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E★エブリスタ

では、▼以下より、私の世界をお楽しみ下さい。
     

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【 センター獲得 】

今日は、僕が応援するアイドルAHB48の選抜総選挙の結果発表の日。
もちろん応援団長である僕は、三十票ほど投票した。
センターは、もちろんゆきりんだろう。

ゆきりんしかいない。

そして僕はドキドキしながら選挙速報を見た。
結果、シングル選抜メンバーのセンターを見事にゆきりんが獲得した。
ナイス、ゆきりん。

僕は部屋で一人、シャンペンを開け、ゆきりんの前途を祝った。

なに?
AHB48とは何だと?
AHB48(アホばっか48)というアイドルグループだ。

知らないとな?

そうだな。
総選挙の前にAHB48を有名にしなくてはならないな。
なにせAHB48は、路上で活動しているアイドルグループだから。

しかもAHB48は、五人しかいないのだ。

とんだ総選挙であった。
それでも、ファンにとっては嬉しい出来事なんだな。
ファンとは、そういうモノなのだ。

おっほん。

センター獲得、了。

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↑現代に甦ったマツモトキヨシw
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【 連載小説、ダニット 】

成り行きで書いています。今のところ外伝も入れて、十五話。以下、続刊。

お話、概要。

フーという根性の曲がった切れ者探偵が、難解な事件に挑む、お話。
しかし、第一話で、殺人事件の犯人が分かってしまって。
いや、それだけ切れ者の探偵だという事です。

▼ダニット、プロローグ、基本
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206060004/
▼ダニット、ジャスト・セブン
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201207200000/
▼ダニット、その弐、後ろ
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201212160003/
▼ダニット、その参、概要
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201212270001/
▼ダニット、その四、螺旋
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201301020002/
▼ダニット、その五、部外者
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201301030002/
▼ダニット、その六、演繹と帰納
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-60.html
▼ダニット、その七、紫煙の向こう側
http://kokolost.blog.fc2.com/blog-entry-71.html

*****

▼外伝、フーという少年
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206070004/
▼外伝、将来の夢
前編、死にたいという少年、フー
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206080002/
▼外伝、将来の夢
後編、幽霊か? 手品か?
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206080003/
▼外伝、ココロ捜査官
前編、出会い系にて
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206220001/
▼外伝、ココロ捜査官
後編、心理捜査官、ココロ
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201206220002/
▼フー・ダニットからの挑戦状
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201210090001/
▼薬物濫用
http://plaza.rakuten.co.jp/kokolost/diary/201303010001/

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↑渋いw
     

【 ダニット、その六、演繹と帰納 】

「ほほう。まず、私が知りたかった事は、君とセブンス将校の関係だ」

ゆっくりとフーは、語り始めた。
確かにフー・ダニットは、私とセブンス将校の関係を知らない。
しかし今更、そんなモノを知っても意味がない。

なぜなら、事件の犯人は分かっているし、動機も、トリックも暴かれている。

その上で私とセブンス将校の関係を知ってなんの意味があるのだ。
しかし、フー・ダニットは、そこが重要なんだと続ける。
もしかして私は、この親子に疑われているのか。

そう。真犯人はセブンス将校ではないと仮定してだ。

あり得ない話ではない。
しかし、これは神に誓って言おう。
私は、決して、私の部下を殺してはいない。
私は被害者を殺す動機もないし、むしろ犯人捜しを依頼しにきたのだ。

「ほう。君が犯人だという事は要素の一つとしては考えているよ。ほほう」

フー・ダニットは、全てお見通しだと私に言った。
この探偵、何で、こんなに頭が切れるんだ。
イカレてる。

「ほほう。では、私の推理方法を説明してあげようかな。ふむ」

「……推理方法ですか?」

「ほう。そうだよ。私の推理の方法。推理とは実に面白いモノだ。ほほう」

「……」

「推理には大きく分けて二つの方法がある」

フーはピースサインでも出しているかのように二本の指を突き出す。
私には、もう黙って聞くしか道は残されていなかった。
何を言いたいのか分からなかったからだ。

「ほう。一つが、演繹法という方法。もう一つが帰納法という方法。ほほう」

「演繹法と帰納法ですか」

「ほう。では、ここで問題だ。私はどちらの方法を使っていると思う?」

いや、突然、そんな質問をされても困る。私は、演繹も帰納も私は知らない。
やっぱり、この性悪探偵、私を困らせて楽しんでいるんだな。
私が何も答えないでいると。

「ほほう。答えを聞く前に、少しだけ説明しよう。まず演繹法だが」

「正直、私は演繹なんて言葉、聞いた事もありません」

嫌みな事を聞くなと私は思った。
しかも親切に説明してくれるんだと。不愉快極まりない。
どういう生き方をしてくれば、こんなに嫌みで、嫌らしい人間になるのか?

「演繹法とは真実があり、そこから推理をし真実を正と証明する方法だ」

「何だか難しい言い回しで、私にはちょっと……」

「ほう。そうか。では、簡単に言おう」

「はい」

「今回の件では、まずセブンス将校を犯人だと決めつける。これが真実だ」

「……はい。そこまでは分かります」

「次に推理をするのだ。殺した部下が疎ましかったとか」

「動機ですね」

「いや、動機ではない。検証結果の一つとしての疎ましかったなのだ。ほう」

「……一つの検証結果。科学の実験でいう結果と同じモノですか?」

「ほほう。なかなかどうして。その通りだよ」

「何となく演繹法が分かってきました。そうして推理を繰り返して……」

「そうだ。真実、つまり犯人がセブンス将校だと分かるのだ」

「では、帰納法は?」

「ほほう。まったく持ってして逆の推理方法だ」

「そうか!」

「そうだ。複数の推理を統合し、真実を導き出す推理方法だ。さ、答えは?」

「答え? なんの答えですか?」

「ほほう。先ほど出した質問の答えだ。私はどちらの推理方法だと思う?」

「これは多分ですが。あなたは演繹法を使っているのでは?」

私は、この嫌みたらしいフーという人間の性格を考慮して、答えた。
フーは、またタバコに火をつけ、煙をくゆらせ愉しんだ。
それから、ゆっくりと答えた。

「正解だ」と。

そして、タバコの煙を吐き出し、ゆったりとしていた。
大事な事を言おうとしているんだろう。
一旦、間を空けた。

「演繹法では結果に間違いがあった場合、改めて実験し直す必要があるのだ」

そうか!
そういう事か。やっと分かりかけてきた。
演繹法では、真実があり、その真実を裏付ける為に推理をする。

しかし真実とは逆の推理が成り立てば、否定する作業が必要になってくる。

だからこそ捜査はいまだ続いていると言ったのだろう。
何らかの要因があり、真実が否定されたのだ。
今一度、検証し直すのだろう。

私は、また一つ真実に近づけたと顔を紅潮させ、鼻息荒く、興奮した。

その六、演繹と帰納、了。

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↑かれこれ一年近く格闘していますw
     

【 小生、只今、困って候 】

今日、小生の家に泥棒が入った。
泥棒のヤツが盗んでいったのは、小生の家にある高価な品々。
例を挙げると……。

・モナリザの微笑みのラフスケッチ。

・アポロ11号の船員が持ち帰ったとされる月の石。

・アレキサンドリア図書館に収蔵されていたアルキメデスのパピルスの巻物。

・ロドス島の巨像の欠片。

……等々。
今回、小生は、とんでもない被害を受けた事がよく分ろう。
ただしだ。警察に届ける事はできない。
なぜなら、この盗まれた品々。

実は、小生が世界を股にかけて盗みまっくたモノなのだからだ。

つまり小生は怪盗。

警察に届けたら、一瞬で足がつく。
それは、今までの小生の所業が、世の中にバレてしまうという事を意味する。
はてさて、まったく困った事件が起こってしまったものだと思う。

小生、只今、困って候、了。

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↑念写w
     

【 濃い空×グレヨンじんちゃん 】

「やっぱり、恋って凄いッ!」

私は今年、高校に上がったばかりのピカピカの一年生。
そして高校生になった私は、恋をしています!
好きな先輩がいるんだ。

そして、今、恋愛小説、『濃い空』を読んでいて、つまり感動したのだ。
特に主人公のミカが、ヒロにラブレターを渡すシーンが好きだ。
そのラブレターが、また名文で。

私は、思わず声を漏らして、泣いてしまった。

やっぱり恋って凄いッ!
何の偶然か? 私の名前はミガ。そして私の好きな先輩の名前はピロ先輩。
これは、もう、ラブレターを書いて渡すっきゃない。

もちろんラブレターは、あの名文しかないッ!

> ピロ先輩へ。
>
> ずっと貴方の事を見ていました。
> そして、この気持ちを、もうどうにも抑えきれないので、告白します。
> ピロ先輩? 
>
> ピロ先輩は好きな人がいますか? 恋してますか?
>
> 私はピロ先輩の事が好きです。
> もしピロ先輩が、恋をしているだったら相手は私だといいなぁ~♪
> もし恋をしていないんだったら私と恋をしませんか?
>
> 私は、ピロ先輩の事を愛しています。
>
> 心の底から。

できるだけ可愛い便箋を使い、私的に名文な文句をしたため封筒に入れた。
それをドキドキしつつ先輩の靴箱に入れた。
ガンバ! ミガ!

そして、私は、これから起こるであろう劇的な展開を期待した。

*****

オッス、オラ、ピロ!
今日、学校に来たら靴箱にラブレターらしきモノがあったゾ。
オラは、そんなに格好良くないから目を疑ったんだゾ。

でも、これは紛れもなく現実らしいゾ。

飛び上がったゾ。
後、オラはラブレターを読んだゾ。
ゆっくりと十七年間もの鳴かず飛ばずのオラの人生を振り返りつつ。

なに? なに? ふむ、ふむ……心の底からと。

*****

先輩、読んでくれたかな?
私の溢れる恋心を綴ったラブレターを。
念には念を入れて、あの『濃い空』の名文を書いておいたし。

私はドキドキしながらピロ先輩からの返事を待った。

*****

オッス、オラ、ピロ!
あのラブレター、燃やしてやったゾ!
あれは間違いなく、オラの悪友、野原じんのすけが書いた悪戯なんだゾ。

だって、どこにも差出人の名前が書いていないんだゾ。

なにより。
ラブレターの内容が、あまりに酷いゾ。
オラだって読んでるんだゾ。

『濃い空』

「オッス、オラ、野原じんのすけ。どうした仇敵を見るような目つきで」

「知らん。お前になんか今のオラの気持ちが分るか。ボケッ!」

「おい。おい。なんだっていうんだゾ」

「うるさいゾ。あんなモノ、燃やしてやったゾ!」

「なんの話だゾ?」

*****

……作者「ノリで読んじゃって下さい。ノリ以外何もなしw」

濃い空×グレヨンじんちゃん、了。

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↑しんちゃんは、1m強だそうですw
     

【 何を仰るウサギさん 】

うふっっと、ぶりっ子。どちらも死滅。言っちゃった。てへぺろ(・ω<)。

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↑やっぱり、この人に描いてもらうしかないでしょうw
     

【 一番、黒いのは私 】

「俺? 俺は専門学校に通っているよ」

五月も、もう少しで終わりの今日、高校を卒業して就職したヤツと会った。
彼は五月病を患ってしまって、もう会社に行きたくないそうだ。
ま、確かに進学した俺には分らない事だった。

「なに? 何を専攻しているのかって? そんな事を聞いてどうするん?」

どうやら彼は今からでも遅くはないと進学の道を模索しているようだ。
そして、俺の進学した専門学校に目を付けた。
つまりあれだ。

知ってるヤツがいる専門であれば、幾らか楽だという事を言いたいのだろう。

俺から言わせれば、彼が進学を目指す事は逃げでしかないのだが。
しかしヤツに、それを理解させるのは難しいだろう。
だから話に付き合ってやる事にした。

「……俺の専攻は、恐喝、強請(ゆすり)、集り、そして賄賂くらいかな?」

「っぅ! お前の行ってる専門ってヤクザ養成校なの?」

「ヤクザ!? 失礼な! 全然、違うぜ!」

やれ、やれだ。
五月病を相手にするのは疲れる。
基本的に現実逃避なのだから俺の言葉も意味不明に聞こえているのだろう。
とどのつまり新社会人になって、五月病を患う程度のヤツだ。
俺の崇高なる志を理解できないんだろう。

俺は、政治家になるのだ。

その為に今は力をつけるよう専門学校に通っているのだ。
五月病になるようなお前には務まらないよ。
俺の学校は。

「……俺、真面目に会社行くわ。話を聞いてくれてありがとうな」

「おう。そうしろ。頑張れ」

「ていうか、もう二度と俺、お前に関わらないわ」

「つうかネタはもう仕込んだし。これから長い付き合いになると思うぜ」

「いやぁぁあ!」

*****

……作者(※注、講師)「相談した相手が間違いでしたね。クククッ」

一番、黒いのは私、了。

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↑渡辺謙ではないw、チラリズムw
     

【 火の弾ボーイ、~ 第九球、熱い夏 】

「……やっパり、ぼクには致命的なじゃクテんがあるんだね?」

呂慕が村木選手に軽くひねられ不思議そうな顔をしている。
それは、そうだろう。呂慕は自分の弱点にまったく気づいていないのだから。
それでも不敵に笑うだけの村木選手。

ここは、俺が呂慕に説明した方がいいのだろうか?

そんな事を考えていると呂慕が、再び、自分の疑問を口にした。
そう。自分の投球を強く信じていたがゆえに。
まるで自身を省みるように。

「200キロオーバーの剛速球。針の穴を通すような正確なコントロール」

「クククッ。そうだな。一見、無敵に思えるな。ただし、一見だ」

おもむろに村木選手が答える。
俺も同じ事を思った。
そうなんだ。一見なんだ。一見でしかないんだよ。

呂慕の球は確かに初見では打てない球だ。

しかし一ヶ月以上も呂慕と対戦していた俺に言わせると……正確すぎるんだ。
そう。その針の穴をも通すコントロールが、災いしているんだ。
呂慕の球は、いつも同じ所にくる。
つまりど真ん中に。

「そうだ。プロは一回の対戦で、色々な情報を得て、次に繋げるんだぜ?」

俺は一ヶ月以上も打てなかった。
しかし、村木選手は、たった一回の対戦で、もう見破っていたんだ。
つまり呂慕はど真ん中の直球しか投げられないという事を。

しかも教科書通りの綺麗なストレートを投げるのだ。

乱暴に言えば、こちらも計ってバットを立てておけば当たる事は当たるのだ。
ま、俺はバントでは納得できなかったから振っていたのだが。

でも、それにしても……。
あの球をホームランにしてしまうとは、さすがにプロの四番打者だと思った。
改めて村木選手の偉大さを知り、プロとは如何に凄いかと思い知った。

「おー。草野って言ったか? お前、本気で俺の住む世界にくるつもりか?」

「……えっ。あ、う、え、お」

俺は、一体、何を口走っているんだ。
いきなり村木選手に語りかけられ、どもってしまった。
村木選手は、またうつむきほくそ笑み続けた。まるで俺を諭すように。

「即答できないか? フフフッ。まだまだ名前の通り、草野球レベルだな」

俺は自分で自分が恥ずかしくなった。
俺は村木選手の前で、あんなとんでもない事を言ってしまったのだ。
俺に打てない球はないと。

俺は赤面し、そして、うつむいてしまった。

プロの四番にとんでもない事を口走ってしまったと自嘲しつつ。
ただ、それは俺のプライドでもあり、生き方でもある。
今は実力が伴っていないだけで。
言い訳だけど。

「ま、でも。あれだ。俺に打てない球はない……の繰り返しだぜ?」

えっ!?
ちょっとマジ? 俺に打てない球はないの繰り返し?
そうなの? 本当に?

そう言われて俺は村木選手に認められたような気がして無性に嬉しくなった。

「ただし俺の住む世界に辿り着くのは、まだかなり先の話だろうがな」

「……あ、えっ。はい」

「そうだ。草野、決して忘れるなよ。俺に打てない球はないだ!」

「は、はい!」

「そうすれば、自ずと俺の住む世界に辿り着くぜ!」

「はい!」

俺は、村木選手に、強く背中を押されたような気がして、嬉しくなった。
呂慕は、自分の弱点を納得し、俺の方を見つめている。
そうなんだ。呂慕は再戦を望んだのだ。

つまり、ど真ん中しか投げられない呂慕も成長したという事だ。

今は、まだど真ん中しか投げられないだろうけど……。
そう。絶対に打たせないと繰り返し投げているうちにど真ん中以外も……。
クククッと、村木選手がほくそ笑む。

「呂慕か。お前もまだまだ成長の余地があるな。面白ぇよ」

「ボくは、ぼクの球を誰にも打たせない!」

「いいぜ。こいよ。俺の住む世界に」

いつの間にか空は雲一つない突き抜けるような晴天になっていた。
先ほどまで小雨が降っていたのが、まるでウソのように。
そして、俺は最後の最後に全身全霊の力を込めて大声で初夏の空へと叫んだ。

「俺に打てない球はねぇ!」と。

すると呼応するかのように呂慕も叫んだ。
こちらも全身全霊の力で。

「ボくの球は、絶対に打たせない!」と魂が共振するように。

「フフフッ。ま、頑張れや」

生きているのが、辛いと言ったのは誰だ?
世の中なんて、面白い事がないと言ったのは誰だ?
少なくとも俺は楽しいぜ!

呂慕という強敵(とも)がいて、そして村木選手という目標がある俺は。

もちろん女鹿根も、これからが大変だろうと思う。
呂慕というロボットの保護者として、色々、あるんだろうなと思う。
ま、その大変さも楽しいんだろうけど。
やっぱり、俺はこう思う。

世の中は、なんてエキサイティングなんだと!

夏の始まりを告げる蝉が一匹、飛んできて、木にとまる。
そして、これから夏本番だと精一杯、鳴き始める。
今は、まだ一匹しかいないが。
力一杯。

うん。今年の夏は、とんでもなく熱くなるだろうと俺は確信した。

第九球、熱い夏、了。

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↑つまりは、そういう事ですw
     

【 火の弾ボーイ、~ 第八球、プロという人種 】

「うっせぇ! 呂慕、ボールが転がった方をみて見ろよ! 俺の勝ちだ!」

そう。
俺が、そう言ったようにボールはフェアゾーンに転がっていた。
つまり、ピッチャーゴロなのだが。

打った事に変わりがない。

村木選手はうつむいて、クククッと笑っている。
対して呂慕は必死で、こう言う。

「うッたんじゃない。あテただけだ」と、語気を荒げ。

俺も必死で言う。

「うっせぇ! 打ったんだよ!?」と、腕をブンブンと上下に振りつつ。

「あテただけだ。打っタんじゃない!」

それでも必死で抗議する呂慕。
こうも相手が頑なだと、こっちだって、嫌が応にもエキサイトする。
呂慕の球を打ったんだと、俺は目の色を変え突っかかる。

「うっせぇ! 打ったんだよ!?」

「アてただけだ!」

「うっせぇ! うっせぇ!? 紛れもなく打ったんだよ!?」

遂には興奮の域を超え、呂慕が俺の襟首を掴み、殴りかかってきた。
やんのか? おう? やんのか? コラ!
俺も、それに釣られ殴りかえす。

暫しの間、俺と呂慕の周りは砂塵が舞い、二人の姿をかき消した。

つまり、俺と呂慕が大げんかを始めたという事だ。
女鹿根は離れた所で、俺たち二人のけんかを唖然と黙って眺めていた。
興奮する呂慕を尻目に。

多分……。
呂慕が、けんかを仕掛けるなんて、あり得ないと思っているのだろう。
もう呂慕の操作権は、ないと思われる所まできていた。
いまだに俺と呂慕のけんかは続いている。

「お前も女鹿根と一緒でしつこいな。さすが女鹿根の作品。打ったんだよ!」

「アてただケなんだ。草野の方こそ、しつコいぞ!」

「うっせぇ! うっせぇ!」

そして……。
女鹿根には、もう一つの疑問があった。
なぜ呂慕の球を草野が、当てる事ができたのか。
いや、飽くまで呂慕サイドは打ったのではなく当てただけといいたいらしい。
それは、さておき呂慕のウィーク・ポイントとは、なんだったのか?
冷静に解析していた。

完璧な制球力。

そして、200キロオーバーの剛速球。

それのどこに弱点があるというのだろうか。もちろん球質は重い。
当てたにしろ、打ったにしろ、なぜ為し得たのか。
女鹿根は不思議に思っていた。

「ふぅ。……へっ。分ったよ。俺は当てただけだ。それでいいんだろ?」

俺は、正直、殴り疲れた。
だから、ここは人生の先輩である俺が折れる事にした。
一応、村木選手の方をチラッと見てから。
ごめんなさいと。

「よくなイ。草野は、僕の球をウったんだ。当てたンじゃない!」

「打った?」

「そう。ウったんだよ!」

「ふはははっ」

俺と呂慕、そして村木選手も入れて三人して笑い合った。
そうなんだ。呂慕は俺が思うより、ずっと凄いヤツだったんだ。
そんなヤツと勝負をしていたなんて。

この世は、エキサイティングだと改めて思った。

しかし、そこで蚊帳の外の女鹿根が怒りを露わに俺たちに突っかかってきた。
そんなエンディングでは、決して納得できないと大声をだして。
女鹿根のヤツ、野暮な野郎だぜ。

「当てたでも、打ったでも、そんな事はどっちでもいい」

「……?」

「どちらにしろ、ピーゴロ。ヒットじゃないぞ。お前の負けだ。草野!」

本当に野暮な事を言うヤツだな。
俺が、女鹿根に抗議しようとすると呂慕が、割って入った。
しかし呂慕を制し、村木選手が女鹿根に対峙した。

「納得できないようだな。ま、いい。この勝負、俺がケツを持ってやるぜ?」

「ケッ。ヘッポコか? 拒人を出て行くんだろ? それがケツか?」

「違うぜ。俺が勝ち負けをハッキリさせてやるんだよ!」

「……どういう事だ?」

「今度は俺と呂慕の勝負だ。一球だけでいい」

「いまいち意味が分らないが。お前と呂慕が勝負してどうするんだ?」

「それで俺のホームラン以外は草野の負けでいい。どうだ?」

「!」

ホ、ホームラン以外は負け!?
いくら村木選手がプロ野球の拒人の四番を張っている男だとしても無茶だ。
確かに呂慕には致命的な欠点があるけど、それでも……。

「これは俺のプライドの勝負でもあるんだぜ?」

そうか。
村木選手は、どこまでいってもプロ野球選手。しかも四番。
負けたままでは収まりがつかないという事か。

「どうだ? やらねぇか?」

「ぼクは、いいよ」

呂慕が落ち着きがなく、そわそわと小さな声でつぶやく。
女鹿根は……女鹿根! お前、目が怖いぞ!
そこには超悪人顔の女鹿根がいた。

「ふはははっ! 村木。ヘッポコ四番が。お前ごとき軽くひねってやるわ!」

「じゃ、決まりだな。とっとと投げろ! スタンドに放り込んでやる」

「大層な口を聞くな! いいだろう! 勝負だ!?」

悪魔超人、女鹿根。
ヤツは、そこで更に念には念を入れて、また例のあのレバーを下ろした。
そして呂慕の耳元でささやく。120%で行けと!
どうみても完全な悪役なセコンドだ。

「全力だ!」と、呂慕から投げられた球は……。

スコーンという軽く抜ける音がして、見事、スタンドを悠々と越えていった。
場外ホームラン。え? そんなのあり? 俺の苦労は?
女鹿根も呂慕もあんぐりと口を開けている。

「つーわけで。これで草野の勝ちは決まったな。そういう約束ぜ?」

「なんでだ!」

うほっ。
何、この声量。女鹿根、お前、本当に声がでかいよな。
軽く見積もって、呂慕が投げた投球によって起こされた爆音の十倍か?

「なんでだよ! なんでだ! 草野の件はまだ分る。でも……」

ま、女鹿根の言いたい事も分る。
分るが、うるさい。

「村木とは、あのドームでの勝負で一回、勝っているんだぞ! なんでだ!」

「俺はプロだぜ? 二度は負けん。その意地で生きてるのがプロだ」

「納得できん! ヘッポコのくせに!?」

ああ。うるさい。うるさい。
俺は呂慕に目配せをして、軽く投げてもらった。

女鹿根を。

そして、見事にストライクゾーンに飛んできた女鹿根を打った。
後、女鹿根は、キラキラと涙をまき散らせ舞った。
俺のバット、一振りで。
くるくると。

「あり得ぇぇん!」と、女鹿根は捨て台詞を残し、深い海へと沈んでいった。

第八球、プロという人種、了。

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↑納得できーん!
     

【 暇人(イマジン) 】

「よし、統計が出たぞ!」

我々の住む町内には、呪いの踏切がある。
しょっちゅう事故が起こる事で有名になった場所だ。
五人は死んでいる。

そんな呪いの踏切なのだが……、この度、晴れて立体交差になる事となった。

立体交差になっても呪いは有効なのだろうか?
興味が尽きない事なのだが、今、一つ、面白い統計結果を出した。
呪いの踏切の事故率を計算したのだ。
事故った人割る通行量の。

さて、結果を発表する前に指標を指し示しておこう。
普通の道路の交差点で交通事故が起こる確率は、0.2%前後である。
では、呪いの踏切での事故率はどうか。

実の所、たったの0.03%弱という統計結果が出た。

そうなのだ。
結局、呪いの踏切と言っても、気にしすぎの域を出ないのである。
呪いの踏切とは、交通量が多くて事故る要素ある場所の事を言うのであろう。

少なくとも我々、オカルトハンターは、そう結論づけた。

「……という私たちは、呪いの踏切に憑く地縛霊だよ。キャハ、ペロ!」

暇人(イマジン)、了。

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↑オール・ザ・ピープルw
     

【 闘え!! 拉麺男 】

牛肉は国産。野菜も無農薬。でも、なぜかウーロン茶だけは中国産。

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↑時は今。場所は中国福建省w
     

【 似たり寄ったり 】

「あぁー、疲れた。今日も残業だったよ」

今日は飲み会。
久しぶりに高校時代の友達と飲む事となった。
僕は同期の中では一番の出世頭だ。
今日、飲む友達は二番手。

「お疲れ。今日も朝早くから働いているお前を見かけたよ。本当に大変だな」

出世頭と言っても、高校時代から僕はみんなに好かれていた。
だから彼のこの言葉に嘘はないし、嫌みでもない。
むしろ哀れんでいてくれるのだと思う。

「月、29日、出勤だぜ?」

「大変だな」

「しかも朝は5時から夜は12時まで。しかも残業まであるんだぜ?」

「そんなに働いて、一体、いつ寝てるんだよ?」

「移動中とか。飯の後とか……」

「仮眠か!?」

「そそ。睡眠は、一日、何回かの15分くらいの仮眠で過ごしているよ」

「本当に大変だな。ま、でも忙しいうちが華だからな」

「確かにな。分ってはいるんだけどよ……」

「お前の働いている業界で、ヒマなヤツほど悲しいヤツはいないぞ」

「そそ。ヒマになったら消えたとか言われるんだ。こんなに働いているのに」

「悲しい生き様だな。心の底から同情するよ。泣いていいぞ」

「おお。分ってくれるか。同士よ!」

一応、僕は一番の出世頭。
しかし、今、現状での出世頭でしかない。
来年になったら僕は、業界から消えているかもしれない。

そう。僕の仕事は芸能人。

今は殺人的に忙しいが、来年になったら、どうなっているか分らない。
そして、同情してくれた友達は、売れっ子、作家。
二番手の彼も……。

似たり寄ったり、了。

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【 火の弾ボーイ、~ 七球目、青い焔の弾 】

「草野。実はな。今まで隠していたんだが……」

女鹿根の眼光が一段と鋭くなる。
まるで、雌雄を決する時は今だと俺に告げぬばかりの光を発している。
そう。まるで本能寺で信長を討った明智光秀のように。

「呂慕は、今まで力をセーブしてお前と勝負していたんだぜ!」

「……」

「つまりこういう事だ」

女鹿根が、頭の後ろ辺りにあるレバーを下げる。
呂慕英雄くんの目の黒目が、真円から逆三角形になり、異彩を放った。
そう。

それは呂慕英雄くんのリミッターが外された事を意味した。

「僕は、イマまデ、70%のチからで、なゲていたんだよ。草野」

呂慕は俺に絶望を告げる。
今まで、70%の力しか出していなかったのかと。
俺はうつむき、しかし、笑いを堪えきれないと声を漏らす。

「カッ! それを聞いたら怖じ気づくと思ったのかよ。なめられたもんだぜ」

そう。
俺は、呂慕が100%の力で投げるという事に打ち震えたのだ。
そして呂慕は、その更に上をいく事を言い出した。

「フフフッ。そレでこそ草野だ。ならば僕は120%のちカらで投げるよ!」

「面白ぇ! 120%の力、それが現時点での最高なんだな?」

「そウだよ! 僕自身のかラだがこわレてしまうから」

「そんな。リスキーな橋を渡ってくれるんだな! 面白ぇ! こい!!」

「いくよ!!」

「よっしゃ! 勝負だ! 呂慕!」

呂慕は相変わらずうっとりとするような基本に忠実な投球フォームに入った。
まるで、それは風で回旋曲(ロンド)を舞っている蝶のよう優美に。
初夏の晴れ始めた空にはピッタリのフォームだった。

そして、それは、完成された一つの芸術作品のようにも思われた。

そして、呂慕の手からボールが放たれる。
ボールは例によって焦げ臭いにおいを放ちつつ、発火点を超そうとしていた。
さすがに120%だけはある。

その焔は、青かった。

そう。
焔と表現したのには、きちんと意味がある。
炎には、大きく分けて、外炎と内炎があり、外炎は一般的に温度が高い。
その外炎の中でも、青の輝線スペクトルは一番、温度が高い。

つまり今120%で放たれた燃えるボールは、一番、摩擦抵抗が大きいのだ。

それだけの球速があるという証明だ。だから青い焔の弾と表現したのだ。
そう表現するだけの価値がある一球だった。
呂慕の体から煙りが発する。

120%の力を使えば、自身の体も壊れるかもしれない。

呂慕はそう言っていた。
多分、それは今の呂慕自身の体から発せられた煙とは無関係ではないだろう。
呂慕は、俺との勝負に全てを賭けてくれたのだ。

俺は、その心意気に応える義務がある。

俺は、俺の心の芯を今一度、確認し、スイングに入った。
それを見た村木選手は、フフフッと笑い、やって見せろと反応した。
そして俺は。

もう一点だけ。たった一点だけに集中していた。

呂慕の弱点。それだけに。
そして、俺は、今、まさに今までの勝負の画竜点睛を加えようとしていた。
そう。もちろん俺に打てない球はないという野球人生という作品だ。
それは、呂慕と俺の決戦の決着をも意味した。

「これだけ見て、それでも打てなかったら、野球を止めてもいいぜ!」

俺のバットは青い焔の弾に向かって一直線に振られていく。
そして、見事に弾をバットの芯で捉えた。
しかし……。

「……ウギギギッ。なんちゅう重い球だ。さすが青い焔の弾だけはある!」

そうなのだ。
呂慕の投げた弾は、まるで砲丸投げのボールのように重かったのだ。
多分、球速は軽く200キロを超えているのだろう。

俺とバット、そして、ボールの時が止ったように三点は固まる。

しかし!
俺だって負けてはいない!
ここで、バットが跳ね返されれば、俺の負けになるのだから。

後は、もう意地で打つしか道は残されてはいなかった。

勝負事の鉄則だが。
結局、最後は、最後の最後まで勝つと信じた信念を持ったモノが勝つのだ。
だから俺は、最後の最後まで、絶対に打つと自分を信じ抜いた。

「ウギギギグッ! 俺に打てない球はねぇ!?」

そして……。
俺は、ボールを中心にバットを持ったまま観覧車のように舞った。
そう。中空に浮いて、あり得ないイキオイで回ったのだ。
グルグルと高速回転する懐中時計のように。
時を巻き戻す時の時計だ。

後……。
俺は、中心にあったボールにあざけり笑われるようにはじき飛ばされた。
この勝負、もしかして、俺の負けか?

いや、俺は、最後の最後まで、あきらめない。俺を信じ抜く!

それが俺の生き方だから。
すなわち、それが俺に打てねぇ球はねぇという信念なのだ。
俺は、はじき飛ばされながらも、ボールの転がった方向をキッと見据えた。

「フフフッ。ざンねんだったね、草野?」

「……」

「このしょウぶ、草野のマけだよ」

と呂慕が言った。
村木選手は黙って胸を張り、俺と呂慕を見比べていた。
まるで、お前に打てない球はねぇんだろ? っと語りかけるような眼差しで。

七球目、青い焔の弾、了。

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【 現代版、追いはぎ 】

ここを通りたければ通行料を払えと、ETC。

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【 火の弾ボーイ、~ 第六球、おかわり 】

「ちっくしょう! 俺に打てない球はねぇ!?」

その日も呂慕に敗れた俺がいた。
しかも、その日は朝から曇天で小雨がぱらついた落ち着かない日だった。
季節も春から初夏へと移り変わり、梅雨入りも近かった。
憂鬱であった。

「……あのポンコツを追っかけてきたら、面白いモンをみつけてしまったな」

ぱらつく雨が彼の言葉をかき消す。
俺は相変わらず、呂慕を前に明日の勝負を約束しようとしていた。

女鹿根はアレからずっとAIの改良に努めていたようだ。

呂慕英雄くんに対する自分の支配権を破棄しようとはしなかったのだ。
飽くまで呂慕は自分の操作するロボットであれと願ったわけだ。
しかし、それが功を奏したのか、不幸だったのか。
呂慕はどんどんと自立していった。
女鹿根の特権を拒否し。

「なんでだよ。あり得ないぞ。草野、何をしたんだ。くそ。あり得ん!」

女鹿根、お前、あり得ないを二回も言って、底が知れるぞ。
女鹿根は冷淡で、冷酷なヤツだったはずだが。
メッキが剥がれるよう狼狽していた。

「……草野と言ったか?」

小雨がうちつけ、少々、肌寒い今、彼の言葉は微かに俺に届いた。
とても落ち着いた、それでいて自信のある言葉だった。
俺は言葉が発せられた方を確認する。

「!」

「いいリアクションだ。そうだ。俺が負けたままで引くと思ったのか?」

そこには拒人の村木修一選手が立っていた。
それこそ俺は、呂慕がしゃべった事より驚き、言葉を失った。
女鹿根が上目遣いになる。

「ケッ。ヘッポコ、村木修一か? 今更、なんだ? 何か用か?」

「おー。おー。えれぇ言われようだな。拒人の四番だぜ?」

「その四番も今じゃ地に落ちてるだろうが。お前みたいなのに駆逐されなッ」

「ま、しゃーねぇか。一度は負けてるんだしな」

「……次は勝てるって言い方だな?」

「そこら辺は、お前の想像に任せるぜ。ところで草野といったか……」

「!」

俺は拒人ファンではない。
が、野球は死ぬほど愛しているし、プロ野球という世界を羨望している。
確かにメジャーは、もっと凄いと思うが、まだそこまでは。

そう。
メジャーには現実味を感じていないのだ。
そして、その現実味を感じている一番のプロ野球選手が目の前にいる。

しかも去年日本一の拒人の四番の村木修一選手がだ。

これは、俺が何とも言葉を失ってしまう状況だと察してもらえると思う。
更にだ。俺の名前を呼んでいる。
なんたる状況。

「お前に打てない球はねぇんだってな。それは本当か?」

「……あ、おう、……はい」

「草野。へつらうな。こんなヘッポコに敬語なんて使う事ないぜ?」

「本当に、ま、なめられたもんだぜ。この俺がな」

「現実だろ?」

先ほど狼狽していた女鹿根はどこにいったのか、かなり横柄な女鹿根がいた。
呂慕は一人、きょとんとした感じでたたずんでいた。
そこに村木選手が告げる。

「あちらこちらで爆発が起こっていて、ソレを追ってここまできたが……」

そうか。
一球勝負で呂慕が起こす爆発は、俺たちの中で日常と化していたが。
俺たち以外の人間には、大きな目印だったのか。
女鹿根の不安が的中したようだ。

「草野か。お前には本当に打てない球がねぇんだな?」

「しつこいよ。消えろ。村木。草野、こんなヤツに答えることねぇぞ」

「俺は、さっきのお前の答えをそう理解したが、いいか? 間違いねぇな?」

相変わらず女鹿根は悪態をつき、村木選手を攻撃している。
しかし、その攻撃をかいくぐるように俺にしっかりとした言葉を運ぶ。
村木選手は何が言いたいのだろう?

「草野。だった俺に見せてみろよ。お前に打てない球はねぇとな」

「うは。馬鹿め!」

「……」

「草野と呂慕の勝負は一日一球だけだ。少なくとも今日はもう無理だぜ?」

女鹿根が勝ち誇ったように言う。
お前、なんで、そうも拒人が絡むと自分を見失うんだ?
ひいき目に見ても、冷静沈着には見えないぞ。

「……だろうな。決して一日、一回以上、爆発は起こらなかったからな」

「負け犬は帰れ。家に帰ってクソして寝ろ。ヘッポコ、村木」

女鹿根よ……。
もう一度、聞く。お前はなんで、そこまで言えるんだ。
さすが狂信者だけはある。

「で、捜し出すのに苦労したんだがな。ま、それは、いいとして」

「だから帰ってクソして寝ろ。ヘッポコ丸!」

「次の勝負、俺がケツを持ってやる。だから今日、今ここでやらないか?」

「……どういう事だ?」

呂慕英雄くんの去就を極秘裏に球団と密約してある女鹿根が動揺した。
それは、そうだろう。多分、女鹿根は拒人と……。
少なくとも俺はそう理解していた。

その球団の四番が今、ここで提案しているのだ。

俺ですら、もしかしたら密約も破棄されているのかもしれないと勘ぐった。
俺より冷静で分析力に優れている女鹿根が動揺しないわけがない。
女鹿根は押し黙っている。情報を集めているのだろう。
どんな些細な情報でもいいと。

「村木選手もおもシろい人。呂慕、僕は、りょウかイした」

それまで黙っていた呂慕が口をはさんだ。
村木選手は、ちょっと驚いた感じで、肩をすくめ、そして答えた。
予想外だと。

「……お前、しゃべれるんだな? へぇー。ますます面白くなってきたぜ!」

「つうか、草野、呂慕、村木。俺を差し置いて勝手に話を進めるな!」

「草野? お前も見抜いているんだろう?」

村木選手の目の奥が光った。
何を見抜いているのか? それは、呂慕の弱点(ウィーク・ポイント)。
それは俺も気づいていたし、そこを攻めていたつもりだ。

「僕のじゃクてん?」

「そうだ」

「球速170キロオーバー。針の穴を通すコントロール。弱点などない!」

女鹿根が興奮したように言う。
確かに一見、弱点などないような気がすると思われよう。
しかし、実に単純な事を見落としているのだ。

「一球勝負。今日の一球を追加しろ」

「しつこい。無理だぜ。帰ってクソして寝ろって言ってるだろうが!」

「もし次に坊主が負けたら俺は拒人を去る。それでどうだ?」

「!……どういう事だ?」

「だから次に坊主が負けたら俺が辞め俺の代わりに呂慕が拒人に入ればいい」

「!」

トレードという形にかなり近い。
そして、それは呂慕と女鹿根にとって願ってもない申し出だった。
なにせドラフトまで逃げ回らなくてもいいのだから。

「ぬくく。馬鹿め! 草野なんかに選手生命(みらい)を託すとはな!」

女鹿根は相変わらず、イヤらしく笑った。
やっぱりお前、拒人が絡むと人格が豹変しするわ。
気をつけろ。

「勝負! ファイト!」

俺と女鹿根が、同時に力の限り、叫んだ。
いつの間にか辺りの小雨はやんで、雲間から一縷の光がのぞいていた。
それは、村木選手の大きな心のような澄んだ空だった。

やっぱり、世の中は劇的でドラマティックだ!

第六球、おかわり、了。

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【 世界を目指せ! 】

落下傘部隊、大空より目指すは一直線、ソープランド。

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【 人は思い出に浸るモノだと思う 】

生きてるうちは偏屈爺さん。死んだら、惜しい人を亡くしました。

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【 残念無念 】

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【 グルタミン酸ナトリウム 】

私、自然派なのと無農薬の野菜を使い、隠し味に味の素をいれる私。

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【 デーモン閣下 】

拝啓、賢明な読者諸氏へ。

吾が輩には、一般に流布した訂正したい事実誤認がある。

吾が輩は音楽家である。
ただし、平凡な音楽家ではない。

世界に名だたる、もっとも著名な音楽家なのである。

かのモーツアルトも吾が輩の後輩であり、ベートーベンも可愛い後輩である。
これで、幾らか、吾が輩が、どれ位、著名な音楽家か分るであろう。
もちろん、ただの先輩ではない。

後輩らの中には、しっかりと吾が輩の旋律が継承され生きているのである。

音楽にとって、旋律とは、基本要素の一つである。
つまり音楽とは旋律の集まりなのだ。
確かに後輩らも頑張った。

古典派音楽を形成し、今やクラシックを芸術の域にまで押し上げている。

しかし、それも吾が輩の考えた旋律があったからこそだ。
そして今の若輩諸氏らにはクラシック音楽は合わないモノだと考えられよう。
それが大きな間違いなのである。

クラシックでの旋律、そして韻律は現代音楽にも大きく生きている。

よくラップで韻を踏むというものがあろう。
アレは、元を糾せば、クラシックでも広く使われている韻律なのである。

韻律とは音の強弱であるな。

日本人である諸君らに分かり易く伝えるとだ。三三七拍子が、それにあたる。
もちろん詩で使われる五七調も一つの韻律であるな。

そして無論、楽曲には吾が輩の考えた旋律が使われているのである。

ここまでで賢明な読者であれば吾が輩が如何に著名な音楽家であるか分ろう。
そして、これは大きく強調しておきたい事なのであるのだが。

吾が輩は決して金銭の為には演奏してこなかった。

もちろん、金銭を無理矢理、吾が輩に渡そうとした者もいた。
……いたが、吾が輩は、それを受け取る気は、さらさらなかったのである。
吾が輩は自由気ままに演奏していたかったのだ。

いや、自由こそ全てであった。

故にあれだけの旋律や韻律を生めたのであり、後世まで残ったのであろう。
しかし、ここで一つだけ、諸君ら現代人に言いたい事がある。
これだけが心残りで死んでも死にきれないのである。
それこそが訂正したい事実誤認なのである。

それは憎きイソップの輩の話だ。

奴は、吾が輩を勘違いの目で見ていたのである。
すなわち吾が輩は、夏中、遊んでいて、冬にアリに見限られ殺されたと。
そう書き残したのである。

そしてイソップの輩は事もあろうか、それを世に発表したのである。

イソップ寓話のアリとキリギリスという題名のお話でな。

イソップは、最後まで吾が輩を勘違いしたままな。
どうしようもなく、口惜しいのである。
事実は、こうである。

少々、想像してもらいたい。

外は吹雪。
冬の暖かい暖炉の元、吾が輩の演奏を肴に晩餐会とは何とも乙ではないか?
そうなのだ。アリたちもよく分ってくれていたのである。

夏、吾が輩が演奏していたのは、アリたちを応援していたのである。

それをイソップの馬鹿者が事もあろうか。
アリが、吾が輩を見限り、いかにも殺しにしたような描写をしたのである。
吾が輩は、そのイソップの間違いを訂正したいだけなのである。
それだけである。

以上、吾が輩ことアリとキリギリスのキリギリスより。

では、また機会があればな。
さらばである。
草々。

デーモン閣下、了。

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↑ゴールデン・ボンバーの白い人ではないw
     

【 キャリアウーマン 】

結婚したくない。子供なんて邪魔とひたすらキャリアアップを目指す保育士。

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【 リアリズム 】

歯医者に行ったら虫歯を注意された、総入れ歯の私。

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【 実際にいるのかな? 】

日焼けを気にして顔を覆う帽子をかぶる、黒人の女の人。

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【 真面目に読んだらあかん。あかんよ 】

「よっ。調子どうだ? 辛そうだな? これやるよ!」

今、俺の目の前には、悪友の高垣俊(たかがき しゅん)がいる。
そして、本が入っていると思しき紙袋を渡される。
俺は、とんでもない病気を患っている。

調子どうだ? と俊が言ったのは、その病気の事を言っているのだろう。

病名を有害物質過敏症という。
名が示す通り有害な物質に過敏に反応し、下手をすれば呼吸不全で死に至る。
俺が、この病気を患ったのが五歳の時だからもう二十年の付き合いだ。
それだけの間、病気と付き合ってきたのだ。
対策はある。

空気すら完全に管理された無菌室が、俺の家にはあるのだ。

「大丈夫か? いつもより顔色悪いぞ?」

俊が俺を気づかう。
他人が見ても分る位、今日の俺の病状は悪いのだろう。
ゼェゼェと、呼吸が途切れ、血圧が上がる。

つ、辛い。……なぜだか、俊と会ったら、いきなり俺の病状が悪化した。

なんだ? なんなんだ?
く、苦しい。

「会ったばっかりで悪い。今日は、かなり調子わるいわ。帰るよ」

「そうだな。それがいいぜ。俺がやった本でも読んで、ゆっくり養生しろや」

やっぱり、手渡されたモノは本だったのか。
大きさといい、重さといい、雑誌のそれにほど近かった。
俊。ありがとよ。

「済まん。本当に悪いな」

俺は俊を拝むよう両手を併せて、言った。
俊はバツが悪そうに笑い答えた。
気にすんなと。

「俺とお前の仲だろうが。水くせぇぜ。とっと帰って養生しろ!」

俺は、椅子から立ち上がり、家へと帰ろうと思った。
俊に言われた通り、家にある無菌室で、ゆっくりと養生しようと考えたのだ。
それにしても。

今日は、何とも調子が悪いのだろう。

何が原因なんだ?
確かに今いる場所は自動車の排気ガスが充満し空気は汚れている。
しかし、そんなのは日常茶飯事だし、今更だ。

では、大陸から飛散してくる黄砂が原因なのだろうか?

今日は黄砂の量が、いつもより多いからとか?
黄砂とは結局、砂埃なんだろう?
有害だ。

いや、黄砂どころではない。アレだろうか?
今、流行のPM2.5が、俺の病状を悪化させているのかのだろうか?
そうなのだ。

俺は、この有害物質過敏症とは二十年も付き合ってきたのだ。

いまだかつてない、この症状は……。
やはり、あのPM2.5とかいう排ガスの化学物質に反応しているのだろう。
黄砂までだったらまだ許せる。しかしPM2.5は、あり得ん。

と、考えている間に俺は自宅に着いた。

ふぅ~と、深いため息をつく。
俺は、やっと俺のセーフゾーン、無菌室へと辿り着いたのだ。
そして俺は勢いよく無菌室へと入った。

……治まらない。

おかしい! なぜだ!?
俺の病状は、今いる、この無菌室に入れば治まる予定だった。
しかし!

まったく治まるどころか、ますます悪化した。

空気すら無菌なのだ。
一体、どこに俺を苦しめる有害物質があるというのだ!
俺は完全にコントロールされた無菌室のスペックを今一度、確認した。

……どこにも問題はない。
今、俺がいる空間に有害な物質が存在する余地はない。
有酸素カプセルを思い起こしてもらえれば今、俺がいる環境が分かるだろう。

もしかして。
俺の脳裏に一抹の不安が思い浮かぶ。
それは、この無菌室ですら防御しきれない新たな有害物質が出現したのか。

PM2.5が、それなのか?

あるいは病状が有害物質へと更に過敏に反応するよう悪化してしまったのか。
どちらにしろ無菌室が意味をなさなくなってしまった。
俺の苦しみは加速した。

それは無菌室に帰れば、この苦しみは治まると信じていたのだから、余計に。

そして、苦しみ紛れに手に持っていた紙袋を引き裂き、かきむしる。
そう。悪友の俊からもらった本が入った紙袋を。
俊のほくそ笑む顔が思い浮かぶ。

中から、激あへあへ娘という題のエロ本が出てきたのだから。

ゆ、有害図書。

*****

……作者「中に、あへ。あへ。ここか、ここがええんかと書いてありました」

真面目に読んだらあかん。あかんよ、了。

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【 普通だと思う 】

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【 ついでにフォークも 】

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【 火の弾ボーイ、~ 五球目、一球勝負の副作用 】

呂慕の球を空振りした日から、毎日のように俺たちは場所を変え勝負した。
その度にあちらこちらで爆発が起こり、ソレは日常と化した。
約一ヶ月弱。俺たちは毎日のように勝負をした。
そして、今日もまた……。

「ちっくしょう! また負けか! でも俺に打てない球はねぇんだ!」

「草野。お前もいい加減、あきらめの悪いヤツだな?」

女鹿根が、冷酷に告げる。
しかし俺と呂慕は、熱く激しく燃えていた。
そうなのだ。

呂慕英雄くんも俺と同様に熱く燃えてくれていたのだ。

女鹿根は気づいてもいなかったが。
いや、呂慕をロボットとしか認識していなかった為に眼鏡が曇ったのだろう。
女鹿根の眼鏡が。

「……ク」

「?」

呂慕英雄くんの口が微かに音を発した。何かをしゃべろうとしたのだ。
俺は、呂慕が何を言おうとしたのか気になった。
呂慕は俺に伝えたい事があるのだろう。
ライバルの気持ちを知りたい。

「ク・サ・ノ?」

「草野?」

「!」

呂慕英雄くんがハッキリと言葉を発した時、女鹿根が驚いた。
そうなのだ。女鹿根は呂慕英雄くんがしゃべれるとは思っていなかったのだ。
始めに操作をしていたし、そう作ったのだろう。
いや、そうとしか作れなかったのか?
それは分らない。

が、とにかく女鹿根は呂慕が自立するとは思っていなかったのだと思う。

そんな女鹿根を他所に呂慕は続ける。
女鹿根は言葉を失っている。
驚きのあまりに。

「ク…サノは……せこいとイわない。なンでなの?」

声量も細く、たどたどしいが、確かに呂慕はしゃべっている。
そして俺に質問をしてきた。
自分の疑問を。

「せこい? なにが?」

「ボクは、ロボットだよ。ニンゲンじゃないんダよ」

「おい。おい。やっぱり自慢かよ? 俺に打てない球はねぇつうの!」

「チ、ちガうよ。ロボットはニンゲンいジョウのちカらを……」

「おい。おい。ソレを自慢っていうんだぜ?」

「チ、ちガうよ。ダ、だって……」

「ロボットだろうが、人間だろうが関係ねぇ。俺に打てない球はねぇ!」

と、ここまで俺と呂慕のやり取りを唖然と見送っていた女鹿根が口をはさむ。
あり得ないほどの大音量で。クールが売りの女鹿根が。
お前、本当にクールなの?

「呂慕がしゃべっている! 最近、操作がおかしいと思っていたんだが……」

ああ。うるさい。
俺は、両耳をふさぎ、嵐が過ぎ去るのを待つ。

「草野! 呂慕が自立思考し始めたんだよ。一体、何があったんだ?」

だから、お前は見落としているの。
俺と呂慕は、一日、一球の勝負を一ヶ月ほど続けて、熱く燃えていたんだよ。
お互いに。

その果て、呂慕は俺に伝えたい事ができた。

ただそれだけの事だろ。
驚く事か?

「そんな馬鹿な。いくら頑張ってAIを組んでも自立までは……」

ああ。もう。うるさいな。この女鹿根野郎。
俺は例のバッティングに入った。もちろん女鹿根の顔面を範疇に入れて。
ボールを頭上高く放り上げる。

そしてゆっくりとバットの先で、ボールの落下速度を殺した。

後、カキィーンと軽く響く金属音。
例のバッティングで、俺の金属バットが、ボールを放ったのだ。
女鹿根に向け。

「ブニョッ!!」

ノックしたボールは女鹿根の顔面を的確に捉えた。
そして女鹿根は沈んでいった。
暗く深い海底へと。

「とにかくだ。今日の一球勝負は俺の負けだ。でも明日は絶対に勝つぜ!」

「フフフッ。クサノとのしょウぶはたノしい」

「ま、呂慕英雄、今は浮かれてろよ? 最後には絶対に俺が倒す!」

「フフフッ」

呂慕英雄くんは深い海底へと沈んだ女鹿根を背負い、再び姿を隠した。
ドラフトまで、残り四ヶ月弱。
ソレまでには……。

呂慕! 絶対に打ってやるからな!

と俺は、一人、心の中で、固く強く決心した。
そして、もう一度、再確認をした。
俺に打てない球はねぇと。

五球目、一球勝負の副作用、了。

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↑野球は九回、ツーアウトからが勝負なのだw
     

【 猫に小判 】

才色兼備、うなる財力を持つ明日の死刑執行を待つ女囚。

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↑真ん中が私だと思うでしょw、実はのび太w
プロフィール

四草めぐる

Author:四草めぐる
将来、月に移住したいと思う今日この頃。現実的には一歩、一歩、着実に。基本を大事に。

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