」

私が、どうしようか思案していると、また例の声がスピーカーから発せられた。
そして、ドクロマークのついた赤いボタンが床からせり上がってきた。
これは、なんだ?

「こレは、ヘ屋に搭載さレた核ミサイルの発シャスイッチだ」

か、核ミサイルのスイッチ……。
さすがに改造費が十億かかっただけはあるわ。
でも、まさか、核ミサイルまでもが、搭載されているとは思わなかった。

「マヨうな。押セ。アユナ」

でもいいの?
一応、魔王の統治する魔界に核をぶち込むのよ。
私は別にいいけど、魔王にとっては、不味い事じゃないの?

「押セ」

ま、魔王、あんたがいいなら押すけどね。

「秘技。滅魔斬壊閃、空!」

では、鮎菜、いきます! 核ミサイル、発射しますぅ~。
ポチッとな。

あれ?

ポチッとな。

ほれ?

ポチッとな。

なによ。このボタン。
押しても、なにも発射されないわよ。

「あハはハ。核ミサイルの発シャボタンとイうのハウソだ。騙さレたな」

あははは。
むくむくと殺意が芽生える。
魔王、お前、次に会ったら千回、殺すよ。いいの?

「続けていくぞ。秘技。滅魔斬壊閃、空!」

そうこうしている間にも、レータインはエンジンを狙って秘技を放ち続けた。
飛行船にトランスフォームした部屋のエンジンはすべて死んでいた。
そして推進力を失った魔王の部屋は落下を始めた。

「よし。このまま僕と一緒に魔界の地に墜ちましょうぞ。姫」

ちくしょう。
魔王が、アホな事をさせなければ、他に打つ手もあっただろうに。
とにかく私は部屋の落下を止められなかった。
そして魔界のど真ん中に墜落した。

「アユナ。ま、ゆっクりとマ界の観コウでもして、ワが城まデ来い。通信ヲ終わル」

ちくしょう。
この通信、まったく役に立たなかった。
いや、むしろ、このアホな通信は私の邪魔をしてくれた。

「良かった。僕の技で姫さまを守る事が出来て。この上ない喜びです」

レータインが礼を払う。
しかし、私の我慢の限界は、とっくに振り切っていた。
私は、また無言で、レータインの喉に水平チョップを千回ほどお見舞いした。

こうして、はからずしも勇者と私の冒険が始まった。

魔王を倒す旅が。
仲間が、勇者レータインのみというのが、再びテンプルにカチンときたが。
でも、ま、レータインは魔界経験者だからいいかと思った。

その前に靴だね。その靴ちょうだい。レータイン。

「いくら姫さまの願いでもダメです」

ケチ。
裸足の乙女に荒野を歩かす気?
とにかく、まずは靴を手に入れない事には、話は始まらないわね。
私は、辺りをぐるっと見渡して、ああ、やっぱり私、今、魔界にいるんだと思った。

~ 其の十九、通信を終わる、了。

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【 愛羅武、魔王、~ その十八、特上寿司か焼き肉 】

なんなのよ。
なんで私が、用もないのに魔界にくるハメになるのよ。
里美は魔王ラブだから、志願して魔界に行ったけど、私は魔界に用がない。

異世界に行きたい人がいたら言いたい。

魔界は危険に満ち溢れているし、靴も履いていない私にとっては地獄なんだよ。
だって、舗装された道なんてないし、怪物が溢れているんだよ。
どちらにしろ靴下に裸足の私には辛いだけだ。

これも、それも、すべて魔王が悪い。
全部、魔王のせいよ。
くそっ。

……そうだ。

こうなったら魔界を冒険して、魔王を倒す旅に出ようか。

よし。
このまま、魔界に放置されるのもなんだし。
そうやって、やることを決めて、自分自身を鼓舞しよう!

打倒! 魔王。

その為には、まず靴だね。
裸足のまま、荒野を旅するのは、痛すぎる。
だから、靴を手に入れて、自由に動き回れるようにしよう!

魔界の空を覆っている厚い漆黒の雲は、稲光を辺りにまき散らし、私を威圧した。

負けないから。
私、絶対に負けないから。魔界を制覇して、魔王を倒してやる。
この分厚い漆黒の雲にも負けない。

雷、なんぼのもんじゃい!

「姫。姫さま!」

おほっ。
なぬを。姫とな。姫とは私の事かな。
姫なんて呼んでくれるのは嬉しいけど微妙にテンプルにカチンとくる叫び声は……。

「ふははは。お待たせしました。ヒーローの登場です」

レータイン。
変態王国アユーナの騎士団長、レータイン。
顔は格好いいんだけど、背中に背負ったサーベル以外、なにも身につけていない。

正真正銘のフリチン野郎で、股間のブツは何故かフランスパンというお人。

切れ長の優しげな目。
そして、深い翠色をした濡れたような長い髪。
レータインは、その格好良さと対象的な超変態チックな格好をしているのだ。

間違いなく、あんな変態野郎と関わるとろくな事がないな。

私は、そう思うと、魔王の部屋に隠れた。
もちろん鋼鉄とも見まごう扉にも固く錠を下ろした。
いくら魔王を倒す旅に出る為に仲間が必要だと言っても、アイツはお断りだ。

レータインがパーティーに加わったら、一瞬で全滅すると思う。

逮捕されて。

公然わいせつ罪だね。

確かに勇者は勇者なんだけど……。
それは別の意味での勇者という意味だろうと思う。
そう。ストリートでも、ウンコをするだけの強者、すなわち勇者だろう。
ヤツは。

大体、ヤツは背中に背負ったサーベル以外は、なにも身につけていないのだから。

「姫さま!」

もう高校三年生の私を姫と呼んでくれるのは嬉しいけど……。
ある意味、勇者のアイツに言われてもねぇ。
はふん。

「おのれ! おのれ! この邪悪な部屋が姫さまを閉じ込めているのだなッ!」

私は窓から外の様子を眺めた。
そこにはサーベルを構え、口から気を吸い込み、丹田で練っているヤツがいた。
なによ。なによ。一体、何をやるつもりなの!

「勇者レータイン、この一撃にすべてを賭ける。必殺!」

アレか。
勇者の最終奥義。滅魔斬壊閃だッ!
フリチンを真っ二つにして、魔王轟くんを倒したあの技をやる気か!

ギィィン!

耳をつんざくような音が聞こえる。
私は思わず、頭を抱え、目をつむり、その場にしゃがみ込んだ。

どうなったの?

勇者の技で、魔王の部屋が大きく揺れる。
私は、勇者の最終奥義で部屋が真っ二つに割れると思った。
ゆっくりと目を開く。

そこには、勇者の技を跳ね返した魔王の部屋があった。

「くっ。なんという事だ。この勇者が部屋ごときに遅れをとるとは……」

「アユナ……」

また、どこからともなく、ボカロ声が聞こえた。
私は、タンク・ソウル2が起動したのかと思い、保護しようと思った。
今度は壊さないようにと。
しかし、違った。

魔王の部屋の天井にスピーカーが取り付けてあったのだ。

「タンク・ソウル2は、そンなニ安っぽイゲームじゃナイのだ。残念ダったな」

「そう。ゲームショップ、ゲロで中古が売ってそうだったけど……」

「イや。売っテるぞ。中古で五百円ダ。消ヒ税込ミ」

「……売ってるんじゃん」

とアホな事は、さて置き、この状況をどうしてくれるのさ。
勇者レータインが今だ、魔王の部屋の外にいて、次の手を考えているこの状況をさ。
とりあえず、なんとかしなさい。
魔王よ。

「ミッション、飛コウ船を発動さセる。安心シろ」

「ミッション、飛行船?」

「アユナ。お前ハ、ファイナル・ガンジーを知ってイるカ?」

ファイナル・ガンジー……。
ファイナル・ガンジーとは、召喚獣が独創的なロールプレイングゲームだ。
ビジュアルに徹底的にこだわったゲームだったと思う。

FFと略されるあれだ。

ファイナル・ガンジーなのにFGではないところが、通好みのゲーム。

「そウだ。ファイナル・ガンジーだ。そノ飛行センを思い出セ」

とボカロ声が言ったが早いか。
それ位のタイミングで魔王の部屋が、なんとトランスフォームし始めたのだ。
もちろん私を体内に残したまま部屋は変形し始めたのだ。

「ヒ行船だ!」

いや。
ちょっと待ってよ。
この部屋、魔王の部屋になる前は、お父さんの書斎だったんだよね。

魔王、お前の部屋になって、どんな改造をしたんだよぉ。

というか。
飛行船に変形するつもりなの。
どんどんトランスフォームをしているけど、マジ気に飛行船になる気?

「アユナ……」

「なによ。魔王。なにか言いたい事でもあるの?」

「あノな。こノ部屋の改ゾウ費の話なんダが。十億くらいカカった。よろシくな」

はぁ!?
改造費。なによ。聞いてないわ。
勝手に改造しておいて、よろしくもなにもないでしょう。

大体、十億なんて逆立ちをしても払えないわよ。

「ま、アレだ。セイ求書はアユナの親ニ回しテおいたカらな。よロしく」

ふふふっ。
十億の請求書を親に回したの。
多分、今晩、帰ったら、特上寿司か焼き肉ね。

あははは。

この世で最後の晩餐を豪華に楽しんで、それから家族みんなで首を……。

魔王、やっぱり、あんたは元凶だ。
絶対に、この魔界での冒険をクリアして、お前を倒す。
ヤッハッ!

そして、魔王の部屋は無事に飛行船へのトランスフォームを完了した。

首を洗って、待ってろよ。魔王。
この鮎菜さまが、勇者に代わって成敗してくれるからね。

打倒! 魔王!

~ その十八、特上寿司か焼き肉、了。

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【 悪魔ちゃんと天使くん、~ その五十二、酔っぱらい 】

「サドク。そう言えば、お前に、まだ言ってなかったな」

ロキが、おもむろに言葉を発する。
そのトーンは、重いような、それでいて軽快なミュージックのような感じがした。
その不可思議なトーンを保ちつつ、ロキは続ける。

「涅槃は、どうやら受け入れたようだな」

サドクは、酒によって混濁した意識の中、ふわふわと彼の言葉を聞く。
ロキの言葉は半分、彼の右耳から入って左耳から出ていく。
残り半分が頭に入る。

「涅槃? うぅん? 涅槃がどうしたよ。ロキ?」

「あははは。完全な酔っぱらいだな」

「誰がこうしたんだよ。ずばり言うわよ。すわなち、お前だ! ロキ!!」

サドクは、ケイブルグラムを当てた為か、完全に安心しきって酔っぱらっていた。
対して、ロキは涅槃の今を冷静に分析し、一つの答えを出していた。
そう。サドクの願っていた事を調べていたのだ。
カクテルの名を当てた褒美だと。

サドクが自分の大切な情を犠牲にしてまで、天使に転生したのにはわけがあった。

涅槃に情を理解して欲しかったのだ。
だから情の体現者、悪魔のポストを残し、彼は情を犠牲にしてまで天使に転生した。
そして今、彼女は情を理解しつつあるのか、ロキは、それを考えていた。

空になったグラスを見つめ彼は続けた。

あの重いような、それでいて軽快なミュージックのようなトーンを保ったまま。

「……サドクよ。お前、気づいているか?」

「だから、なにがだよ?」

「星埜銀杏が、ひとまず涅槃という名と悪魔という立場は受け入れたようだぜ」

「ふははは。あの馬鹿ちん。やっと受け入れてくれたか?」

「ま、今はまだ涅槃自身、自分でも気づいていないレベルでしかないがな」

ここ最近、涅槃の意識は変わっていた。
涅槃って誰の事。悪魔? 私は人間の星埜銀杏よと言っていた彼女が変わったのだ。
ごく自然に自分は涅槃であり、悪魔という立場を否定しなくなったのだ。
その変化は、サドクにとって、とても喜ばしい事であった。

「ふははは」

「……聞いてねぇな。酔っぱらいが」

ロキの出した答えはサドクの望むものであった。
しかし今のサドクには、誰の言葉も半分しか入ってこない状態だった。
それだけ飲まされていたのだ。

「ま、いいや。サドク。今は、好きなだけ酔っぱらえ」

ロキが、空になった自分のグラスを傾け、店のマスターにおかわりを要求する。
マスターはシェーカーを振るのを止めて静かにうなずいた。
ロキは、まだ飲むつもりだった。

「ふははは。俺さま無敵。イェイ―!」

今の今まで、サドクは神の視座を手に入れる為に気を張っていた。
しかし、その手がかりを手に入れ、神の視座が、なんとなく見えたような気がした。
そして、気が緩んだのだ。

確かに吐いてはいたが、ロキとのやり取りはなんの無理もなくこなしていた。

その状態が、あり得ない状態だったのだ。
それだけ、彼はロキに無理矢理、飲まされ続けたのだ。
ロキはほくそ笑む。

今、酒に強いわけではない彼が、酔っぱらいに転じるのは無理もなかった。

いや、今まで、露呈しなかったのが不思議な位だった。
それだけ飲まされていたのだ。
修業の名目の下。

サドクは酔っぱらう事を忘れるほど真剣に修業を念頭に置いて行動していたわけだ。

ロキは思った。
今は酔っぱらっているが、先ほどまでのサドクには鬼気迫るものがあった。
そう。本来、酔っぱらうと彼はこうなるのだ。

それを微塵も見せなかった。

いや、それ以上、普通に会話が成り立っていたのだ。

サドクは酔っぱらうとテンションが上がるにも関わらずにだ。
ロキは、どう思うと、ウイスキーのおかわりを持ってきたマスターに目配せをする。
マスターは困って、小さく肩をすくめる。

ロキは微笑みを返し、中指と親指をこすり音を立てる。

「グット。サドク。お前は俺を超えるギャンブラーになるぜ。賭けてもいい」と。

またジャズの音が、心地よく二人を包んだ。
そうして、ロキとサドクの修業という物語の幕が、ゆっくりと降りた。
時は今へと戻っていく。

涅槃が、ディーラーの天使にサドクの修業が終わったと告げられた時間へと。

「よう。鈴音嬢。久しぶりだな。なんだ? 俺と勝負しにきたのか」

ロキが鈴音を見つけ、旧知の友人を迎えるように言う。
その隣りで、ひとしきり酔っぱらって、酔いが醒めたサドクが死んでいた。
今にも吐きそうだった。

「うむ。お主を負かそうと思ってな。余には、それ位しか楽しみがないんじゃ」

涅槃は目を見張る。
鈴音が、ロキと知り合いだった事にも驚いたが、勝負しにきたと言ったのだ。
彼女は不敗のギャンブラーであるロキと戦いたいと言っているのだ。

「やめなさいよ。分かってる? 相手はロキよ?」

「余は負けぬよ」

「クククッ。そう言って前の勝負を落としたのは、どこのどいつだ。鈴音嬢?」

「じゃな。それは素直に認めよう。じゃが、今度は負けぬぞ」

「確かに、今は鈴音嬢と戦うのは不利かもな」

「ロキ。主自身も分かっておろう。今が余の勝ちどきなんじゃよ」

「グット。鈴音嬢。お前のそういうところ好きだぜ。でも俺も負けるつもりはない」

二人は静かに火花をまき散らした。
その様子を見て、涅槃は心配そうに鈴音を見つめていた。
サドクは……。

「うぇっぷぅ。は、吐きそう」

と、口を抑え、必死で吐き気を我慢していた。
涅槃は、鈴音も心配だったが、この青い顔をした天使、サドクも心配になっていた。
青くなったサドクは、よほど過酷な修業をしたのだろうと思っていたのだ。

「なに。サドクは酔っぱらっているだけだ。心配するな」

ロキが、涅槃に告げる。

「酔っぱらっているの。どんな修業をしたのよ?」

涅槃が不思議そうにロキに聞く。
彼女は、ロキとサドクが、過酷な修業をしていたと思っていた。
酒と聞いて、彼女は不思議に思ってしまったのだ。

「なに。男同士、酒を酌み交わしただけさ。で、ちょっと飲ませ過ぎた。あははは」

「酒!?」

「ああ。酒を酌み交わしただけだ。それが修業の正体だ」

「あんたら、なにやってんのよ。神の視座を伝授するとか言って。酒?」

「これが俺流の伝授の仕方だ」

「信じらんない」

「あははは。だろうな。特にお前みたいに頭の固いヤツには信じられないだろうな」

ロキが、手で目を覆い、天を仰ぎ笑う。
その笑い声は、とても剛胆で、いかにもロキらしかった。
涅槃は不満そうな顔をした。

「ま、でも、神の視座は無事にサドクに伝授できた。あとは反復練習あるのみだな」

「えっ。酒を酌み交わしただけで!?」

涅槃は、とても信じられないと不思議そうな顔をした。

「ああ」

とだけ、ロキは答えた。

~ その五十二、酔っぱらい、了。

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【 悪魔ちゃんと天使くん、~ その五十一、改革 】

「よかった。涅槃は無事のようだな。でも、誰だよ。俺らを観察しているヤツは」

サドクがトイレの中で一人言をつぶやく。
トイレという空間が、彼を一人だと錯覚させたようだった。
ロキが微笑む。

先ほど感じたサドクと涅槃の悲しき関係を憂いる感情をぬぐい去るように。

「だろ。アクセスしただろう。また俺の勝ちだな」

そして、つい今し方、サドクと涅槃に破られた不敗伝説を再始動し始めていた。
今度は、一体、いつまで勝ち続ける事が出来るのだろうかと楽しみに。
ロキにとって不敗伝説はオマケでしかないが。

「おっと。そう言えば、鈴音嬢が、お忍びで夜の国に遊びに来ているんだったな」

彼が小さくつぶやく。
そうなのだ。サドクがロキと修業をしていた今、涅槃は鈴音と共に行動していた。
ロキは、アカシックレコードを引く事で正確な現在を把握していた。

「グット。この期に乗じて鈴音嬢は俺を負かしに来るつもりだろう。面白い」

サドクがトイレを流し、戻ってきた。
その顔は、ますます青くなり、足元がおぼつかず、ふらふらしていた。
ロキが言う。

「どうだ。サドク。アクセス出来ただろう。そんな状態でも」

「ああ。でも、情報が頭になだれ込んできて、なにがなんだか、さっぱりだった」

「でも、涅槃の現状は確認できたんだろう?」

「って、なんで、その事を!?」

「顔に書いてある」

「!」

「お前が無理をしてまでアカシックレコードにアクセスしたわけがな」

サドクは慌てて、手で顔を隠す。
別に今さらロキに自分の感情がバレても、もう知られているはずだ。
ロキは、アカシックレコードを扱う事にかけては、右に出るものがいないのだから。
それは分かっている。

分かっているが、それでも恥ずかしかったのだ。

「クククッ。ウソだ。そうじゃねぇよ。お前の一人言がジャズをも超えたのさ」

店内にはジャズが流れている。
しかし、その音の洪水をも超えて、サドクの一人言がロキに届いたのだ。
大声に加え、ロキはサドクの言動に興味を覚えていたのだ。
そのサドクの声がジャズを超えたというわけだ。

「どうだ。まだ飲めるか?」

「ロキよ。それを俺に聞くか。普通。もう無理だよ。さっきから吐いてんだぜ」

「じゃ、次が最後の一杯だ。それだけは付き合え。修業だ」

「うへっ。マジかよ。まだ飲ませるのかよ」

「マスター。コイツに最後の一杯だ。そうだな。最後はケーブルグラムを頼む」

「おえっ」

ロキは、ケイブルグラムを勧める。
このカクテルは、店にきて、サドクが一番始めにロキに飲まされたカクテルだ。
しかし、サドクは、その事実すら、まったく気づいていない。

「もう味も分からねぇよ。気持ち悪っ」

サドクは最後のカクテルを飲むのを躊躇する。
どうにも気持ち悪かったのだ。
吐き気がする。

「サドク。まだ引く事について、分かってねぇだろう。この酒を飲めば分かる」

「だから味も分からねぇって。なにが分かるんだよ」

「フフフッ。お前は分かっていない。引くって事は実は簡単な事なんだぜ」

サドクは、最後のカクテルを前に引く事について考える。
検索するのではなく、引くという事を。
しかし……。

まったくの手がかりなしだ。

ロキは、なにも言わず、ジッと自分のウイスキーグラスを見つめている。
その横顔は、なにかを確信しているようだ。
サドクは、きっと気づくと。

そこで、ふっと、サドクがある事実に気づいた。

そう。
このグラスに入ったカクテルをどこかで見た覚えがあると。
ロキは、そうだとゆっくりとグラスを傾け、自分のウイスキーをすすり始める。

もしかして、そうだ。

もしかして。

サドクは、そう思うと、ケイブルグラムで満たされたグラスを傾ける。
もう飲みたくなかったが、最後だと意を決したのだ。
そして、カクテルをあおる。

もう酒の味は、ほとんど分からないが、この味には微かに覚えがあると思ったのだ。

ロキは、満足そうに自分のグラスを更に傾け、喉を鳴らしウイスキーを飲み干す。
サドクが、やっと、引くという事に気づいたのを喜んだのだ。
そして、すべて飲み干したあとグラスを置く。
グラスの中の氷が揺れる。

「そうか。なんとなく分かったぞ。検索するんじゃなく、引くって事が」

サドクは不思議に感じた。
やっと彼は、検索するという行為と引くという行為の違いについて分かったのだ。
検索するという価値観が壊れた瞬間、彼の意識は改革したのだ。
改革が、彼の意識に不思議という感覚を与えた。
いや、まだ彼の中で、あやふやだが。

「そうだ。サドク。正解だ」

サドクの中で、あやふやだった回答が確信に変わった。
ロキの正解だという言葉を聞いて。
更に思考を進める。

「そうだ。考えろ。今、お前は大切な事に気づき始めている。大丈夫だ」

ロキがサドクを応援する。
店のマスターは、そんなロキが、どことなく大人に見えた。
対して、サドクは無邪気に喜ぶ子供に見えた。

ロキがロキらしくない一面をマスターに見せた為、マスターは思わず苦笑いをした。

「この味には微かに覚えがある。そして、このカクテルの色も覚えがある」

「そうだ。そのまま考えろ。大丈夫だ。いけッ!」

「そうだ。香りも。そうだ。アクセスする前に知り得る情報すべてを整理して……」

「そうだ。今だ! アクセスしろ!」

サドクは、また気持ち悪さを我慢して集中した。
二度目という事もあり、先ほどより、すんなりアクセスする事が出来た。
カクテルの味、色、香り、すべてを頭に入れ、アカシックレコードにアクセスする。

『ケイブルグラムを頼む』

瞬間、サドクの頭の中にロキの声が響く。
このロキの声は、今、応援してくれているロキではなく、過去のロキの声。
更に引き続けるサドク。

『マスター。コイツに最後の一杯だ。そうだな。最後はケーブルグラムを頼む』

この声も、過去のロキのもの。
しかし、ちょっと前の彼のもので、ケイブルグラムと言っている。
その二つを総合して、サドクは一つの答えを出す。

そう。

アカシックレコードの受け売りではなく、自分自身の中で回答を導き出したのだ。

つまり、アカシックレコードで見た過去ではなく。
自分自身で考え、一番、最初に勧められたカクテルの名を導き出したのだ。
それが、引くという行為。
そうか。

「ロキ。分かったぜ。一番、最初に勧められたカクテルの名はケイブルグラムだ」

サドクの中で、検索から引くという価値観に変わった瞬間だった。
ロキは相変わらず、不敵に笑い、彼を祝福した。
良くやったなと。

それが、すなわち神の視座だと。

店のマスターは、この二人のやり取りを見て、また苦々しく笑った。
ロキのグラスの中の氷が、軽やかな音を立てた。
彼らを祝福するように。

~ その五十一、改革、了。

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【 悪魔ちゃんと天使くん、~ その五十、今でも 】

「これから、そちに心力、神の視座を伝授しよう」

ロキは、その昔、神から心力、神の視座を伝授された時を思い出していた。
彼は、七日七晩、強制的に完徹を余儀なくされていた。
ふらふらした頭で神の言葉を聞いた。

そして、彼は三度の飯より、好きなギャンブルを封印されていた。

その不満も相まって、彼の精神状態は極限下にあった。
ちょうど今、トイレで吐いてるであろうサドクのそれにほど近い場所にいた。
そんな中、神より提案があった。
それは……。

「そちは不敗なのであろう。ではギャンブルをしようではないか。私では不満か?」

なんと。
神は、ロキが不敗のギャンブラーと知って勝負を吹っかけてきたのだ。
しかし、今は、どうにも立場が危ういと彼は思っていた。

願ってもないチャンス。

しかし、そう。
ロキはギャンブルを愉しむ為に普段から体調を管理し最適な状態を保っていたのだ。
唯々、ギャンブルの為だけに常に体調を最高の状態へと保っていたのだ。

しかし、今は神により、七日間の完徹させられたあとなのだ。

分が悪い。
目を開ける事も面倒くさいく、どうにも眠たい。
しかも彼は七日間、ギャンブルから、勝負から遠ざかっていたのだ。

七日とは短いと思われよう。

しかし、彼のような道を突き詰めたギャンブラーとっては悠久にも等しいのだ。
道を突き詰めた人間にとって、一日、遠ざかる事は死をも意味した。
それしかないがゆえに。

彼のコンディションは最悪だった。

「私に勝てれば、私の心力、神の視座を伝授しよう。どうだ?」

しかし、ギャンブルの相手は、この上ない相手。神。
このギャンブルを逃して、他のギャンブルを愉しめるはずもなかった。
ロキは二つ返事で、快諾する。

「さすがに不敗のギャンブラーだけはあるな。よいか。その勇気、尊敬に値するぞ」

神はロキを賞賛した。
そして、ロキは眠気、不満、そして神という相手に打ち勝つという快挙を成す。
だから今、彼は心力、神の視座を手にしているのだ。
そして、不敗伝説も守ったのだ。

「ふふふ。サドクよ。お前は、あの時の俺よりは全然マシなんだぜ」

ロキはウイスキーのおかわりを注文して、ほくそ笑む。

ロキは知っていたのだ。
神は、あの勝負、敢えて手を抜き、ロキが勝てるように画策したのだと。
そう。

神とのギャンブルは、ロキが勝つように計算されていたのだ。

ただ最後の最後まで勝負の場に立っていられるか、それだけを見ていたのだ。神は。
結局、ロキは神の手のひらの上で踊っていたに過ぎなかった。
ウイスキーを注がれた新しいグラスがくる。

琥珀色をした液体は、なにを考えているのか分からないロキの横顔を映しとった。

ロキは考える。
神とのギャンブルは、大人と子供の戯れでしかなかった。
彼の中で、不敗伝説を持つギャンブラーとしてのプライドが酷く傷つけられた。
しかし、なにも言わなかった。

いや、言えなかった。

神は、それだけ偉大な人物であり、ロキのプライドをも遙かに陵駕していたのだ。
彼にとって、その神とギャンブルを打てただけでも、ありがたかった。
あまつさえ形だけでも、神に勝てたのだ。

たとえ子供に勝ちを譲る大人という形でも仕方がないと、そう理解していたのだ。

神は大人であり、自分は子供という立場だったのだ。

ロキは微笑む。
彼は、今度、神の立場で、サドクを迎えなくてはならない。
そう思っていて、自然に頬がゆるんだのだ。

あの勝負で、神が考えていた事が、今のロキには痛いほど、よく分かった。

ギャンブルでもなんでも勝ちを譲らなくてはならない時はあるものだ。
ロキは今まで、ずっと不敗伝説にあぐらをかいて、見えなかったものが見えたのだ。
やっと分かったと。

サドクや涅槃に負けて、初めて理解した感情だった。

サドクが、ひとしきり吐いて、青い顔をしてトイレから戻ってきた。
彼は、これ以上にないほど吐いたが、また吐きそうだった。
ロキは、目を細めて彼を見つめる。

「なんだよ。ロキ。その笑いは。気持ち悪い。俺が、そんなに滑稽か?」

「いやな。神が言いたかった事を考えていたんだ」

「神?」

「ああ。神だ。あのタヌキオヤジが、なにを考えていたのかを考えていたんだ」

「神が考える事なんて、考える方がおかしいぜ。アホらしい」

「ああ。アホだな。でも、それでいい」

「?」

「で、アカシックレコードにはアクセス出来そうか?」

「いや、無理。絶対に無理」

「あはははっ。即答かよ。やっぱり、お前は面白いヤツだ。間違いないぜ」

ロキは、負けたと膝を叩いて、大声で喜ぶ。
ジャズバーのマスターは、ロキをたしなめるように強く睨む。
ジャズが台無しだと。

「なんだよ。ロキ。気持ち悪い。酒がまわって気持ち悪いのが余計に気持ち悪いぜ」

それでもサドクには意味が分からず、ロキの剛毅な言動を気持ち悪がる。
今のサドクには、気持ち悪いしか考えられなかった。
そして再び席を立つ。

「もう一回、吐いてくるのか?」

「ああ。お前のせいで、気持ち悪いのが加速しちまったよ」

「グット。大丈夫だ。そのまま流れでアカシックレコードにアクセスしてしまえ」

「だから、こんな状態じゃ出来ねぇって。もう本当に怒るよ。俺は」

ロキは、不敵にほくそ笑む。
まるでサドクが次に吐いた時、アカシックレコードにアクセスすると断言するよう。
それはロキお得意の一人で、自分自身でギャンブルを打つ、アレだ。
例によって中指と親指をこすり合わせ、音を立てる。

「グット。次に吐く時、お前はアカシックレコードにアクセスするんだぜ」

やはり、そうだ。
どうやらロキは、サドクがアカシックレコードにアクセスすると張ったようだ。
そうして、彼は彼のグラスに注がれたウイスキーを愉しんだ。

「だが……爺さん、それ以上は無粋ってもんだぜ?」

ロキが虚空を指さし、つぶやく。
遠くに離れた知の国の王、ルー爺さんがロキの言葉にドキッとした。
そうなのだ。今、知の国の王、ルー爺さんは、サドクに助け船を出そうとしたのだ。

いや、助け船というよりは、余計なお節介であろうか。

そう。
観測衛星を使ってサドクがアカシックレコードにアクセスするように仕向けたのだ。
ルー爺さんは、わざと観測衛星が見つかるように衛星を瞬かせた。

「うへぇ。なんだこれ?」

トイレから素っ頓狂な声が聞こえる。
サドクの驚いた声だ。

「爺さんも愉しみたいんだろう。それまでは許すぜ。だが、それ以上は無粋だ」

「ホエ。トホホじゅな。ワシはもっと愉しみたいんだが」

「バット。無粋は許さねぇぜ」

「ま、これでも充分に愉しめたわい。じゃ、自爆じゃな。ポチッとな」

ルー爺さんは、まるで王に相応しくないような言葉を吐いた。
同時にサドクを観察していた観測衛星は、小さな音を立てて、煙と共に消えた。
サドクは観察されていた事に気づいたのだ。
そして不安になった。

自分を観察しているものがいるとするならば、涅槃をも観察していると思ったのだ。

それは正解であり、彼は彼女の身が心配になったのだ。
しかし、今はロキとの修業の最中だ。
彼女に知らせられない。

彼は、せめて、彼女は無事なのか、それだけでも確認したかった。

「だろ? 確認するにはアカシックレコードにアクセスするしかないんだぜ」

サドクは気持ち悪いのを我慢し、意識を集中させた。
彼は、そうせざるを得なかったのだ。
彼女を心配し。

「まるで親だな。そんなに娘が心配か。ヘルメス・ディ・カイト」

ロキはウイスキーグラスを見つめつつ言った。
ロキの表情は憂いを帯びていた。
彼女の気持ちを考え。

「そうだぜ。サドクよ。涅槃、すなわち星埜銀杏は、今でもお前を愛している」

ロキの表情が、にわかに曇ったような気がした。
まるでサドクが天使になる為に犠牲にした彼の情を惜しむように。
彼には筒抜けだった。
すべてが。

「愛しているか……、それも悲しいな」

ロキは、二人の関係を悲しむように一言、そうつぶやいた。

~ その五十、今でも、了。

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【 その前に 】

今日は、僕と彼女とつきあい始めて、初めてのデート。
バッチリとロマンティックな場所を選んだ。
あとは会話をはずませて……。

「ねぇ。ねぇ。静かだね。なんだか吸い込まれそうな位、静かだ」

「うるさい」

えっ。
彼女は、なにを怒っているんだ。
僕は彼女の機嫌をうかがうように言葉を続けた。

「どうしたの? なにか気に入らない事でもあるの。ねぇ」

「だから黙ってて。うるさいの」

なんでだよ。
なにを怒っているんだよ。
一体、僕のなにが気に入らないんだよ?

「ねぇ。僕は会話をはずませようと思ってるだけだよ」

「だから、ここ映画館。今、恋愛映画を上映しているの。黙ってて」

分かってるよ。
この映画、最高にロマンティックな恋愛映画だろ?
一体、なにが気に入らないんだよ。

その前に、了。

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