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E★エブリスタ

では、▼以下より、私の世界をお楽しみ下さい。
     

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【 赤いモノ 】

「片思いの彼に告白するのじゃな?」

私は今、よく当たると評判の占いの館にきている。
今日、三年間、ずっと片思い続けた男の子に勇気を出して告白するのだ。
だから念の為に、だ。

「うむ」

「あの……どうでしょう。私の告白は上手くいくでしょうか?」

「うむぅ。赤じゃ。赤が鬼門じゃ。決して赤を近づけてはならぬ。よいか?」

どうやら赤いモノを身につけたら告白は失敗するようだ。
赤いリボン、赤い眼鏡、赤い口紅などなど。
徹底的に赤を退けた。

赤いモノを憎むようなイキオイで。

よし。
告白準備完了だ。
私は、もう一度、確認する。赤いモノはないかと。

大丈夫だ。

赤いモノはなにもない。

そして私は私の想い人の前に躍り出た。
三年間、ずっと片思いをしていた彼の前に、今、勇気をだして飛び出したのだ。
しかし……。

左右を確認せず、いきなり、道路に飛び出したのが、いけなかった。

…――私はトラックにひかれたのだ。

ひかれたあと、道路に私の真っ赤な血が流れ出た。

赤いモノ、了。

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【 悪魔ちゃんと天使くん、~ その三十九、奇跡 】

一番、右のカードはクローバーのエース。

この真実を書き換えるだけの労力は、この勝負の間には作れない。

その事実に気づいたのは、涅槃ではなく、サドクだった。
彼はアカシックレコードを扱う事には長けていなかったが、涅槃よりは知っていた。
天使であるがゆえに。

しかし、労力が作れないという答えに至るまでは涅槃の洞察力が不可欠だった。

つまりサドクだけでは、慌てて答えをだしていたし。
このカードギャンブルの落とし穴にも、まったく気づけなかったのである。
ゆえに……。

その事実に気づけたのはサドクと涅槃、二人の大殊勲であった。

しかし、ここで浮かれては、足元をすくわれる。
なにせ相手は、不敗のギャンブラー、夜の国の王、ロキなのだから。
高鳴る胸を落ち着け、サドクがカードを選び、ロキの伏せカードの上に置いていく。

「ハートのキングとハートの二だ」

サドクは、まず、ハートのキングを横向きに置き、そのあとハートの二を縦に置く。
更にサドクはカードを選んで、横向きに置く。
そのカードは、ハートの三だ。

これは、サドクの心が落ち着いている証拠であった。

彼は、慎重に、かつ大胆にカードを置いて、ロキの反応を見る。
ロキは、相変わらず、読めない表情で笑っている。
ロキは不敗のギャンブラー。

まだなにかあるのか?

サドクの心が、少しずつ、ざわめきつつあった。

しかし、涅槃がサドクに言う。
大丈夫と。

彼が置いたカードを合計するとハートのマイナス十四。

ハートではないという事だ。
涅槃がうなずく。
そう。

これは涅槃が、小さな声でサドクに指示し、させた事であった。

伏せられたエースは、クローバー。
そして、サドクはハートのマイナス十四にしたのである。
つまり、親が伏せて置いたカードをなににすり替えても、マイナスは逃れない。

親は、たった一枚しか選べないがゆえに。

そして、アカシックレコードの書き換えは労力の問題でできない。

もうなにもない。
涅槃は、そう確信し、サドクに指示を出していた。
ロキは相変わらず、泰然自若とした態度を崩さず、最後の最後まで気が抜けない。

涅槃の握りしめた手の中が汗ばむ。

彼女はサドクの心がざわめき立つのを制し、自分自身の心も落ち着ける。
大丈夫。最善を尽くした。そして間違いもないと。
そして、サドクが宣言する。

「これで、終わりだ。勝負だ! ロキ!」

「グット。本当にこれで終わりでいいのか? サドク? 涅槃?」

ロキが二人の名を呼ぶ。
自分たちの名前が、ロキの口から出たのに驚く二人。
本当に……本当に、これで大丈夫なのかと、サドクが涅槃に改めて確認する。

涅槃は、そんな彼の心を落ち着かせ、深呼吸して自分も落ち着く。

大丈夫。
もうロキの手の中には、駒は残っていない。
ロキが、今更、なにをしようが、私たちは絶対に、この勝負に勝つのと。

自分で自分を鼓舞する事は難しい。

しかし彼女は、懸命に自分自身を鼓舞していた。
気圧されたら負けだと。
大丈夫。

そんな懸命な涅槃を見て、サドク自身の心は強く、固まった。

この勝負で負けても誰も恨まねぇと。

「オッケーだぜ! 俺たちのターンは終了だ!」

サドクは、ありったけの大声で宣言した。
敢えて、懸命な涅槃を勇気づけるように出し切る声も残らないほどに。
ロキが笑う。

「あははは。なるほどな」

ロキの思わぬ答えに心臓が飛び出すほどビックリするサドク。
涅槃も目をキュッと閉じて、祈っている。
現実主義である彼女が。

「俺の負けだぜ。不敗は終わったな。でも、それでいい」

ロキは、そういつつ、笑いを止めず、エースのカードを表する為にめくった。
彼がめくったカード、そこには、クローバーのエースがあった。

そう。

クローバーのエースだったのだ。

サドクが、目を見張り、ふぅっと大きなため息をつく。
涅槃は、いまだに固く目を閉じたまま、ブツブツと祈っている。
ふふふと笑うサドク。

「勝負の結果はどうなったの? 私たち勝ったよね?」

涅槃が、おそるおそるサドクにたずねる。
しかし、サドクは涅槃の問いには答えず、代わりに自分で確認しろと言った。
ゆっくりと目を開ける涅槃。

「勝った……」

涅槃は腰が砕けたように、その場にへたり込んでしまった。
いくら自分自身で自分を鼓舞しようにも、それには限界があったのだ。
あはははと乾いた笑いを浮かべる涅槃。

「お前ら、本当に面白いぜ!」

しかしロキは最後までロキだった。
不敗の伝説が終わりになっても、負けてもロキであった。
彼は、自分の負けを素直に認め、そして次の勝負の算段に入っていたのだ。

このギャンブルに対する真摯な態度が不敗伝説を作ったのであろう。

「今回は俺の負けだ。しかし、次はそうないかないぜ?」

「次? ちょっと待てよ。ロキ」

サドクが、口を尖らせロキに抗議するように答える。
涅槃は、いまだへたり込んでいる。
奇跡は二度起こらない。

つまり彼は、もう二度とロキに勝てるチャンスはないような気がしていた。

「この勝負にはすべてを賭けていたんだろ? だったら終わりじゃねぇのかよ?」

「フッ。確かにな。だが、これから先は俺のお愉しみタイムだ」

「つうか。お愉しみタイムってなんだよ。勘弁してくれ。もう勝てねぇて」

「むぅ。そうか。残念だ」

サドクの言う事はもっともだった。
全力の上に全力を重ね、更に運も味方にし、やっと起こした奇跡だったのだ。
もう二度と二人の上には降りてこないと思われる奇跡なのだ。

さすがの豪放磊落なサドクであっても、弱音を吐かざるを得なかった。

ロキは、残念そうに二人を見つめる。
しかし、では、ロキはなぜ最後に彼らの名前を呼んだのだろう。
サドク、涅槃と。

「お前が、俺たちの名前を呼んだ時、終ったって思ったぜ」

「ああ。あれな。あれは、俺がお前たちを認めたんだ。同等に戦えるヤツらだとな」

「なんだよ。そういう事かよ。心臓に悪りぃぜ」

「あははは。すまん。すまん」

「コイツ、本当に分かってるのか。信じられねぇぜ。ちくしょう」

涅槃も、やっと勝利の実感を得たのだろう。
サドクとロキの会話に交ざる。
よかったと。

「もう二度とギャンブルはこりごりだわ。たとえ相手が誰であろうとね」

「連れねぇ事いうなよ。やっと同等に渡り合えるヤツらに出会えたっていうのに」

「無理。もうヤダ。心臓に悪い」

ロキは、ずっと笑ったまま、二人を見つめていた。
夜の国の王は、二人を認め、そして彼女が人間界の王である事を痛感していたのだ。
そしてイタズラっぽい顔をして言う。

「で、相談なんだが」

「なんだよ?」

サドクが、疲れ果てた顔で答える。
ロキは、ますます面白そうな顔をして彼らに言う。
からかうように。

「負けたままは、な。もう一勝負、やらねぇか。なんでも望みのモノをやるぜ?」

「だから、嫌だって言ってんでしょうが」

「そうだ。そうだ」

サドクと涅槃は、きっぱり断る。
もうこれ以上、博打という地獄をさ迷うのはごめんだと。
これはロキに読めていた。しかし、ここで敢えて彼は冗談半分で言ったのだ。

半分は冗談、半分は本気だった。

彼らに勝負師としての素質があるのか、はかったのだ。

ここで勝ち馬に乗り、浮かれたまま勝負をするのは勝負師として失格だ。
自分たちの力量を知り、勝てない相手とは打たない。
これは重要な事だった。

そしてなにより、今、勝ったのが奇跡と認識しているかどうか。

ロキは、二人のそれを改めて、はかったのだ。

すなわち神託である創世を成せる人物であるかどうかの条件をはかったのだ。
ロキの目の奥には二人の未来が映っていた。
創世を成す二人の未来が。

「グット。俺は賭けるぜ。全存在を。お前らが創世を成す方にな」

ロキは、中指と親指をこすり合わせ、パチンと音を立てた。
これは彼が勝ちを確信した勝負開始の合図だった。
しかし……。

「だからギャンブルは、もうゴメンだって」

「絶対に嫌だ」

二人は、口を揃えて抗議をした。

「あははは。ま、これは俺の趣味だから気にするな。お前らは解放するからよ」

とロキが言った。
そう。たった今、ロキが始めたギャンブルは、相手のいないギャンブルだった。
しかし、二人は、この上ないほど不満そうな顔をしていた。

ギャンブルなんて絶対に嫌だよと。

~ その三十九、奇跡、了。

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【 なぞなぞなぞかけ、その二十四 】

風邪とかけて、線と解き、バイオリンと解く。
その心は?

すべてひきます。

なぞなぞなぞかけ、その二十四、了。

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【 連載小説、キュートな幽霊 】

幽霊は恨めしやしかないのかという疑問から生まれた話です。六話、完結。

お話、概要。

僕は幼なじみのトーコという女の子の幽霊を成仏させる為に除霊術を覚えた。
苦しい修業の果て、僕は真即理という除霊術を手にする。
しかし当の幽霊、トーコは明るくて。
本当に成仏したいの?

▼キュートな幽霊、第一話、出ない答え
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-325.html
▼キュートな幽霊、第二話、宝
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-353.html
▼キュートな幽霊、第三話、僕の責任
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-372.html
▼キュートな幽霊、第四話、雪
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-381.html
▼キュートな幽霊、第五話、リフレイン
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-384.html
▼キュートな幽霊、第六話、僕と桜の花びら
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-395.html

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【 キュートな幽霊、第一話、出ない答え 】

二月のまだ寒い風が吹く、朝。
しかし雲一つない、陽射しだけは春に向けて温かくなってきた冬のある日。
僕は眠い目をこすりつつ、いつもの日課である除霊に向かう。

そう。

僕は霊能者。

僕が霊能者になったのには理由がある。
幼なじみのトーコが、幽霊になって、いまだにこの世にとどまっているのだ。
彼女を成仏させる事が、僕に与えられた使命なのだ。

僕は彼女を成仏させる為に辛い修業にも耐え、霊能力を身につけた。

そして今。
いくら陽射しが温かくなったといっても、まだ寒空の下、彼女を除霊しに向かった。
まだ夜は明けきらず、寒風、吹きすさんでいる。
吐く息は、煙のように白い。

うぅ。寒いッス。

しかし今は、そんな事を言っている場合ではない。
とにかく、幼なじみを成仏させるのだ。
彼女は幽霊なのだから。

幽霊であるという事は、この世に未練があるんだろうと思う。

「おはっよ。宗春(むねはる)。今日も元気に除霊に勤しもうね。頑張ろう!」

って、おいッ。
他人事のように言うなよ。
お前の除霊にきているんだよ。この僕は。分かってる?

そうなのだ。

彼女は幽霊のクセに妙に明るい。
恨みや辛みなど、微塵にも感じさせない幽霊なのである。
だからこそ、除霊が上手くいかず、彼女はずっとこの世にとどまっている。

「うん? どうしたん?」

「ていうか、トーコ。お前は死んで幽霊になったんだよ。分かってる?」

「分かってるって。私は死んで幽霊になったんだよね」

「それが分かってないっていうんだよ!」

「分かってるって。でも、幽霊って、すっごく便利なんだよ。ほら」

トーコは、そういうと軽い音を立てて、大人に変身した。
スーツをパリッと着こなし大人にだ。
格好いい。

普段のトーコは、フードスウェットで、コーデしているから余計に大人に見える。

「ほら。服装も年齢も好きなモノを選べるんだよ。便利でしょ」

「便利じゃねぇ!」

って、だからお前は幽霊なの。
幽霊が、お洒落を楽しんで、どうするのさ。
この世に未練とか、恨みとかあるから、幽霊をやってるんじゃないの?

幽霊とは、すなわち恨めしやであり、決して今のトーコではない。

とにかく。
僕は僕の幼なじみ、トーコを成仏させる。
いくら彼女が明るい幽霊だとしても、彼女は未練があるから幽霊なんだと思うから。

僕は除霊術の体勢に入る。

「おっ。宗春くん。やっと、その気になったようね。今日も頑張ろうッ!」

なんとでも言ってろ。
その気になるのは、トーコの方だろうが。
トーコ、頼むから、そこんところを自覚して欲しい。

「真」

僕が伸ばし拡げた手のひらの前に光球ができる。
真即理(しんそくり)とは、僕が学んだ流派の神髄であり、霊を除霊できる。
真から入り、即で光球を弾き飛ばし、理で霊に光球を当てる。

当てた光球をはぜさせ、除霊する。

「即」

僕は、手のひらの前にできた光球を力一杯、思いっきり殴るのだ。
この殴るという行為で、光球を弾き飛ばす。
よし。上手くいってる。
しかし……。

そこで、手のひらの前にできた光球は軽い音を立てて、消し飛んでしまう。

「あははは。宗春。どうやら失敗のようね。ま、頑張りな」

やっぱり、トーコには他人事であり、本当に成仏したいのか疑問に思う。
その態度と失敗した僕自身に腹を立て、イライラとする。
こんなに頑張っているのになんでだよと。

「トーコ。今日は失敗したが明日こそお前を成仏させるからな。覚悟してろよ!」

「おー。おー。期待してますわ。頑張れ! 宗春!!」

「チィッ」

僕はトーコの態度に不満を覚え、舌打ちし、今日の日課を終え、家路についた。
家に着いたら、また修業が待っていて、それは彼女の為だった。
僕は、絶対に彼女を成仏させる。

しかし、実の所、彼女は本当に成仏したいのだろうか。
いや、彼女が、幽霊になってまで、この世にとどまる未練とは、なんなのだろうか。
彼女はなぜ幽霊に……。

幽霊になっても、別に不満を感じず、楽しんでいるような感じさえする彼女。

結局、僕が彼女を成仏させようとする事は、いらぬお節介ではないのか。

そんな事を考えるまでになった。
もし仮に彼女を成仏させる事が、彼女にとってお節介だったとすると。
一体、僕は、なぜ苦しい修業に耐え、除霊を覚えているのか。

その意義が見いだせず、僕の心は揺れた。

そう。
僕はトーコを成仏させる為だけに除霊術を覚えたのだ。
それは、すなわち僕の罪滅ぼしで。

トーコを殺してしまったのは、間接的であれ、僕の責任だったのだから。

トーコ?
君は本当に成仏したいの?
僕は、ここまで辛い修業に耐え、除霊術を手にしたけど……無駄じゃないよね?

毎日、彼女の除霊を行って、成仏を願う僕は間違ってないよね。

誰にいうとでもなく、自分自身の心の内に問おうた。
あんなに明るく、そして、未練を微塵も感じさせないトーコを思い出しつつ。
答えの出ない問いだった。

…――そして、また次の日がきた。

彼女は相変わらず、お洒落を楽しんでいて、今日はカットソーという格好だった。
やっぱり僕の成仏を願う心は、間違っているのだろうか。
そんな気がしてきていた。

「さ。今日も頑張って、除霊をしよう! 宗春」

彼女が明るく言った。
彼女の態度が余計に僕の心を覆った影の陰影を強くさせ、僕はひどく混乱した。
本当に彼女は成仏を願っているのか。未練はないのかと。

やはり、それは出ない答えであった。

第一話、出ない答え、了。

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【 信じるマン、第三十一話、グリーン・ピース 】

とにかく、この資産家の息子軍団を退去させなくてはならない。
この悪の巣窟、ヒーロー製作研究所から。
頭が痛い。

「この蹴りは、こうアル。もっと力強く。ヨロシ?」

キム・キムが、グリーン候補生を前に右足を高く上げ、力強く蹴りを放っている。
両手は下に足だけを高く高く蹴り上げ。

ていうか! よろしくない。
キム・キム、とりあえず、親のカネをくすねさせる事を止めさせろ。
因果応報で、お前自身が滅びるぞ。

いや、今、この場で俺自身がキム・キムを滅ぼす。

この十人近くいる資産家の息子軍団の目を覚まさないと俺の気が済まない。
馬鹿チンどもにカネを巻き上げられているのが、申し訳なくて。
大体、純金風呂ってなんだよ。

「プラチナ!」

だから、そこ、うるさい。
…――イエロー、お前だけは信じるマンの中でも常識家だと思っていたのに。
そう信じた俺が馬鹿だった。黙れ。悪即斬だ、この野郎。

「ま、ま、レッドどの。落ち着くでござる。純金風呂は言い過ぎだったでござる」

ピンク?
お前、真面目に考えているのか。
一応、軍師で、それなりに頭が回る方だとは思うが……。

「やっぱり風呂はプラチナに限るでござるな」

「そうでしゅ。僕も間違っていたでしゅ。やっぱりプラチナ最高でしゅ」

だろうな。
そんな事だと思ったぜ。
俺は、お前ら馬鹿チンなんて信じない。

とにかく、巨悪、キム・キムを倒してでな。信じるマンを解散させる。

これは決定事項だ。
そういえば、信じるマンを拒否したら自爆だったな。
しかし自爆とっていもキム・キムが存在する限り、俺は復活させられるからな。

自爆する前にキム・キムを倒す。

そして俺は、この世界とおさらばし、安らかに眠るのだ。
と、そんな事を考えていると、俺はグリーン候補生たちに囲まれた。
な、なに?

「押忍! 組み手を」

組み手?
信じるマンに変身する前の俺は一般人にすぎない。
そんな一般人が、カンフーの鍛錬を積んでいる男たちに勝てるわけがない。

信じるマンにさえ変身すれば……。

いや、ダメだ。
こいつらの前で変身すると、俺を目標に余計に頑張るだろう。
さっき、キム・キムが、彼らに我がカンフーの最終形態だとか言っていたし。

多分……。

俺の杞憂かもしれないが。
それでも、小さな可能性すら潰しておきたい。
だから、俺は彼らの前で信じるマンレッドに変身する事をためらった。

「押忍! 組み手を」

「レッドしゃん。変身するしかないでちゅよ」

「拙者もそう思うでござる。ささ、レッド殿、ここは一発、ドッカーンと!」

たきつけるな。アホども。
お前ら、キム・キム信奉者には俺の気持ちは分からんだろうが。
俺は、グリーン候補生たちの目標になる気はない。

「プラチナ!」

イエロー、一応、つっこんどく。
その話は、もうとっくに終わったぞ。しつこい。
とにかく、俺はグリーン候補生たちの前で変身する気は毛頭ない。

「アイヤー。今はマコっちのやる気がないアル。みんな我慢するアル。ヨロシ?」

というか。
一生、金輪際、グリーン候補生たちの前で変身する気はない。
ただ、それだと、キム・キムを倒せない。

このジレンマをどうするか。

本当はイエロー辺りに相談をしたいところなんだが。
そのイエローも怪しい事が分かったし。
そうだ。

ナオっちに相談するか。

ナオっちだったら俺のジレンマを解決してくれる答えを持っているような気がした。
でも、ミン・ミンたちが、どこにいるのか。
それが分からないんだよね。

キム・キムだったら、ミン・ミンたちの居場所を知っているとは思うが……。

キム・キムに聞くくらいだったら死ぬね。

多分、これは俺の推測だけど、キム・キムに質問したら。
なにか大事なモノを失うような気がする。
プライドとかじゃないよ。

実際的に、なにかと交換じゃないと教えてくれないような気がするのだ。

それも、とても大事なモノを奪われるような気がする。
たとえば、そうだな……フランスパンとか。
つるつるになる。

そんな気がして仕方がない。

「よし。分かったアル。最終極意を伝授するアル。ヨロシ?」

最終極意?
なんだそれは。アレか。アレなのか?
つまり、十人近くいるグリーン候補生を一人に絞って、グリーンにする気か!

≪ギュゥィィン、ギュゥィン、ギュゥィィン、ギュゥィン≫

うほっ。
キム・キムの目がヤバイ。
これは、グリーン候補生たちを一人に絞ったのか。

そして手にした、そのチェーンソーで、改造手術を行う気でいるのか!

いかん!
それだけは避けなくては。
信じるマンという変態に、また一人、犠牲者が増えるだけだ。

「チィッ。仕方がねぇ。やるしかねぇのか」

俺は、舌打ちをすると信じるマンレッドへと変身した。
さっき金輪際とか自分で言っていたのだが、これは、すなわち緊急事態なのだ。
変身!

「押忍! 俺から組み手を」

グリーン候補生の内、一人が勇みだし、俺を捉えた。
いや、組み手をする気はないし。
君たちを救いたいの。
俺は。

「やれやれだぜ。テメェは俺を怒らせた。スター・プラチナ!」

って、イエロー、お前、飽くまでプラチナなのな。
趣向を変えたからって騙されないぞ。
イエローも変身した。

「俺は、プラチナ風呂に入りたくて仕方がないのだよ。わかるかね?」

と、イエローは、わけの分からない事をわめきちらしている。
続いて、ブルーとピンクも変身した。
俺たちもプラチナだと。
もう。

またその話に戻る。だから悪趣味なの。その話は。

ま、一応、グリーン候補生たちは、十人ちかくいるから、一人、二人の計算な。
って、俺がやる気になってどうする。
俺は変身を解く。

「今の一瞬をよく目に焼き付けるアル。アレが最終形態アル。ヨロシ?」

「ちくしょう。キム・キム、お前、お得意の挑発か?」

俺は、口惜しそうに彼女に告げる。
彼女は、信じられないような可愛い笑顔で、事も無げに答える。
右足を高く蹴り上げ。

「アチョー。そうアル。やる気のないマコっちをやる気にしたアルよ。ヨロシ?」

そして、あちら、こちらで信じるマンたちが戦っている。
グリーン候補生たちと組み手をしているのだ。
みんな、なんでやる気なの?
カネの為?

「カネの為? 違うね。レッド、俺には大きな野望があるのだよ」

イエローがカレー片手にグリーン候補生を押さえる。
ピンクも扇子を振りつつ、候補生をかわす。
ブルーこと怪人27号は……。

グリーン候補生の二人にボコボコにされて、泣いちゃってるよ。

君、シリアルキラーじゃなかったの。怪人27号よ。
ま、そんな話はさておき。
なんの為に?

俺は答えを求めるようにピンクの方を見る。

「ふははは。拙者には大きな野望があるのでござるよ。レッド殿! ハッ!」

ピンクが、これだけ格闘に長けていたのは意外だったが。
それにしても、野望ってなんなのさ。
不安しか感じないんだけど。

「プゥゥゥラァァァァチィィィナァァァ!」

もう嫌。
またその話か。
どこまで引っ張れば気が済むわけさ。

「決めたアル。グリーンはコイツらにやってもらうアルよ。ホワチョー!」

そうか。そうだのか。
さっきからグリーン候補生たちが喜び勇んで組み手を挑んできたのは。
すなわちグリーンを決める為の試験だったわけだ。
ちくしょう。騙された。ちくしょう。

「さっきから怪人27号をボコってる二人。お前らにグリーンは決定したアル!」

どうやら、キム・キムの心は決まったようだ。
怪人27号をボコっている二人に。
なぬを?

ふ、二人ですか。

猛烈に不安しか感じないんですけど。いいの。本当に。大丈夫?
そんな俺の不安などお構いなしにキム・キムは、舌をなめずり回し、笑った。
チェーンソーを振りかざし。

≪ギュィィィイィィン、ギュィィィイィィン≫

と鈍い音が木霊した。

~ 第三十一話、グリーン・ピース、了。

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【 愛羅武、魔王、~ 其の八、一弓さん 】

偽轟くんこと、フリチンは、そのあと姿を見せなかった。
担任の先生が轟くんは休みと決めたようだ。
里美が残念そうだった。

いや、里美、アイツは格好いいけど、結局、フリチンだからと言いたかった。

とにかく私は、あのフリチン事件のあと、一時の平和を味わった。
いやはや、魔王とルンルン、フリチン。彼らがいないだけで、こんなに幸せだとは。
私は密かに感涙にむぜびた。

しかし、その幸せもつかの間、下校時間がきた。

魔王とルンルンが待つ、暗黒な家に帰らなければならない時間がきたのだ。
私は里美と一緒に重い足取りで、ダークな家へと向かった。
本当に足が重い。

「鮎菜……顔色悪いよ。調子悪いの?」

里美が心配そうに私の顔をのぞき込んで、言う。
きっと里美には分からないんだろうな。
私の心の内は。

確かにフリチンは、とても知的な顔だちで、イケメンだろう。

それは魔王にも、ルンルンにも言える。
魔王はワイルドな格好良さがあるし、そしてルンルンは兄貴的な格好良さがある。
しかし!

しかしだ。私は、あの三人には頭痛しか感じない。

大体、魔王は地球を滅ぼすとか平気で口にするし、ルンルンは謎のニート。
そしてバス権二位のフリチンは超傲慢で、名前が名前だし。
やっぱり、頭痛しか感じない。

「ちょっと、そこをゆぐ少女。待ってけれ」

おろっ?
なんだか平和な口調のこの声は?
誰? どことなく落ち着ける、この声の主は?

「なぁ。オラの話さ、聞いてけれよ。なぁ。なぁ。少女さんよ」

声のした方を直視する。
そこにいたのは、日なたから抜けだしてきたような温かな可愛い少年がいた。
魔王やルンルンを陰とするならば、彼は陽だ。

里美が、可愛いと彼の頭を撫でる。

「やめてけれ。やめてけれ。なにすっだ。おめぇ。オラは子供じゃねぇぞ」

うふふふ。
その光景は、荒んだ私の心を癒してくれるようだ。
里美も、彼を気に入ったようで、ずっと優しく頭を撫でている。

そんな彼の容貌は……。

温かそうな朱色の髪をしていて、前髪が、ちゃんと揃えて切ってある。
後ろと横は刈り上げてあって、坊ちゃんっぽい。
瞳の色は、吸い込まれそうなブルー。
ハーフかな。

年齢は、大体、十歳くらいといったところだろうか。

小さな体を必死で揺すって、里美の撫で撫で攻撃から逃れようとしている。
それがまた可愛くて。もうなにこの可愛さ。
私も胸がキュンとなった。

「オラは、これでも千四十五歳だべ。もう子供じゃないだべさ」

うぅ~ん。このなんとも言えない訛りも愛おしい。
って、千四十五歳……。
魔王。

もしかして、君もルンルンやフリチンと一緒で魔王関係の人なのッ!

「だから、オラの話を聞いてけれ。少女」

少女って私の事だよね。
また魔王関係の人脈が拡がるわけ?
もう。家に着く前から頭痛のタネが蒔かれたわけで……。

「オラは魔王さまを愛しているだ。すなわち、おめぇが邪魔なんだべ」

ゲフッ。
魔王を愛している……ゲイ?
こんなに可愛いのに、ゲイですか。うぅむ。
というか、魔王を差し上げますから、頼むから魔界に連れて帰って。

「オラはおめぇさ、亡き者にすっために魔界くんだりから出てきたんだっぺさ」

いまだ里美の撫で撫で攻撃は止まっていない。
そんな状況で、しかも童顔の君が、凄んでも怖くないんだけど。
とんだ可愛い刺客が来たモノだ。

大体、里美の撫で撫で攻撃すら防御できない君だよ?

分かってる?

「だから少女。オラと勝負っすだ。魔王さまを賭けた真剣勝負をだ。よかか?」

「ヘイ! ペチャガール! 待ちきれなくて迎えにきたよ。オッケー?」

そこにルンルンが現われた。
魔王でなかったのが、いくらかの救いだった。
もし魔王が、今、この場に現われたら、少年が暴走しそうな気がする。

「おっ。一弓(いっきゅう)。久しぶりだな。元気だったか?」

やっぱりルンルンは謎だ。
この少年の事を知っているようだし、なにより彼は魔界から来たとは聞いていない。
ルンルンは魔王関連の人間だとは分かるが、魔界の住人なんだろうか。
謎だ。

「押忍ッ。ルンルンさん。元気だったっぺ」

里美。
そろそろ、一弓くんの頭、撫で撫で攻撃を止めてあげて。
止めないと、いつまでも飽きることなく、続けているような気がしたから。

実は里美も適応力、高いよね。

朝、魔王が現われた時、青い顔をしていた人物と同一とは思えない。
いや、それだけ一弓くんが可愛かったのか。
しかし魔王関係の人物だったとは。

「とにかく、少女。オラと勝負すっだ。ルンルンさんが見届け人だっぺ」

「うぅん。なんの話だ。一弓? ガール。絡まれているのかい?」

「ルンルンさん。オラは。オラは……」

一弓くんは、そこまで言うと湯気が出るほど真っ赤になってうつむいてしまった。
ルンルンに一弓くんの心が知れるという事は魔王にも伝わると。
そういう事だろう。

なんて乙女チックなんだ。可愛すぎる。

一弓くん、もう、頬ずりして、よし、よしと愛してあげたい気分。
私は里美の方を見る。彼女の目も潤んでいる。
感動しているのだろう。

あまりの乙女チックさにだ。

「……だがな。一弓。一つ、忠告しておいてやる。いいか。よく聞けよ」

「なんだべ。ルンルンさん?」

「このペチャガールは、俺と魔王の嫁。ゆえに手を出したら……」

「嫁だっぺか!? 魔王さまも血迷っただか」

嫁とかいうな。
私は全面的に一弓くんの味方だ。
乙女として、たとえ男の子だろうと乙女な彼を応援しないわけにはいかない。

いや、それ以上に魔王にのしを付けて差し上げたいと強く言いたい。

もちろん、ルンルンとフリチンも一緒に付けてだ。
そう思っていると、私の遙か上空から唇を奪わんがばかりに人が落ちてくる。
雲を突き抜け、一直線に。
唇を突き出し。

「ふははは。フリチンさま、ご登場!」

私は咄嗟に避ける。乙女の純潔を護るように。
むちゅ~と突き出されたフリチンの唇が、足元のアスファルトを捕らえる。
その手は喰わないわよ。

「おっ。おめぇさんは、バス権二位のフリチンさまではねぇが!」

「フッ。この俺を知っている君はなにものだ?」

「オラは一弓っていうモノだ」

「一弓?」

「そうだっぺ。フリチンさま、以後、よろしく、お見知りおきをだっぺ」

「一弓って、まさか、あの一弓か!」

って。
フリチン、私の後ろに隠れて、言うの止めてくれない?
そう。フリチンは一弓くんのなにを恐れたのか知らないが、私の後ろに隠れている。

ブルブルと震えながら。

なに。
フリチン、こんなに可愛い子のなにを恐れてるの?
魔界の実質の支配者である魔王すらも恐れない、あんたがさ。

一弓くんは黙ってニコニコと笑っていた。

~ 其の八、一弓さん、了。

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【 彗星な男 】

僕は後世に名前を残そうと思った。
一番、手っ取り早いのは、彗星を発見する事だ。
しかし、手っ取り早いと言っても、それは、それなりの苦労がある。

僕の人生の四半世紀は、ジッと夜空を見上げる事に使われた。

そして遂に。
遂に、僕は彗星を発見した。
胸が高鳴る。僕は、この日をいつも、いつも、夢見ていたのだから。

でも、あの彗星は他の人は発見していないよな。

そんなオチではない。
僕の発見した彗星は、僕が第一発見者だ。
そして、その彗星には僕の名前が付けられる事となった。

彗星の名を山田太朗彗星。

くわっ。

彗星な男、了。

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【 愛羅武、魔王、~ 其の七、フリチン 】

「あ……あの。轟くん?」

私は、今、自分の教室で、ホームルームを受けている。
委員長である轟くんが教壇に立っている。
轟くんは……。

今朝、魔王のビームでビーフが焼け焦げ、この世から消失(ロスト)したはずだ。

その轟くんが勇壮に腕を組んで、ふんぞり返って教壇に立っている。
彼が無事だったのは喜ばしい事なんだけど。
なにかが、おかしい。

「邑上くん。どうかしたのかい。顔色が悪いようだけど?」

轟くんは、青ぶちの眼鏡をかけている。
確か、今朝までの轟くんは赤ぶちの眼鏡をかけていたような気が……。
とにかく、その眼鏡を人差し指で、位置を直すようにあげ、うつむき加減で言う。
ていうか!

轟くんは、堅物の地味ボーイだったはずでしょうがァ!

それが今の轟くんは、さらさらの茶髪、ロン毛。
そして、青い眼鏡が、また知的な彼の魅力を増すようにキラリと光っている。
背格好も、今朝までの轟くんとは、まるで違う。違いすぎる。
すらりとしたマッチョ。

今、教壇に立つ彼は、さながら、どこかの国の指導者(リーダー)。

美少年。
とにかく格好いい。格好良すぎる。
今朝までの彼は真面目だけが取り柄で面白味がない人物だった。
が、今の彼は……。

魔王に燃やされた彼に、一体、なにがあったの?

おほっ。
私の親友、里美がうっとりとしてる。
彼の演説に聞き惚れ、そして、酔っているのだろう。

「……鮎菜。今日の轟くん、なんか、いつもと違うよね。頼もしいというか」

いつもと違う?
いや、いつもと違いすぎるのよ。
地味ボーイだった轟くんが、あんなに格好いいわけがない。

アレは轟くんではないと敢えて断言したい。

「轟くん。ちょっと!」

私は自分の席を投げ出すように立ち上がり、轟くんの腕を抱えて外へと誘った。
ホームルームの最中だが、そんな事を言っている場合ではない。
きっと魔王が関係した、なにかが起こっている。
杞憂であって欲しい。

「どうしたんだい。邑上くん?」

「ハァ、ハァ、ハァ。轟くん。こんな事、聞くのはおかしいんだけど……」

「うん?」

「あなた。本物の轟くんなの? 格好良すぎるんだけど」

「フッ。なにかと思えば、そんな事かい」

偽(?)轟くんが、眼鏡を光らせ艶やかな茶髪をかき上げつつ、答える。
それが、またさまになっていて、憎らしいほどに格好いい。
私は確信した。

コイツ、やっぱり偽物だと。

「やっぱり、そうなんでしょう。あなたは魔王関連の……」

「フッ。魔王? あんなヤツ、俺の敵ではない」

やっと尻尾をだした。
魔王の話を振っても、不思議に思うどころか、敵ではないと言ったのだ。
魔王と、どんな関係なのか知らないけど、彼は魔王関係なんだ。

よかった。

ホームルームを中断しても、この馬鹿を連れ出して。

もし、ホームルームを続けていたら。
一体、なにが起こるのか、予測する事すら身震いがして、怖い。
轟くんが消えたようにだ。

「本物の轟くんは、今、どこにいるの?」

「フッ。少女よ。安心しろ。ヤツは今、魔界で修行中だ」

魔界で修業?
轟くんが無事だったのは良かった。
けど、轟くん、ゴメンね。こんな私の事情に巻き込んじゃって。

「フッ。案ずるな。少女よ。彼は、きっと立派な魔神となって帰ってくるだろう」

魔神にするな!
彼には、彼の人生があって、きっと魔神になんかにはなりたくないわよ。
ま、今、私が轟くんの事を言っても、なんともならないけど。
というか、あんた、なにもの?

「あんた。なにもの?」

「少女よ。その前に言いたい事がある。いいか?」

なんだか、コイツ、いちいち偉そうなのが鼻にかかるけど、今は聞くしかない。
魔王関係の人脈なんて、拡げたくもないけど。
で、なにが言いたいの?

「魔界にはバスト目測選手権というものがある。略称、バス権だ」

はぁいぃ?
バスト目測選手権ですか?

「実の所、バス権は魔界では権威ある選手権なのだ」

と。
偽(?)轟くんの眼鏡が妖しく光り、彼の口元から白い歯がのぞく。
刹那。彼は眼鏡を人差し指で押さえ、つぶやく。

「Aカップ。バストとアンダーバストの差が10.75センチの美乳と見た!」

いや。
美乳じゃないし。
自分でいうのもなんだけど貧乳だし。

とりあえず、アホな事を言う、この馬鹿者を殴っておく。

そのあと私は頭に大きなコブを作って、そこから煙が立ち上る偽轟くんに告げる。
そのバスト目測選手権が、どうかしたのかと。
普通に疑問に思ったから。

「バスト目測選手権が、一体、なんだっていうのよ」

「フッ。少女よ。分からんか。すなわち俺と魔王はバス権のライバルだったわけだ」

「ライバル?」

「そうだ。この俺は二位に甘んじ、ヤツは堂々たる一位だったのだ」

「それが、どうしたっていうのよ?」

「少女よ。分からんか?」

「?」

この馬鹿者は、なにが言いたいの?
魔王とあんたが、そのバスト目測選手権のライバルだという事は分かった。
けど。だから?

「つまり、俺の永遠のライバル、魔王が惚れ込んだバスト。それがお前なのだ!」

ゲッ。
そういう事か。
自分を凌ぐ人物が、惚れ込んだバスト。それが私。

「フッ。少女よ。俺は、魔王に敗北感を植え付ける為に魔界から赴いたのだ」

ちょっと待てい。頭が痛い。
なんだか、またアホが一人、増えそうな予感がするんですけど。
本当に待って。

「クッ。間に合わなかった。遅かったか!」

この声は……。魔王?

「ヘイ! ユー! ガッテム!」

ルンルン!?

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、鮎菜。大丈夫か。俺が来たからには安心しろッ!」

って、なにかのヒーローもののお話のような台詞と展開、やめいッ!
余計に頭が痛くなるから。
お願い。

「フリチン! テメェ、鮎菜を襲いやがって!」

フリチン?
なに彼って、フリチンって名前なの?
ねぇ。思いっきり、つっこんでもいいかな。フリチンってなによ。

「魔王よ。この少女はもらった。フリチンさまがな」

フリチンがアゴを突き出し、見下すような視線を魔王とルンルンに送り、告げる。
まるで勝利を確信した根性のひん曲がったインテリのように。
でも、彼はフリチン。

どんなに格好をつけてもフリチンなのだ。

「バス権一位のお前が惚れた少女を、このフリチンさまがもらう。借りは返したぞ」

いや。フリチン。
あんたのモノになった覚えないし。
確かに容姿は格好いいけど、その名前と性格をなんとかしなさい。

話は、それからよ。

私は、とりあえず三人とも殴って、教室に戻った。
言っても無駄だから終始無言で。

三人の頭には大きなコブができて、そこから灰色の煙が立ち上っていた。

さ。
ホームルーム、ホームルーム。
なにが悲しゅうて、こんなアホどもの相手をしなくちゃならないわけなのさ。

私は理不尽な神を呪って、自分の席についた。

「ちなみに俺はバス権、三位だ」

とルンルンが言った。
教室の中にいた私には、聞こえなかった。
いや、聞こえたとしても、決して、考えたくもない事だったけど。

~ 其の七、フリチン、了。

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【 流行の兆し 】

インフルエンザが流行っている。
僕は、何ヶ月も前からインフルエンザにかからぬよう、細心の注意を払った。
ぬかりはない。

まず体力をつけて、抵抗力を高めた。
次に人ごみを避けて病原体であるウイルスを寄せ付けないようにした。
更に念には念を入れて、自分の部屋は適度な湿度を保った。

もちろん言うまでもなく、家に帰ったら手洗いとうがいは欠かさなかった。

マスクも着用した。
しかし……。

なんだか喉が痛く、鼻水も出てくる。

インフルエンザの予防接種だって、きちんと受けていた、この僕が。
熱も出てきて、頭が痛くなったところで、僕の心は折れた。
インフルエンザにかかったのだ。

あれだけ、注意してのに。

僕は、あきらめて病院に行く事にした。
とほほだね。僕の努力は。
しかし……。

「あー。君、ズバリ、インフルエンザじゃないよ」

「!」

「末期の喉頭癌だから。もう転移しまくりの。末期も、末期。ど末期の。くりくり」

くわっ。

流行の兆し、了。

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【 悪魔の札束と俺 】

財布を拾った。
中には札束が入っているのか、もっさりと重かった。
俺は、ニンマリとほくそ笑む。

もし……もし、あり得ないほどの札束が入っていたら、警察に届けるつもりだ。
謝礼だけでも、かなりの額になるし、そっちの方がリスクがない。
札束の入った財布なんて、必死で探しているだろうし。
額が大きければ怖い。

でも逆に額が少なかったら。

俺の中の悪魔が耳元で、俺に囁きかける。
そう。ねこばばしろと。
うふふ。

悪魔に言われるまでもなく、俺はそのつもりでいる。

問題は額なのだ。

さて。
では、財布の中身を確認しよう。
俺は喜び勇んで、財布をゆっくりと開けた。

……ハズレ。

と書かれた紙が束になって、財布につっこまれていた。
なにそれ。本当になにそれ。
あり?

くわっ。

悪魔の札束と俺、了。

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【 愛羅武、魔王、~ 其の六、ニート野郎 】

…―-朝、七時半。
スズメたちが騒がしく鳴いて、今日もいい天気だと告げている。
ちょっと風は強いが、晴れ渡って気持ちのいい朝だ。

私は、起きてすぐに深呼吸をする。

うん。

今日も元気だ!

そして学校にいく準備をする。
カバンは持ったし、お気に入りのチェックのマフラーも首に巻いた。
準備万端。

「鮎菜。お前、今から学校に行くのか?」

「そうよ。魔王、言っておくけど、付いてきたら絶交だから」

「だから悲しい事を言うなよ」

「絶対にダメ!」

「フッ。ペチャガール。僕だったらいいのかい?」

私が、魔王と話をしているとルンルンが、サッと会話に割り込んできた。
せっかくの爽やかな朝が、一気に曇る。
馬鹿者たちと話していると。

「いいわけないでしょ。あんたらは、黙って家で待ってなさい」

「オー、マィ、ガッ!」

冗談じゃない。
魔王とルンルンの二人とは、早く縁を切りたいとずっと思っているのに。
学校にまで付いてこられたら、それこそ本当に安住の地がない。
私は、彼らにそう言い残し、登校した。

今日は、スッキリと晴れていて、とっても気分がいい。
あの二人の事も忘れて。
おっ。

「鮎菜。おはよっ」

通学路で、親友の里美(さとみ)と会った。
里美とは小学生の時からの友達で、なんでも話し合える親友だ。
しかし……。

私はその大親友にすら、魔王の事を話してない。

大体、魔王が存在する事自体、信じられない事なのだから当然といえば当然だ。
里美に魔王の事を話しても、信じてもらえないのが関の山だ。
私が里美の立場だったら、そう思う。

「ていうか鮎菜?」

「なに?」

「不審な人物が二名ほど、鮎菜の後ろをつけているんだけど……」

グッハッ!
頭に迷彩柄のヘルメットを被り、木の枝をつけた、いかにも怪しいヤツらが。
それで隠れているのかとつっこみたくなるようなヤツらが。
コソコソと私のあとをつけてきている。

もちろん、魔王とルンルン。

絶交だって言ったのに。
いや、逆に考えれば、絶交になれば……。
そう。魔王やルンルンに悩まされる日常ともおさらばできるかもしれない。

「なに? あの二人?」

「あははは。里美。今日は我慢して。きっと明日からは。ねっ?」

と私は、お茶を濁すように里美に答えた。
帰ったら絶交宣言するわ。
待ってなさい!

「おっ。邑上くん。おはよっ」

今度は、同じクラスの委員長、轟(とどろき)くんが、挨拶してきた。
別に仲は良くないのだが、彼は委員長だから。
軽い気持ちで挨拶したのだろう。

≪ピィーッ≫

轟くんが、挨拶した瞬間。
目が眩まんばかりの閃光が、私の頬をかすめ、轟くんを捕らえた。
ジュッとビーフが焼ける臭いがして、轟くんが消えた。
魔王の目からビームが発射されたのだ。

そう。

そして挨拶をした轟くんが消えてしまったのだ。

轟くぅぅぅんぅぅ!

「ルンルン、邪魔者は排除した」

「グッジョブ。魔王」

魔王とルンルンが、ひそひそ声で会話をしている。
彼らの会話が、私に聞こえていないとでも思っているのだろうか。
今、たった今。

絶交宣言をしないとまずい。

帰ってからなんて、甘い事を言っていたら、次から次へと犠牲者が増えるわ。
現に魔王の目はギラギラと次の獲物を狙っていた。
私は無言で二人へと近づく。

「魔王、ルンルン!」

「魔王? 魔王って、一体、誰の事ですかな? お嬢さん」

「吾輩はルンルンではないアル。通りすがりの中国人アルよ。ヨロシ?」

里美が、心配そうに私を見つめている。
里美。大丈夫。心配しないで。
大丈夫。

「二人とも、いい加減にしないと絶交するわよ。いいの?」

両足をしっかりと地面に付け、毅然と言い放った。
轟くんは残念な事になったけど、これ以上、犠牲者を増やすわけにはいかない。
魔王は答える。

「だから、二人というのは、魔王とルンルンの事ですかな。お嬢さん?」

「飽くまでシラを切り通すつもり? 魔王」

「ヘイ! ペチャガール。僕らの素性を隠しても無駄なようだね」

「馬鹿! ルンルン」

ていうか。
魔王、お前、真面目にバレてないと思ってるの。
私は、そこまで馬鹿じゃないわよ?

「フッ。仕方がないな。鮎菜よ。確かに俺は魔王だ。魔界の支配者の魔王だ」

里美の顔がサッと青ざめる。
多分、魔王が怖いとかいった感情で、青ざめたのではないと思う。
白昼堂々と自分は魔王だと言い放つ人間が現われた事に青ざめたのだろうと思う。
普通だと思う。

「そして、僕はペチャ同盟の盟友、ルンルン」

ルンルンは右腕を後ろにそり上げ、左手を顔の前で広げてみせて言う。
それ、格好つけてるつもりなの?
滑稽なんだけど。

そのポージングを見て、里美の顔色は更に青ざめる。

それは、そうだろう。
冬の寒い晴れた朝に現われたとんでもない二人のアホに唖然としているのだろう。
スズメたちは、無情にも何事もなかったよう鳴き続けている。

「帰って!」

「鮎菜。本当に悲しい事を言うなよ。地球、滅ぼしちゃうよ。いいの?」

「本当に絶交するわよ。帰りなさい!」

「そっか。分かった。帰るよ。……そういう事だ。ルンルン」

魔王は肩を落とし、残念そうに私を見つめる。
ルンルンも目に涙を浮かべ、口惜しそうに私を見つめる。
帰れ!

「仕方がない。帰る。ただし、これだけは言っておこう。ペチャガール!」

なによ。
今更、私になにか言う事なんてあるの?
轟くんは帰ってこないのよ?

「君は僕らが守る。どんな強敵が現われようともな。オッケー?」

守る?
守るどころか、迷惑なのよ。分かってよ。このアホ。
帰らぬ人となった轟くんを返してよ。

「ゆくぞ。魔王」

ルンルンは、右手をひらひらと広げて抱え上げて、背中を向ける。
いちいち格好をつけないと気が済まないらしい。
それがまた滑稽なのだが。

「おう。そうだな。ルンルン。絶交されたらかなわんしな」

魔王も、それに続く。
ちょっと疑問に思ったんだけど、魔王って魔界の支配者なんだよね。
それを従えるルンルンって一体、なにもの?
ただのニートだとは思えない。

「ルンルン。君って、なにものなの?」

「フッ。この僕が、なにものかだと? ただのペチャ同盟の盟友だ」

背中を向けたままルンルンが影を背負って答えた。
もしかしたら、本当に想い出の彼は……。
いや、絶対に違う。

あんなニート野郎が、私の想い人なんかじゃない。断言できる。

いや。
そうであって欲しくないと思っただけなのかもしれない。
里美は、まったく意味が分からないという顔をして、心配そうに私を見つめた。

ゴメンね。

里美。

でも、説明しても、きっと理解できないから。
魔王なんて普通に考えたらあり得ない話だし、ルンルンは謎の人物だし。
本当にゴメン。

私は、やっと終息した事件に胸をなで下ろし、親友に謝った。

「フッ。……と思うのが甘いのだよ。ペチャガール!」

去り際にルンルンが言った。
私には決して聞こえないくらいの小さい声で。
そして、魔王もルンルンの言葉に小さくうなずいたような気がした。

スズメたちは、関しないよう、あるがままに鳴き続けていた。

~ 其の六、ニート野郎、了。

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【 悪魔ちゃんと天使くん、~ その三十八、愛と知恵 】

サドクの思いつき。
サドクが、アカシックレコードで、絵柄を確認する時点をロキが書き換える。
確かに、その二点だけを書き換えれば。

しかし、これは、まったくの思い違いであった。
それは労力を使いすぎるのだ。

この短いギャンブルの間に書き換えるだけの労力は生み出せない。

ロキが書き換えたのは、そこではない。

この事実に気づかなければ、サドクと涅槃はロキに負けるであろう。
そして、勝負の結果は、アカシックレコードで見たように絶望を迎える事となる。
果たして彼らは気づくのだろうか。

ロキが、一体、どの時点を書き換え、彼らを混乱させているのか。

いや、結局のところ、彼らは、まったく気づいていない。
ある一点だけを書き換えれば、二人を混乱のどん底に突き落とす事ができるのだ。
まるで今の彼らのように。

しかも、それはすり替えなどのイカサマを使う必要もない。

つまり、ロキはなんの危険を冒さずに勝ちだけ、拾いにいっているのだ。
まず、その事実に気づく必要がある。
ゆえに彼は不敗なのか。
そう思えた。

「さ。お前らのターンだぜ。カードを置きな」

ロキが、少々、強い口調で言うと涅槃は、また小さな声でサドクに告げる。
彼女は、このゲームの最大の落とし穴を知っていたのだ。
そう。このゲームには落とし穴がある。

「君がカードを選ぶ時に無くなったカードを確認しておいて」

「無くなったカード?」

「そうよ。あのトランプは普通のトランプ」

「だな」

「つまり、一通り揃っているのよ。そこから無くなったカードが……」

「そうか。それが親が伏せて置いたカードというわけか」

「そうよ。決して油断しないで」

そうなのだ。
実は、子がカードを選ぶ時、親が置いた伏せカードを確認する事ができるのだ。
一通り、揃っているカードから無くなったカードが、それだ。
ゆえに親が置くカードに意味はない。

つまり、このギャンブルではフェイクでしかないのだ。

ロキが、一体、どこを書き換えてくるのか、それを眩ます為のフェイク。

彼が、また笑ったような気がした。
まるで彼女の思考など、表情から、すべてお見通しだと。
ゆえに、こんな穴だらけのギャンブルに興じているのかもしれない。

彼自身が、絶対的に不利であるギャンブルに。

「涅槃。伏せカードが分かったぜ」

サドクは、ササッとなにもなかったように無くなったカードを確認した。
そして、小さな声で、ひそひそと涅槃に報告する。
答えを聞いて、うなずく彼女。

伏せてあるカードは、クローバーのキング。

しかし、このカードに意味はない。
たとえクローバであろうとも、ハートなどを置いて、ゼロ以下にすればいい。
クローバー以外の絵柄で、十三以下を目指せば、それで問題はない。

「クククッ」

ロキが、不敵に笑う。
その笑いは、すべてを見抜き、そして突き刺すような笑みだった。
涅槃は、突き刺すような視線を退け、彼を見据える。

「グット。なかなかいい表情だぜ」

彼が、また中指と親指をすり合わせパチンと音を立てる。
彼は彼女の中になにかを見いだしたようだ。
そして言葉を続ける。

「もし、その表情のまま、この勝負を終える事ができれば……あるいは。クククッ」

ロキは、なにが言いたいのだろう。
いや、これすらも彼特有の心理的な駆け引きなのかもしれない。
涅槃は、より一層、慎重に慎重を重ね、考えた。
どうしても勝ちたいと。

実は、今、奇跡は起ころうとしていた。

そう。
涅槃は全開以上に回復していたし、サドクは、ここまでよく耐え忍んだ。
しかし、一体、ロキがどの時点を書き換えたのか。

その事実を突き止めねば、起こらぬ奇跡でもあったのだが。

絶対に負けない。
涅槃は、思考をまとめる作業に入った。
今、彼らが得た確実な情報は、伏せカードがクローバーのキングだという事だけ。
あとはアカシックレコードで確認した情報だから頼りがない。

ロキは書き換えているからだ。

涅槃がロキであれば、この絶対的な不利な状況で、どうやって勝つかを考えた。
クローバー以外の絵柄ではないと確定すれば子は勝てる。
しかも相手は、エースの絵柄を探ってくる。

絵柄を誤魔化すように未来を書き換えれば、勝負の結果まで違ってくる。

それは運命の定理から考えれば、多大な労力を使う。
この短い勝負の中では、まず無理だろう。
そこを書き換える事は。

では、一体、どこを書き換えれば、この短い勝負の中でも書き換え可能なのか。

彼女の思考は、最高速を記録し、次々と計算を練り上げてゆく。
ロキは確実に書き換えているのだ。
勝負の結果を見る限り。

勝負の結果は、彼らの負け。そして肩を落としていた。

絶対に、ロキは、どこか彼女らが見落としている時点を書き換えたのだ。
そして、この勝負に終止符を打ったのだ。
結局、ロキは不敗を守り。

一体、どこなの?

涅槃のレッドゾーンを振り切るような思考スピードで考えても分からない。
彼女が黙って次の手を考えている中、サドクがつぶやいた。
もしかしたらと。

そう。
サドク。……彼が一度、アカシックレコードを書き換えた地点を思い出したのだ。
あのスカイツリー制圧作戦で書き換えた地点を。

少々、思い出して欲しい。
あの時、彼は労働者の夢を書き換え、スカイツリーの危機を救った。
そうなのだ。

そう。結果を書き換えれば、労力を使わずに済む。

つまり、今回のこの勝負でいえば……。

「涅槃。もしかしたら、俺が見た、この勝負の結果ってのは、ウソかもしれねぇぞ」

「!」

そうか。
勝負の結果を書き換えれば、心理的に大きな揺さぶりとなる。
自分たちは負けると刷り込まれるのだから。

そして、思考が絡まり、自ずと自滅へと導かれるのだ。

しかも自滅すれば、それは運命の女神ノルニルにも受け入れられ、真実となる。
つまり書き換えた事実すら真実となるのだ。
労力、云々の話ではない。

それが真実なのだから、書き換えた事にもならないのだ。

やっと謎が解けた。
彼女は、そう思うと小さくガッツポーズをした。
サドクの愛(サポート)と、涅槃の知恵が、初めてロキを上回った瞬間だった。

遂に。
遂にロキの不敗伝説に傷をつけたのだ。
今は、まだ小さく、見失いそうな軽い傷であったが、確かに。

「グット。面白い。俺が負ける可能性がある相手がいた事に心から感謝するぜ」

ロキが小さな声で言った。

~ その三十八、愛と知恵、了。

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【 愛羅武、魔王、~ 其の五、ちょこっとラブ 】

ふぅ。やっと、家に到着。

母に頼まれたモノをキッチンのテーブルに置き、自分の部屋に帰った。
今日はルンルンという馬鹿者に二回も会ったから疲れた。

うん?

魔王と母は、なにか話しているようだ。

私は、さっさと自分の部屋へと帰ってベットに飛び込んだ。

もう嫌。
どっと出た疲れが私を襲う。
なんで、ちょっと買い物にでただけで、こんなに疲れるわけなのさ。

それも、これも、魔王とルンルンのせいだ。

でも……。
顔だけで考えれば、ルンルンは私の理想そのものなんだよね。
人間は顔じゃないと思うけど、あのルックスは……。

私にとっては反則だ。

いや、ダメだ。
私には想い出の彼がいて、彼一筋なのだ。
ルンルンなどという馬鹿者に浮気をするわけにはいかない。

自分で自分に男は顔じゃないと言い聞かせる。

やっぱり、想い出の彼のように優しくて頼りがいがあって。うん。そうだ。
あんな馬鹿者の事は綺麗さっぱり忘れよう。
それがいいわ。

と思っていると魔王が、私の部屋の扉を開いて、部屋に入ってくる。

さも当然といった顔で。

おい。おい。
乙女の部屋にノックもなしで、なに進入してるわけ?
私は、魔王をするどい目つきで睨み付ける。
しかし、そこで絶句した。

そこには……。

「鮎菜。今日から俺の部屋に居候する事になった。ルンルンだ」

ルンルンがいたのだ。
魔王の背後で、彼が恭しく、お辞儀をしている。
というか、ルンルン、君、神出鬼没すぎるんだけど、どうなってらっしゃるの?

その前に親は!

私の親に許しをもらったの?

魔王は、また当たり前という顔をして、笑っている。
さっき魔王が母と話をしていたのは、もしかして、ルンルンの事?
また説得という名の脅迫をして。

「出てけッ!」

「いやな。ルンルンは同盟の盟友だから、当然の流れだ」

同盟ってアレね。
ペチャがどうのこうのとかいうアレでしょ。
一応、ハッキリと言っていないので、殴るのは勘弁してあげる。

そんな事より、ルンルンも一緒に住むのかと思った。

これから先、私に安住の地はないのかと。
魔王とルンルンが、私の家に同居するとは、すなわち、そういう意味なのだ。
私は、どこにでもいる、まったく普通の女子高生なのに。

「ヘーイ! ペチャガール!」

ルンルンが、るんるん気分で、私を指さしつつ格好をつけている。
私と私の家に同居できるのが、嬉しいのだろう。
かなりムカツク。

それにペチャガールって、ぶっ殺すわよ?

「僕は、予言もできるのさ。ペチャガール、君の未来を予言してあげよう」

「結構です。間に合ってます。自分の部屋に帰ってちょうだい」

もう同居を拒むのは止めた。
だって、母親も魔王の脅迫に恭順したわけでしょ。
実の娘の貞操の危機だというのに。ま、でも地球を滅ぼせる魔王にすごまれたら。
しかたないのかな。

いや、まったくもって納得できないんですけど。

納得できないけど、少しでも被害を小さくするしかないわけで。
今、乙女の部屋に侵入してきたルンルンたちを追い出すのが先決わけなのさ。
ノックもなしに侵入してきた不埒者たちを。

「出てけッ!」

「だが、そうもいかないんだな。ペチャガール!」

それともアレか?
魔王とルンルンをまとめて墓送りにしてしまうか。
ルンルンは、どうか知らないが、魔王だったら私に弱いからできる。

「だから聞く事! ペチャガール!」

だから、ルンルン、ペチャ、ペチャ、言うな!
ゆえに聞く耳、一切、なし。
退場。

「予言。ユーは、明日、この僕にチョコをくれる。これは決定事項だ」

チョコ? なんの話?

「いいだろう? 魔王。お前も欲しいだろ? チョコ?」

「クッ。確かにお前は予言ができる能力があるからな。お前にチョコがいくのか?」

いや。
チョコって、本当になんの話?
今は、一月の十四日だけど、明日はチョコに関係する日だったかしら。

そう思っていると一瞬、魔王の姿がゆらゆらと揺らいだ。

「ふははは。今、神界に行って神に聞いてきた。お前はチョコをもらえるのかとな」

えっ?
本当になんの話?
神界なんてあるの。神って一体、誰の事?

「ちょこっとなだってよ」

だから、なんの話よ。
バレンタインディーには、まだ一ヶ月近くあるし。
なんで私が、明日、ルンルンにチョコをあげなくちゃならないわけ?

「フッ。僕の美貌は眩しいくらいに罪だな。だろ?」

「いや。だから明日がたとえバレンタインディーだとしてもあげませんから」

「僕の予言は絶対だ。だろ? 魔王?」

「だな。悔しいが、今回は俺の負けだ。ルンルンにその座を渡そうぞ」

「勝手に話を進めるな!」

「フッ。僕の美貌の前では女神すら屈服する。ああ。罪なり」

罪なりじゃないわよ。
チョコなんて絶対にあげないから。
なに陶酔してんの。このアホ。頭の中を覗きたいわ。

「ルンルン。お前の予言は絶対だ。……だがな」

魔王が、ゆっくりと間をおいて言う。
ルンルン、お前はとても大事な事を忘れていると言わぬがばかりに。
というか。

魔王がルンルンに言いたい事は、なんとなく分かる。

「ルンルン。この世界では、明日はバレンタインディーではないのだぁ。ふははは」

だよね。
当たり前の事だけど。
どこかの世界のどこかの誰はバレンタインディーかもしれないけど。

「チョコ? ちょこっとな」

と、どこかの世界の誰かの声が聞こえたような気がした。
その神界とやらの神という事にしておこう。
ルンルンはというと。

「ガーン! マジか? 明日はバレンタインディーではなかったのか?」

「おおう。ルンルン。そのマジだ。明日はただの平日だ」

魔王が、勝ち誇ったように答えた。
ルンルンは灰になった。
真っ白な。

そんなに大事か?

チョコが。

「ちょこっとな。しつこいって。では」

また、どこかの世界の誰かの声が聞こえたような気がした。
でも、つまらないギャグを何回も。
しつこいっての。

ま、自分でも自覚しているようだけど。

そんなわけで、魔王とルンルン、そして私の日常は続いていく。
いつまで続くのか。それは分からないが。
相変わらずに。

「ノー。明日はバレンタインディーだろ。みんな。そうだろ? ヘイ! ユー!!」

やれやれ。
本当に死んで欲しいわ。
このルンルンとかいうアホと魔王には。

「ふははは。俺、魔王。チョコ? ちょこっと欲しいな。じゃぁな!」

死ね。

~ 其の五、ちょこっとラブ、了。

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【 有意義な犠牲 】

俺の愛称はモンキチ。

これは信じられない事なのだが、俺は今、拉致監禁されている。
どこに拉致監禁されているのか、それは分からない。
ずっと考えているが答えがでない。

外にいた時の記憶も曖昧で、俺自身、一体、どこに住んでいたのかも不明だ。

とにかく俺は拉致監禁されていて、鉄の檻に閉じ込められている。

鉄格子のはめられた窓を見上げる。
見える景色は、ただ一つ。重たそうな鈍色をした銀色の雲。
晴れた日は、もちろん綺麗なブルーな空が見える。

今日は曇りのようだ。

まるで俺の憂鬱な心を映すような重苦しい雲が空一面、広がっている。

空一面と言っても、ここから見える空は限られているのだが。
ここは三方をコンクリートに囲まれ、残り、一面は、鉄格子がはめてある。
なぜ俺は、拉致監禁されたのだろう。

俺は、要人でもなんでもない。

普通。

とにかく定時になると飯が運ばれてくる。
そして、飲み水も与えられる。

だから飢える事はないのだが、とにかく、ここは気が狂いそうに狭い場所なのだ。

時々、見る人間は、死人のように感情を排したヤツ。
俺の飯を運んでくる役を担っている。
会話も交わさない。

アイツは死んでいるのではと思ってしまうほど無表情なヤツ。

俺は一生、この檻の中で過すのだろうか。
そう考えると、どうにも生きる気が失せてきて、飯も喉を通らない。
俺を知っているヤツの誰かが、俺を助けにきてくれるか。

それすらも分からない。

大体、俺はこの檻の外にいた記憶が曖昧になってしまったのだ。
やっぱり、俺は一生、この檻の中で過すのだろう。
そう思えて仕方がない。

もう、助けを望む心すら消えていた。

*****

「モンキチの様子どうだ?」

「モンキチ? ああ。あの実験体のチンパンジーの事か?」

「モンキチのヤツ、なにか、いつも物憂げに考えているような感じがするんだが」

「検体に情を移すな。しょせん検体だ」

「そうか」

「そうだ。モンキチなんて名前、忘れろ。ヤツは、検体No.A-15だ」

「了解。これは人類の科学進歩の為の有意義な犠牲だからな」

有意義な犠牲、了。

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【 なぞなぞなぞかけ、その二十三 】

花札のボウズとかけて、麻雀の八連荘と解く。
その心は?

どちらもツキです。

なぞなぞなぞかけ、その二十三、了。

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【 近い未来のお話 】

よっしゃ!
苦労はしたが、免許もとったし、車も買った。
ずっと、ずっと念願だったドライブデートができる条件が整ったんだぜ。

もちろん車は最新の車種。

免許をとる前から目を付けていた車。
真っ赤なスポーツカーだ。
ツーシータ―の。

なにせ車好きの俺だから無理をしてでも欲しかった車だ。

血の滲む思いで、バイトに勤しみお金を貯めて、ちょっとキツメの月賦で買った。
だからこそのドライブデートなのだ。
どれだけ夢見た事か。

車のインテリアもお洒落で、最新カーナビを装備している。
そういえば最近のカーナビは会話ができるらしい。
ワクワクだな。

ちょっと実験してみよう。

「よう。カーナビよ。腹が減ったんだが、この近くに牛丼やはないか?」

「お腹がお空きですか。ここから近い牛丼やは、三件です」

ちょっと意地悪をして会話能力を試してみよう。
どういう反応をするのだ。
楽しみだ。

「本当に近いのか?」

「はい。本当に近いですよ。だいたい車で五分くらいです」

うほっ。
確かに、ここから五分圏内には三件の牛丼やがある。
俺の地元だから、よく分かる。

この車、このカーナビを彼女が見たら、きっと俺を見なおすに違いない。

よし。
準備は万端だ。
あとは彼女に電話して、ドライブデートに誘うだけだ。

*****

「よう。浮かない顔をしてどうした。念願のドライブデートどうだったんだよ?」

「……カーナビが」

「カーナビがどうかしたのかよ?」

「いや。彼女とカーナビの会話が、信じられないほど盛り上がっちゃってよ」

「?」

「私、このカーナビと付き合いますだってさ。もうヤダ」

近い未来のお話、了。

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【 信じるマン、第三十話、押忍 】

俺は、相変わらず、もっこりフランスパンと戦う日々が続く。
その度に、もっこりフランスパンを沈める為に難しい本を読みまくった。
始めは意味が分からなかった。
しかし……。

これだけ難しい本を読みまくると逆に面白くなってきた。

そう。
もっこりフランスパンは、意外や意外。俺を賢くしてしまったのだ。
必要ない知識も増えたが、結構、役に立つ事も覚えた。

いわば、猿が人間に進化したわけだ。

自分で猿っていうのも、なんだが、そう思ってしまうほど賢くなったのだ。
今や、クローンを創れるほどに俺は進化した。
クローンは作らないが。

な?

誰かさん。

「ホワチャー! とう! イヤァー!」

ちくしょう。
この自己中女、聞けよ!
キム・キムは、相変わらず、グリーン候補生を鍛えている。

もちろん彼らから銭をふんだくってな。

この悪魔!

しかし賢くなって気づいたのだが、それだけでは、ここは運営できない。
そう。温泉まで完備したヒーロー製作研究所をだ。
ついでに言ってしまえば。

不要な筋トレマシーンまであるからな。

ここには。

一体、どんな裏技を使って、ヒーロー製作研究所を運営しているのだ。
この自称中国人の自己中、キレキレ女は。
さっぱり分からない。

いや、むしろ無知だった頃に比べて、それがよく分かる。

絶対に運営する為の資金がないという事がだ。

俺が、いぶかしげな顔をして、キム・キムを眺めていると、ブルーが言った。
それは、とんでもない事で、下手をすれば犯罪に繋がる事をだ。
キム・キムはなにをしていたのか。

「レッドしゃん。あのグリーン候補生は資産家の息子なんでちゅよ」

なにを?
資産家の息子がいる?
つまり、なんですか。アレのそれで、アレですか?

いくら賢くなったと言っても、しょせんは俺は、俺にすぎない。

詰るとテンパるところは治っていない。
怪人27号は、ゆっくりとお茶をすすりつつ、続ける。
とても信じられない事を。

「ま、ガキでしゅから、家のカネをくすねて持ってこさせてるんでしゅ」

ていうか。
ガキって怪人27号、お前、赤ちゃんだから。
って、俺、テンパってるな。つっこむところ、そこじゃないから。

「ざっと見積もって、今までで、三十億ってところだな」

サッとイエローが差し込む。
イエロー、頼むから冷静に計算しないで欲しい。
三十億って、あり得ないお金だから。俺、庶民だから。頭が痛い。

っていうか。

三十億って、くすねるレベルちゃうから。

俺の義侠心に火がつく。
やっぱり、最終最後の悪は、キム・キムしかいないと。
俺は、なにも考えずに信じるマンに変身して、キム・キムを倒そうと考えた。

「アイヤー! みんな注目アル。これが我がカンフーの最終形態アル!」

突如、キム・キムが叫ぶ。
途端、カンフーの鍛錬を積んでいたグリーン候補生たちが注目する。
えっ?

「あ……あの。どうもです」

ちゃう!
俺、なに、みんなに挨拶してんの!
そんな事は、どうでも良くて、それより巨悪を倒さないといけないんだ。今は。

「みんな練習すれば、いつか彼のようになれるアル。ヨロシ?」

「いや、その。はい。……みんな頑張って下さい」

ちゃう! ちゃう!
なんで俺は、グリーン候補生を煽るような事を言うのさ。
キム・キムは、彼らの中にいる資産家の息子からカネを騙しとっているんだぞ。

「おーい! レッドしゃん!」

「レッドどの。貴殿に見て欲しいモノがあるのじゃが」

ブルーとピンクが、二人して、俺を呼ぶ。
今は助かったと言っておこう。
この注目から。

「こんど、ここヒーロー製作研究所に完備する純金風呂の話なんでしゅが」

じゅ、純金風呂だと!
なんだ、その趣味の悪い風呂は。
まるで総金歯の成金オヤジ以上に肥え太った最悪の趣味だぞ。

「この七十億するのがいいか。妥協して、二十億のにするか。悩むでござる」

「悩むでしゅ。レッドしゃんの意見も聞きたいでしゅ」

悩むな!
そんな趣味の悪いモノ、いらない!
大体、その純金風呂を完備するカネはどこから出るんだ。

アレか?

また、その資産家の息子とかいうグリーン候補生からふんだくるのか?

「純金風呂? そんなモノはいらん!」

おお?
イエロー、お前は俺の味方か。
確かに常識家のイエローらしい発言だが、信じてもいいのか?

ま、イエローはネコだが、この中で一番、信じられる。

やっぱり純金はないよな。
しかも、グリーン候補生の家からお金をくすねて買うなんて、あり得ないよな。
なんだか、常識という言葉に安堵を覚え、イエローを見つめた。

イエローは、親指を突き立て、笑う。

グッジョブと。

「俺が欲しいのは、九十億するプラチナ風呂だ」

ぐはっ!

なんだよ。一体。プラチナ風呂って。
純金以上に趣味が悪いぞ。
九十億だし。

ていうか、キム・キムを倒す前に一言、忠告しておこう。

そのグリーン候補生の中にいる資産家の息子に。

「というかマコっちには、話してなかったアルね。聞くアル。ヨロシ?」

なにをだ?
その資産家の息子とかいうヤツの事か。
とにかく、一言、言わせて頂きたい。その息子さんに。

「こいつら、全員、資産家の息子アルよ。一人、百億は引っ張ってこさせるアル」

グハッ!
そうかきたか。全員かよ。
大体、百億とか、カネの桁がレベル、違うから。

ハードル高いから。

もう嫌。

神の思惑では、三十話くらいで二部を終了しようと考えていたみたいだが。
このお話、まだまだ続く感じで、終わらせられないらしい。
いかにも適当な神らしい流れだ。

「だからレッドしゃん、やっぱり七十億の純金風呂しゅよね?」

「いや。二十億で我慢すべきかと思うでござる」

「プラチナ!」

もう本当に、こいつら百%、嫌でござる。
みるべき所なし。
以上。

「ホワチャー! みんな、このカンフーの高みを目指すアル。ヨロシ?」

「押ぉぉぉ忍ぅぅぅ!」

みんな、頼む。かけ声止めい!
それと親のカネはくすねたらダメだよ。マジで。頼むから。

「押ぉぉぉ忍ぅぅぅ!」

第三十話、押忍、了。

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【 多分w 】

美味そうに見える料理漫画の料理。しかし実際(リアル)に売られる事はない。

多分w、了。

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【 どうないでっしゃろ?w 】

自家栽培は美味しいし体にいいねと農薬をふんだんに使って作る自家栽培の野菜。

どうないでっしゃろ?w、了。

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四草めぐる

Author:四草めぐる
将来、月に移住したいと思う今日この頃。現実的には一歩、一歩、着実に。基本を大事に。

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